第二章 14 三大国からの褒美
「ほい」
アシュラは今回収したウィーチの尻子玉をインドラに渡した。
「これじゃあ、汚い」
アシュラは斬撃で尻子玉の汚れを斬り刻んだ。汚れは一つも残っていなかった。それを確認したインドラはアシュラの指事尻子玉を口に含んだ。アシュラの右手首を掴んで放さなかった。インドラは確かに尻子玉を飲み込んだのを首の膨らみが動いたのを見て分かった。しかし、インドラは指を舐め続けていた。だから、アシュラは敢えて無視してインドラに話し掛けた。
「じゃあ、これからどうする?」
インドラはようやくアシュラの指を口の中で舐めるのを止めた。
「もちろん、アシュと一緒にフロンティアに行くよ」
「それは、そうだけど、戦後処理をしないといけない。だから、ついて来るか?」
「行く。だけど、神龍の血は一旦、戻しとく」
「なんで?」
「だって、神龍の血は私たちだけのものだから。ちゅっ♡」
五分が経過した。
「うん。とりあえず、今はこんな感じで勘弁してあげる」
「じゃあ、行こうか」
「ちょっと待って」
インドラは紋様を刻んでいない透き通った両目に再びハートの紋章を刻むとアシュラを見た。
「アシュ。もし、私以外の女の子と密着したらその分、私と密着することになるからね。そうねえ。右手を見て」
アシュラは言われた通り右手を見た。右手にはハートが刻まれていた。
「このハートはアシュラが私以外の女の子とどれぐらい密着したのかが分かるようになってるから。それと、そのハートは私とアシュラしか見えないよ」
「今、十秒ずつカウントが増えているんだけど」
「それは、分身のアシュラが十人の女の子と密着してるからだね」
「いずれ、後悔するぞ」
「後悔?逆だよ。するのは。アシュは後悔もするし罪悪感にも苛まれるよ」
「まあ、とりあえず、色々と回るか?」
「うん」
「それにしても、あっという間だなあ」
ショワ宗教国は今回の戦いでの被害は主に二種類のエージソンのロボットによる建物の崩壊。死亡者、負傷者共にいなかった。その背景には前日の大雨の被害、と言ってもショワではウールフの活躍で最小限に被害は収められている、により各々で簡易的な地下シェルターを急遽作っていたためだ。そのため、建物の崩壊で死人や負傷者が出ることはなかったのだ。そして、アシュラは青と黒の子猫、プリティーを各分身の元に降ろして、家の修復に当たって十分、復興作業は完了した。それを見たウールフは呆気に取られていた。
「じゃあ、俺に貸一個な」
「怖いなあ。宝石とかどうだあ?」
「宝石?魔鉱石か?」
「ああ。とにかく固い」
「固い。どれぐらい?」
「俺が全然壊せないぐらい」
「ふむ。良いだろう。貸はこれで、無しだ。どこにあるの?」
「あそこだ」
アシュラとウールフはあの教会に向かった。屋根に水晶が使われていた教会だ。
「何?水晶って形変えてしばらく置くと固くなるの?」
「みたいだあ。俺がオーラを流してみようとしたら流れなかった。だから、壊してやろうとしたら壊れなかった。やってみ?」
アシュラは試しに適当に斬撃を飛ばしてみた。傷一つ付かなかった。だから、空間事斬った。そしたら、簡単に斬ることができた。
「ウールフ。お前も早くこの領域に到達しろよ」
「クソッ。やってやるさあ」
「じゃあ、全部貰ってくぜ」
畳一畳分ほどに小分けして切り刻んでから赤色の子猫、プリティーを降ろして全部吸収した。教会は屋根なしになった。
「じゃあ、このあと、色々大変だろうけど頑張れよ」
「おう。また、近いうちにな」
「ライ。立ち上がれ。復興作業だ」
「と言っても、ツリトさんが最低限の処置をしてくれたじゃないですか」
帝国民は元々戦争に備えてシェルターを常備しているため人の被害は全くなかった。だが、建物の被害は大きかった。なぜ、そうなったかと言うと、家を建てる時、家よりシェルターにお金を掛けるからだった。そのため、どうしても家は脆い傾向にある。だから、建物の損壊が目立っていたのだ。だが、アシュラにかかれば木造建築で修復するのは簡単だった。追加で家の設備を良くするのならあとは勝手にどうぞ状態だった。
「貸一つだぞ。何してくれるんだ?」
「皇帝に聞いてください。僕が勝手に会っていいと許可を出したと言って」
「ふーん。確か十八歳だったよな。クーデターを起こして親から皇帝の座を奪ったとか」
