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TSURITOー繋げた未来  作者: カバの牢獄
第二章 カナヤ新興国
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第二章 08 各国の対応

 ツリトは体を叩かれて目が覚めた。セナが上でくっついて寝ており叩いていたのはやはり、セナだった。セナはツリトが目を覚ましたのを確認すると体を浮かしてベッドから離れ寝室を出た。他の七人はぐっすり寝ているようだ。


「ツリト君。もう回復してるでしょ?」

「んや、まだだけど」

「嘘。とっくに回復してる。セナはあれから全然寝てないし、ツリト君のオーラの生成速度がゆっくりになってオーラの練度が上がってる」

「ほいで?」

「あと、一時間程度で本来なら皆、目が覚めるの」

「本来なら?」

「でも、セナが強制的にあと、二三時間ほど眠るようにした。今、朝の七時。ツリト君の憂いを晴らしに行かない?」

「つまり、俺のオーラの吸収を一時的に止めてくれるんだな」

「うん。大雨と雷が実は酷くなってるの。今度は竜巻までやって来てる。ショワは雲を晴らしたから来ていないけど各地で大変なことになってる」

「そうか。余力はどれほどある?」

「余力は皆のは十回はできる。ツリト君のオーラはずっと溜めてるから返すよ」

「ふむ。じゃあ、天候荒しをまず、どうにかしよう。服装はパジャマだけど、これで構わない?」

「いいよ。ツリト君とお揃いだしね。じゃあ、セナはツリト君の後ろにピッタリ張り付くね。基本、ツリト君の指示に従うから。じゃあ、オーラを流すよ」


 セナはツリトの頭に繋げていた自身のオーラに吸収していたオーラを全て流して、ツリトは大量のオーラを練度が上がった状態で纏った。


「よしっ。パパッとすぐに終わらすぞ。外に出てくれ」


 セナはモナの瞬間移動でツリトと外に出た。ロンギヌスがすぐ近くにあった。大雨と雷と豪風でセナの声が全く聞こえなかった。


「うーん。これだけ広いと張本人を先に叩いた方が早いかな。とりあえず、ニューフロンティア全体で黒のオーラを探すか」


 黒のオーラに繋げろ。


 ツリトはオーラの練度が上がったことによりシックスセンスが進化した。ツリトは脳内で第二の視界を手に入れた。今、ツリトの視界にはニューフロンティア内の全ての人のオーラの色と正確な位置が見えていた。その視界に黒色のオーラの反応は五人いた。一人はロンギヌス内にいた。おそらくカーンだろう。次に二人組が二つあった。一つは明らかにオーラの練度が違う人と練度は高いのだがそこまでの人のグループだ。ただし、そこまでの人のオーラが街中のあちらこちらの人の中に少量入っていた。そして、もう一つの二人組のグループだが、空全体に広がっている黒色のオーラの持ち主がいるグループだった。もう一人はその持ち主のオーラを増量させていた。二人とも練度が違っていた。


「うーん。どちらから行こうか。一つは間違いなくサンドラだな。となると、この天気の張本人が先だな。うわっ、サンドラがこっちに一瞬視線を向けた。でも、無視。何だか知らんが甘えるか」

