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TSURITOー繋げた未来  作者: カバの牢獄
第二章 カナヤ新興国
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第二章 03 龍生九子

「それじゃあねえ、ニューフロンティアで一番大きいショッピングセンターのコロッセオメダルゲームに来て頂戴」


 電話の相手は年老いた女性の声だった。握手会でたくさんの人に会ってきたツリトの感覚でも老人として電話の相手を認識していた。


 ツリトはジャンヌの異空間から出るとショッピングセンターの中のトイレの中にいた。


「ジャンヌに盗み聞かれてたか。まあでも、助かったけど」


 ツリトは数あるポケットの中から左胸のポケットから片眼鏡を取り出すと片眼鏡を掛けた。紳士服とハットを被った姿になったツリトは自分の姿をツリトではない顔に変えた。


「これが本来の用途で使われる日が来るとは」


 トイレから出ると子供のはしゃぐ声とメダルが擦れ合う音が絶え間なく聞こえた。思わず顔を顰めたくなるほどの大音量も聞こえて来た。


「メダルゲームか。老人の余生の暇つぶしには持って来いだもんなあ。でも、週刊誌に情報を提供して荒稼ぎをするとはなかなか油断できないなあ。でも、あの証拠写真はヤっている最中だった。記憶にはないが完全に入っていた。ここまで正確なのは間違いなく黒に違いない。これがジン王が言っていた確実に状況が悪くなるってことなんだろうが俺は完璧に対処して見せる!」


 などと独り言を言いながらブツブツと歩いているとコロッセオメダルゲームが目の前にあった。ツリトはこういう娯楽とは無縁なため一度してみたいと思っていたから少し楽しみにしていた。だが、明らかにおかしかった。


「ババアがいねえ」


 そう。そこには小さい子供しかいなかった。その中に一人だけでメダルゲームをしているキャップを被った十二歳ぐらいの女の子がいた。身長は百四十ぐらいで黒髪でサファイアのように赤い目をした子だ。カナの顔に凄く似ていた。


 一つ断言しておこう。ツリトは決してロリコンではない。だが、その顔に興味を持ってしまっただけなのだ。


「ねえ、君はもしかして……」

「ツリト君だよね。座って」


 その少女はニタッと笑って右隣の長椅子の席を叩いた。ツリトは顔を騙すのは止めた。知らないおっさんの顔からツリトの顔に変わった。ツリトは遠慮なく座った。少女はツリトの左腕に抱き着いた。


「会いたかったよ。ツリト君。とりあえず、このメダルを一緒に消費してくれない」


 突如ツリトの紳士服が消えた。オーラを纏えなくなった。ツリトは驚愕の表情で少女を見て力づくで放れようとした。だが、力負けをしてしまった。


「ツリト君、メダルをとりあえず消費するよ。分かったね?」

「はっ、はい。あの、名前は?」

「セナだよ」

「セナさん、もしかして、家族でこんなことをしているのですか?」

「うーん。姉妹でやってるよ。別に声ぐらいスマホでどうにでもできるじゃん。でも、あの声はホントに喋っていたけどね。あと、次、敬語で話したら問答無用でリークするよ」

「分かった。セナのシックスセンスについて聞いてもいい?」

「ダメ。まだ、そんなに仲良くなってないから」

「じゃあ、何で抱き着いているの?」

「いいじゃん。ダメなの?もしかして興奮しちゃってるの?触ろうか?」

「ごめんごめん。そんなに怒らなくてもいいじゃないか」


 プイ


 セナはいじけてそっぽを向いてしまい、メダルがなくなるまで一切口を聞いてくれなかった。




「よしっ、終わったな。早速どこかで話をしようじゃないか」

「待って。待ち合わせしてるから。それとちゃんと顔見て話してね。不審者だよ」


 相変わらずツリトは左腕に抱き着かれたままである。やはり顔を見れば見るほどカナの面影がある。


「待ち合わせ?誰と?」

「モナ姉とハナ」

「待って、三姉妹なのか?」

「違うよ」

「どういうこと?」

「内緒っ。それよりお腹減ってない?何か一緒に食べよ」

「このままか?」

「うん。他にどう食べるのさ?」

「いや、俺は脅迫されてて何を求められているのか全く分からないんだよ。しかも、セナのシックスセンスの影響なんだろうけどオーラを纏えないし、何なら調子が悪くなって来てるんだよね。せめて、放してくんない、セナ?」