「そうです。黒ですよ。最後の最後に勝ち残れる力を持っています」
「なるほどな。行って来るわ」
皇帝の部屋は赤色の装飾品が埋め込まれている豪華な大きな一人椅子が目立っていた。その椅子は赤色の絨毯に導かれるように置いてあった。もちろん、柱の一つ一つにも宝石が埋め込まれていて豪華になっている。ここは皇帝の部屋だ。だが、同時に部下に命令を下すための部屋でもある。その場が閑散としていた。部屋の外ではたくさん人が行きかっている音が聞こえるのに。だが、確実にこの部屋には皇帝はいる。それは第二の視覚により黒色のオーラが椅子に座っているのが見えているから確信できる。アシュラは笑っていた。懐かしさに気が緩んだ。敢えて、一人椅子に座った。そして、オーラを斬った。
「久しぶりだな、メイ。皇帝就任おめでとう」
「うん。ありがとう」
メイはアシュラの膝上に座っていた。否、現実とメイの世界のずれでアシュラの上に座ることになったのだ。
「ところで、二人の女と子供を作ったってホントなの?」
「まあ、その話は置いといて俺は帝国に貸を一個作ったぞ。ご褒美は?」
「ツリト君。置いとけないよ、その話は。じゃあ、皇帝の婿養子になる?」
「そういうのはいいから。で、ご褒美」
「ツリト君。メイと一緒に孤独になる?メイはずっと待ってたよ」
「なし。俺にはお前の孤独はバレバレだ。だから、すぐに抜け出せる」
「何さ。逆レイプじゃないと興奮しないの。メイは大きくなってないけど、お尻はそれなりに鍛えてるんだよ」
メイは黒髪黒目で顔はキララと同じように童顔だ。ただ、キララと違うのは敢えて髪を長くして少しでも大人っぽく見せようとしていることだ。そうするのは身長が小さいからではない。寧ろ女性にしたら高い部類に入るだろう。では、何故、そうしてるか?答えは簡単で胸がぺったんこだったからだ。そして、アシュラに色仕掛けを仕掛けているのはメイのシックスセンスの習得にアシュラが手を貸したからだ。
「ほいで、ご褒美は?」
アシュラはメイに体を揺らされて誘惑されているが決して反応していなかった。寧ろ、早くこの場を離れようとしている。その理由は言うまでもなくインドラである。インドラは現在アシュラの体の右手の甲のハートの中にいた。と言うのも、存在を知られたくはないが、アシュラとは離れたくないという理由だった。そのため、インドラはアシュラの右手からアシュラに自身の感情を伝えて見張っていた。
『誰よ、この女は!アシュ。褒美はもういいんじゃない。ねえ!聞いてる。いつまでその女を膝上に乗せてるのよ。もし、勃起したら今すぐ二人きりになれるところに連れてくからね。絶対の絶対だよっ!ほら、早く、離れなさい。忘れてるの。右手の甲のカウントは刻々と変わってるんだからね。……』
といっぱい喋ってアシュラの意識をメイに向けさせなかったのだ。アシュラ自身も脳に直接響いて来るので鬱陶しくて仕方がなかった。
「むう。ツリト君はメイに興味がないの?」
『ないと言いなさい』
「…ない」
『返事が遅いっ!』
「ふーん。じゃあ、興味を持たしてあげる」
メイは黒色のオーラを纏った。
「ツリト君とメイは二人だけの孤独だ」
アシュラとメイは誰にも見えない特別な透明の姿になった。この透明な姿はあらゆる生物をすり抜ける。そして、現実世界で起こった影響を全く受けない。だから、二人の目には慌てふためいているインドラの姿がくっきりと見えていた。右手の甲のハートも消えていた。
「ツリト君。あの女は誰⁉」
「さあ」
『アシュ。アシュ。…このままだと、アシュとあの女はヤってしまう』
「ちょっと待って。アシュ?ツリトが名前じゃないの?」
「本名はアシュラ。好きなように呼んだらいいよ」
「ふーん。親密なんだね。また、新しい女ができたんだね。一人に女は絞れないんだよね。だったら、私にも興奮できるよね。しないなんておかしいよね」
メイは話しながらアシュラの膝上から立ち上がるとアシュラのズボンに手を掛けた。そして、アシュラのズボンを下ろした。アシュラは身に起こっている異変を感じた。
「まさか、俺のオーラを使ってるのか?」
「うん。メイはあれから更に力を付けてシックスセンスを磨いたんだ。具体的には毎日、暇だからオーラの練度を上げてね」
「ここまで進化していたとはビックリだ。これで、氷剣を突破したんだな」
「うん。ちょっと待って。勃起して来てない?」
「さあ」