「ツリト君?何か言った?」


 セナが大声でツリトに問うてきた。今まで独り言つっていたため聞こえなかったのだろう。だから、ツリトも大声で叫んだ。


「セナ、リナの力を使って俺の頭の情報を抜き取れ」

「うん!……分かった。行くよ」


 セナはオーラの練度を上げてより速く浮遊して移動した。そして、二人の長い耳をした少女の元に駆け付けた。


「「ツリト君とカナ女王」」




 歓喜、愛、精神的疲労。この三つの糸が二人に共通して太い。だが、一番共通して太いのは憎悪。これは俺たちに向けたものか、否か。


「君たちは俺たちの敵か?」

「「違うっ!」」


 歓喜、愛の糸が急速に太くなっている。


 二人は涙を流して喜んでいた。フードを被ってずぶ濡れになっているが間違いなく涙を流していた。


「そうか。君たちは…。よく頑張ったね」


 ツリトは二人に抱き着いた。セナは状況を見て一歩後ろに下がって様子を見た。




「それで、名前を教えてくれ」

「ケイ。アイちゃんの姉」

「アイ。ケイちゃんの妹」


 二人が泣き止むまでツリトはずっと抱きしめて待ち、セナが辺りの警戒に当たった。そして、ようやく二人は泣き止み話ができる状態になった。


「そうか。ところで今、何をしようとしていてこれから、何が起こるんだ?」

「ケイとアイは見ての通りのことをしてて、これから起こることは分からない」

「サンドラともう一人は誰だ?」

「「ウィーチ」」

「サンドラに一世一代の勝負を挑んだ奴か。確か、サンドラはその後、行方をくらましたとかいう。うーん。なるほど。今回、作戦の主導権を握ってるのはウィーチだな」

「「うん。何で分かるの?」」

「サンドラならもっと派手に攻撃を仕掛けて来るだろうからさ。そうだなあ、例えばロンギヌスを折って登場とかな。で、何をするのかは分からないんだな?」

「「うん。でも、サンドラはウィーチを嫌ってるし、今回のことは乗り気じゃなかった」」

「ふむ。最低でもいつまでこれは続けろって言ってたの?」

「「六時。で、そこから更にギアを上げろって」」

「分かった。あとは任せとけ」

「「怒らないの?」」

「うーん。自分の命を守るためにやってることだろう?仕方ない。俺が全部解決するさ」

「「ありがとう」」


 二人はまた泣き出した。ツリトは泣き止むまでずっと抱きしめ続けた。




「ツリト君。あんなにかっこつけっちゃって」


 ツリトはセナに再び密着して宙を浮いてウィーチに暗示を掛けられている人達を確認していた。


「まあ、安心させたかったからな。それより、情報は手に入ったか?」

「うん。各地の主要都市でおんなじことが起きてる」

「なるほどなるほど」


 ツリトはもう一度、第二の視界を見た。サンドラとウィーチの様子を見た。サンドラはオーラの練度を上げている。おそらく修業しているのだろう。一方、ウィーチはソファーに座りテレビを見ていた。尚、二人は別々の部屋にいた。


「サンドラに接触して見る?」

「は?」

「サンドラに接触して見る?」

「は?」

「サン、痛い痛い痛い痛い痛い!」


 セナはツリトの頭を叩いた。


「ツリト君、バカー⁉」

「もちろん、直接は会わないさ。ただ、情報が欲しいなあって思ってさ」

「ツリト君、バカなの?」


 セナは今度はツリトの首を絞めようと腕を首に回して来た。


「もちろん、ちゃんと勝算はある。一つ、サンドラは俺のオーラの気配に気付いていてこっちに来てない。一つ、ウィーチはオーラの練度的には大したことはない。おそらく、ケイとアイはオーラの練度が高いからウィーチの暗示から抜け出せたんだろうよ。一つ、二人は別々の部屋にいる。一つ、サンドラは俺の存在に気付いてからオーラの練度を上げ始めた。これらのことから考えてサンドラに接触するのは決して悪い判断ではないと俺は判断したんだ」

「……。接触の仕方は?」

「俺は会いに行かんぞ。くっぅぅ…」


 セナはツリトが落ちない程度に首を絞めて来た。堪らずツリトは参ったと首を絞めてる腕を叩く。


「話を最後まで聞け。セナを向かわせるわけないだろう。俺の分身を作ってくれ。そいつをサンドラに瞬間移動させろ。場所はさっきので分かってるな?」

「なるほど。それなら、何も問題ない気がするね。場所は分かってるから、じゃあ、ほほいのほい」


 ほほいでツリトの分身を作りほいで分身をサンドラの元へ瞬間移動させた。




「よっ」


 ツリトの分身はサンドラの前に軽く敬礼して軽く挨拶した。


「ハッ。いい度胸だな。俺に会いに来るとは」

「まあな。でも、こういうやり方で黒の奴らを殺すのはお前の好みじゃないだろう?」

「ハッ。まあな。で、何が聞きたいんだ?」

「ウィーチって六時まで動かない?」

「ああ、昨日で種は撒き終えたってさ。言い忘れてたけど、俺が答えてやるのはこれだけだ。どうせ、ツリト、お前が勝つんだ。どうやって勝つのか楽しみに見させてもらうよ。これ以上教えたら一方的になるからな」

「ふーん。まあ、それだけ知れて良かったよ」


 サンドラは手刀でツリトの分身を真っ二つに斬った。




「なるほど。じゃあ、順番に暗示を解除しに行くか」

「え?でも、それってバレるんじゃないの?」

「んや、多分バレない。ケイとアイが大丈夫だったから」

「そっか」

「じゃあ、まずはここからだな」


 ツリトは再び第二の視界を見た。正確な情報を得た。


 ウィーチのオーラを頭の中に無理やり纏ってる人


「よし。次は時差的にウールフかな」




 ウィーチは四大国の首都の中央銀行のお金を操ることで国民の混乱を起こし、新たな危険を起こそうとしていた。中でもショワ宗教国は苦労した。何せ教会のトップを丸め込まなければいかなかったからだ。そして、教会は中央銀行の変わり、かなり悪徳だが、の役割を果たしている。ウィーチは教会のトップをかなり強引な手段で信じさせたのだ。ちなみにウールフはショワ宗教国の王様だが、イキシチ王国の中央銀行、つまり、世界銀行に口座を持っている。自分で宗教国にしていながら、教会には口座を持っていないのだ。中々なゴシップであるのだが、バレたとしても脅し、暗殺で情報を揉み消している。そのため、暗黙の了解となっている。


「セナ、初めて教会に来た。凄く豪華に大きく作られてるね」


 ツリトとセナは教会の外装を見てあっけに取られていた。教会は星形になっているのだが、まず、外装は水晶でできていた。ウールフが自身のオーラを溜めていた石である。しかも、オーラを溜めていない単純な無駄遣いでだ。だから、あっけに取られていた。


「とりあえず、中に入ろう。こっちは空が晴れてて人もちらほら歩いてるから」


 二人は裸足の足のまま教会に足を踏み入れた。違和感があった。


「受付の一人もいない。これは、どういうことだ?」

「ホントだ。確か二十四時間体制で警備されてるはずだよね」

「うーん。大ホールに行ってみるか」


 ツリトたちは大ホールにゆっくりと歩いて行った。そして、扉を開けると孵卵臭が一気に鼻を抜けた。


「「ゲッ⁉」」


 鼻が曲がるほどの強烈な匂いに思わず顔を顰めながら大ホールの中を見た。あちらこちらが焦げていた。そして、正面のステージ、太陽光が照らされている金色の大仏の前に胴と頭が千切れて赤い水溜りに浸かっている死体があった。そして、その傍らには血で濡れたウールフがいた。


「おーう。新婚さん。こいつはあ、無関係だ。俺が殺ったあ。ようやく理由ができた」

「そうか。俺もこいつらは嫌いだったからいいんじゃないかと思うぜ」

「カナも嫌いだったから。これから忙しいだろうけど、頑張ってね」

「ああ」

「それと、これで、まだ、終わりじゃないからしっかり体力は回復しとけよ」

「ああ。今から寝る時間はあるだろう?」

「おう。体力を回復しとけ。じゃあな」


 ツリトはセナと一緒に大ホールを出て、ドアを閉めた。そして、ゆっくりと入り口に向かった。


「ねえ、ツリト君。今のってどういうこと?」

「おそらく、教会のトップは黒、いや、白だな。ウィーチとサンドラはおそらくこの場に訪れた時にトップ以外は焼死させたんだと思う。信者が見境なしに襲って来たから。ウールフがトップを殺したのは単純に国の名前を変えたのもそうだが、元々、信者に本当の幸福を与えない宗教が嫌いだったからだろう。まあ、ショワは他に操られている人はいないっぽいからエケセテ帝国だ」

「分かったわ。じゃあ、行くよ」




 エケセテ帝国はライが少しずつ雲を帝都を中心に晴らしている。そのため、帝都は晴れていた。帝都は星形の防壁に囲まれていた。カナヤ新興国のニューフロンティアの星形の防壁は帝国を参考にしたものだった。