アシュラは自分の性癖を最近自覚した。一つ、相手が自分より優れていることを持っていること。一つ、強引なこと。一つ、抵抗できなくなること。この三つが主なアシュラの性癖であることに最近気付いたのだ。そのため、アシュラはインドラと引き離されてオーラを纏えなくなって二人だけしかいない空間を作られて興奮してしまっていた。
「ツリト君がアシュラと言うことが分かったけど、メイはツリト君をツリト君って呼ぶ。だって、メイが好きになったツリト君はツリトって自分で名乗ったもん。それに、メイが皇帝になれたのは実質、ツリト君のおかげだしね」
メイは話し終えるとアシュラのパンツを脱がした。そして、自分自身もドレスを脱いで下着姿になった。
「ツリト君ってカナ女王とキララに寝取られたんだよね。だったら、メイに寝取られてもメイを大事にしてくれるよね。って言うか、ツリト君は出会った時からずっと優しかったもんね」
メイはツリトのアレを口に咥えてしゃぶり始めた。
「ツリト君。こんなにいっぱい出せるんだね。メイ驚いちゃった」
現在、二人とも裸で赤い絨毯上で寝転んでいた。大体三十分ほど経った。インドラは皇帝の椅子に座って右目にハートの紋章を左目に丸の紋章を刻んでオーラを纏って空を睨んでいた。小声でずっと呪文のように殺すと何度も何度も呟いていた。二人はそんインドラをずっと無視して甘い雰囲気を作っていた。
「ツリト君、第二ラウンドする?今回、ツリト君のオーラを使って本能のストッパーを外したからさ。次は普通のツリト君で楽しみたい」
「うーん。まずは、確定させた方がいいんじゃないか?それに、今、痛いだろ?」
アシュラの下半身には血がかなり付いていた。一通り終えて、意識が回復した時に初めて知ったアシュラは心配していた。
「オーラを纏えるようにした方がいい?」
「おう」
「分かった」
アシュラはフロンティアの自然でたくさんの獣を食っていくうちに手に入れたシックスセンスで確定させた。そして、その時、二人だけの世界にインドラが空間を歪ませて入って来た。
「やっぱり。やっぱり。やっぱいっ!もういい!アシュここでやるよ」
「インドラ。俺はオーラを纏えるから正直逃げようと思ったら逃げれるぜ」
「アシュ。悪いけど、今の私にそんな余裕はないの。いいからやるよ」
インドラはもうやる気満々になっていて今にも服を脱ごうとしている時だった。
「ごめんなさい。思ったよりオーラの消費量が多くて、あと、一分ほどで透明な世界は終わっちゃう」
「は?」「ふう」
二人は急いで自分の服に着替えた。そして、着替え終えた時には二人だけの世界はなくなった。
「オーラの量が少ないのは相変わらずだったのか。てっきり省エネをしているのかと思ってた」
「まあね。でも、ツリト君にオーラを返すまでは気付かれなかったでしょ?」
「ああ。もしかして、メイの透明化にはいくつか段階があるのか?」
「うん。まあ、それは置いといて確かご褒美だったよね。帝国からの」
「ああ。何をくれるんだ?」
本棚に向かったメイは特定の本を軽く引いて隠し扉を開けた。その中にはたくさんの宝石、武器、魔鉱石。財宝があった。
「この扉は異空間の扉なんだ。好きなのを好きなだけ持って行っていいよ」
「じゃあ、この水と火の魔鉱石にしよう。純度がかなり高いし」
「さすが、見る目があるねえ。じゃあ、また近いうちに会おうね。それとインドラ、さん?も会おうね」
「よく、そんな度胸があるわね。誉め言葉なんて貰えてない癖に。そのちっぱいでは私に勝てないのに」
インドラは大げさに胸を張って両目にハートの紋様を刻みメイを視界に捉えて挑発した。メイは一瞬ガーンと項垂れたがすぐに気を取り直しインドラを睨んだ。アシュラはこの空気間に居たたまれなくなった。
「またな」
インドラと共に上空に瞬間移動した。
「アシュ。厳しい罰を与えないとね。私は結構忠告したんだからね」
インドラはアシュラの返事など待たずにキスをして自分の匂いをマーキングした。
「はあ、きっぱり三十分。ホントに長かった」
「何で、私とはしてくれないの!」
アシュラとインドラは帝国を去った後、上空に瞬間移動していちゃついた。否、インドラに甘えられたのだ。インドラは空中でアシュラの服を脱がそうと色々な手段を用いたがいずれもアシュラは防いだのだ。
「俺が抵抗できるから。それに、無理強いをしてないだろう?」