「初めて見たけど、劣ってるね」

「はははっ。まあ、そう言ってやるな。だが、あの高いツリーは相当に危険だぜ」


 帝都の真ん中には百重の塔が建っている。その一つ一つの屋根から幾つもの銃身が伸びている。あれは侵入者に対して自動に放たれる。それを防ぐためには厳しい入国審査を受けなければならない。では、ウィーチたちはどうしたか?入国審査で怪しくない人物だと信じさせてから入国した。その後に、新興国と同じことをしたのだ。ツリトたちは星形の防壁の外側で暗闇に紛れて様子を伺っていた。


「どうやって、入るの?」

「んや、入らなくても対処できる」


 ツリトは第二の視界でウィーチのオーラの痕跡を見た。やはり、かなり多くの人に接触していた。


 ウィーチのオーラを頭の中で無理やり纏っている人。


「うん。完璧。次は王都だね」

「うん。じゃあ、行くね」




 王都は晴れていたが、帝国ほど地方までは晴れていなかった。


「近衛騎士と騎士が復興作業に取り掛かっているのか」

「ホントだね。ツリト君が助けたバウバウ家も精力的に動いてるね」

「ああ。あいつらはよくやってるよ。さて、見ますか」


 ツリトは第二の視界を見た。視界にはやはりウィーチに暗示を掛けられている人がたくさんいた。どの国よりも多くいた。


 ウィーチのオーラを頭の中で無理やり纏っている人。


「よしっ。じゃあ、ジン王に会いに行こうか」

「えっ⁉」

「大丈夫。さっきウールフでも気付かなかったんだぜ」

「そうじゃなくて、服が濡れてるから」

「じゃあ、この体勢のまま会うか?」

「……うん」

「いや、冗談のつもりだったんだけど」

「行くよ」

「おいっ」


 王様の自室に瞬間移動した。ホントに服が濡れたままだ。一応、セナが足元に自身のオーラを敷いて部屋を濡らさないように工夫はしていたが。ツリトはそれを見て苦笑いをしたままジン王を見た。ジン王は少し、あっけに取られていたがすぐに正気を取り戻した。


「サルシアが文句を言っていたよ。ツリトが天気の大本の問題は解決してくれるだろうって思っていたのに連絡もないなんてって」

「まあ、それは俺も忙しかったので。それより、全世界で新たな危険はあります?」

「さっき危険が来るのが早くなることが分かった。で、危険だがやはり、空かららしい」

「ふむ。俺、あるいは他の黒たち個人の危険は?」

「ツリトにだけ危険が強い。虚を気を付けな」

「なるほど。攻めて来るタイミングが分かるだけでありがたいです。ありがとうございました」

「では、我も」


 ツリトたちは瞬間移動で部屋に戻った。風呂場に移動された。一方、ジン王は部屋で独りで


「ところで、何でカナ女王はあんな体勢だったのだ?」


 と今更ながらに疑問に思ったのだった。




「カナさん、キララさん。先ほど、ツリトさんのオーラともう一人、黒のオーラが観測されました」


 カナとキララは二人で仲良く抱き合って寝ていた。時差もあり昨日はかなり長く起きていたためぐっすりと眠っていた。そして、ジャンヌは少しだけ仮眠をとっている間だったのだ。ツリトたちが外に出て、ケイとアイに会い、サンドラにも会い、ウィーチの暗示を解いたのは。仮眠から目を覚ましたジャンヌは自分の失態にとても恥じていた。だから、起きてすぐ走って二人の元に行き、今も体を必死に揺すっていた。時刻は八時になっていた。


「ツリトさんと一緒にいた女の顔は捕えていませんが宙を浮いていました」

「なあに?」「何ですかあ?」

「ツリトさんが少しの間、姿を現しました!」

「「……えっ⁉」」

「どうして、すぐに起こしてくれなかったの!」

「もしかして、キララたちと同じように寝てたんですか!」

「はっはい」

「「はあ」」

「とりあえず、カナたちの朝食を準備なさい。その間に身支度を整えるから」

「はい」

「キララ、行くよ」

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