「だって、アシュラはまだ自分からやってないでしょ?」
「さあ。じゃあ、王国に行くか」
「待って。今回はやり方を変える」
「ツリト、ちょっと遅くないか?皇帝と何を話してたんだ?」
「ん、別に。ただ、世間話を」
「ふーん。まあ、詮索はしないよ。街は分身のツリトのおかげで最低限は何とかなった」
イキシチ王国は最初、天候荒しはすぐに終わると思い、王都だけを防衛していた。というのも、台風的なものですぐに通り過ぎると思っていたからだ。もちろん、誰かのシックスセンスの影響であることは分かっていたが、全世界で起こっていたため、すぐに終わると考えたのだ。普通なら正しいのだが、今回はサンドラにより鍛え上げられていたため異常で予想外だったのだ。そのため、被害は大きかった。死亡者はいなかったのだが、負傷者は少し出た。だが、その被害のほとんどが騎士により避難誘導が行われていた時にである。と言うのも。イキシチ王国は対応が遅れたため地面が浸水していたり、雷がゴロゴロ鳴っていたりとして、足元を取られコケるなどの怪我が多発したのだ。だが、その負傷は街医者、サルシアによって解決されている。被害の中で大きかったのは建物が水に浸かってダメになったり、雷により壊れたりなどでかなり壊れたのだ。これも、対応が遅れたのが問題だった。サルシアは三時間ぐらい遅れてから天候荒しそのものの対応に当たった。王都から渦を巻くように雲を晴らして行っていた。その過程で避難所の怪我民を治していった。十分な医療システムがないことと、医療系のシックスセンスの使い手が少ないことが問題だった。そのため、サルシアはオーラ増量ネックレスを掛けてもオーラがほとんど枯渇していたのだった。建物の被害はアシュラの分身が最低限の解決はした。
サルシアにはアシュラがジン王に会うためにアポを取ってもらっていた。いつでもいいとは返事を聞いていたがさすがに待たせすぎていた。と言っても。皇帝と話していたとなると余り責めることはできないため、サルシアは強く責めることはできない。
「俺から情報を盗み取ろうなんてするなよ」
「それは盗み取れと言っているのか?」
「んや、連れてってくれ」
サルシアは瞬間移動をしてアシュラをジン王の元に連れて行った。
「やあ、よくやってくれたね。ツリト」
「いえ、ジン王の忠告があったからですよ」
「まあ、でも、ツリトの状況は忠告した時と全く違ったようだが。どこに、そんな力を隠し持っていたんだい?」
「まあ、俺はフロンティア出身だからな」
「「フロンティア」」
「そうか。それはそうと、ご褒美は何が欲しい?」
「そうだなあ。不透石をくれ」
「何に使うんだい?」
「ちょっと修業に使おうと思って」
「いいよ。あげる。サルシア、取って来て」
「はい」
サルシアは瞬間移動でどこかに行った。ジン王はアシュラを見てニッコリ笑った。
「ツリト。君に新たな危険が迫っているよ。直近だと、身近な人に気を付けな。今までで一番危険だ」
『やっぱり、母さんは危険な存在なんだ』
「ああ。心当たりがある。俺が必ず何とかしてみせる」
サルシアが戻って来た。袋に黒い鉱石を入れて持って来た。
「ツリト。これぐらいでいいかい?」
「ああ、十分だ」
アシュラは赤色の子猫、プリティーを降ろして赤色のブラックホールの中に袋ごと入れた。ちなみにだが、インドラの炎は目に星の紋様を刻まなくなってから消えた。
「じゃあ、またな」
「ああ、またね、ツリト」
「また、おいで」
「はい」
アシュラは上空に瞬間移動した。すると、髪の毛の隙間からインドらは出て来て、宙に身を任せると元の大きさに戻った。
「アシュ。次は新興国だね。抜け龍たちに軽くお灸を据えなきゃ」
アシュラはインドラを黙って観察した。ジン王の言っていた危険な身内は間違いなくインドラのことだ。インドラは母さんを殺そうとしているのかもしれない。やはり、今のインドラは悪の方なのだろう。ジン王はアシュラの身が危険になるのは身近な存在と言った。もちろん、インドラと言える確証はない。だが、今までで一番の危険となるとインドラしかいないのだ。なぜなら、
「母さんは危険な存在じゃないのだから」
「何か言った?」
「何にも。どうする?また、同じようにして行くのか?」
「今度はアシュラの手の中にいるよ」
インドラは両目にハートの紋章を刻むとアシュラの右手にハートを刻み、姿を消した。
『いいよ』