「ダメだよ。着々と準備を進めてるんだから。さあ、行くよっ。何食べる?セナはラーメンの気分かなあ。そうだ。モナ姉とハナとも一緒に食べたいから会いに行っちゃおう!」

「ちょっと待って。それって増々、俺の状況が悪くなるんじゃないか?}

「それは、当たり前じゃない。どの立場で何言ってるのさ。フランクに話してって言ったけどセナがやることにいちいち文句を言うのはダメだよ。もし、また言ったらオーラの吸収スピードを速くするよ、ツリト君」

「あいあいさあー」


 ツリトは元気のない生返事を返すしかなかった。


 全くオーラを纏うことができないから間違いなくセナは黒。そんでもってモナ姉とハナも黒なんだろうなあ。おまけにカナにかなり似ている。っていうか瓜二つだ。


「はあ」

「あっ、ため息も禁止ね。次したらオーラの吸収速度をホントに上げるよ」

「クッ」


 ツリトは子供が気を引きそうなものをとにかく探した。メダルゲームのスペースを抜けて今、服屋の方向に向かって歩いていた。尚、ツリトは存在を欺けていないため周りから視線を集めている。しかし、セナは全く気にした様子はなかった。そして、意外なことにカメラを向けて来ることはなかった。


「セナ、もしかして、俺のシックスセンスを使っているのか?}

「うん。まだ、使い方が馴れていないからツリト君とセナのことを他言しようとしてた太い糸を粉々に斬ったわ」

「マジか」

「マジ、大マジよ。でも、ツリトのオーラって不思議だね。なんか、鍵が掛かっていて上手く放出されていないオーラがたくさんある。しかも、ツリト君以外のも。っていうかツリトのこの主に使ってるオーラですらツリト君のものではないわ」

「は?どういうことだよ?」

「分かんない。あっ、モナ姉、ハナ!」


 セナは右手を大きく振って同じ身長、同じ容姿の瓜二つ?瓜三つの少女が集った。端から見たらツリトが引率しているように見える光景だが、実際は真逆だ。ツリトがセナたちに従えられているのだ。


「モナ姉、ハナ。お待ちかねのツリト君でーす!」

「わあー。ツリト君だあ」

「こらっ、ハナそんなに触っちゃダメよ。モナも触りたいんだから」

「前半良かったのに急に後半で失速したなあ。最後まで突っ込む冷静な立場でいろよ!」


 ハナがツリトの体にベタベタ触れて来たのをモナが冷静に注意したと思ったのに、その後、モナもツリトの体にベタベタと触った。それをセナは笑顔で見ていた。


「買い物は無事完了したんだよね?」

「うん。ばっちりだよ。モナとハナで色々買ったから」

「そっかそっか。やっぱり仲間外れは嫌だもんね。昼ごはんこのまま食べたいんだけど、どうする?」

「皆、待ってるんだよ、セナ。でもそうだねえ、何か買って帰ろっか」

「そうだねえ。ハナもその方がいい。アナ姉に何されるか分かんないし」

「でも、セナはラーメン食べたあーい」

「俺はどっちでもいいから早く終わらしてくれ。眠いんだ俺は」


 王国と新興国では時差が丁度十二時間、ツリト一人ならとっくに寝ている時間である。尚もまだまだ姉妹がいそうな三姉妹?はあーでもない、こうでもないと言い争っている。ツリトはとにかく会話が終わるのを黙って聞くしかできなかった。




「むう。どうしてこうなったのよ。ねえツリト君」


 頬を膨らましてカンカンになってご立腹になっているセナはツリトの膝の上で足をブンブン振っていた。結局、モナとハナが買い物をしに行き、セナとツリトは通路に置かれていたソファーで座っていた。ソファーが一人掛けだったため、セナの命令で、ツリトの膝上にセナをお乗せることになっていた。尚、ツリトは後ろから抱きしめるようにして座っている。


「あんまり騒ぐな、動くな。もう決まってしまったんだろ?それに俺は疲れているから」

「何、命令してるのよ。それと動くなって……もしかして、興奮してるの?}

「違う。俺はロリコンじゃない。ただ、あんまり刺激を与えるなと言ってるんだ」

「……ふーん。じゃあ、ドキドキさせてあげよっか?」

「フン。抵抗はできないけどその顔には耐性があるからな。あとでその顔のこともちゃんと聞くからな」

「ってことはこの顔にドキドキはしてるのね?」

「してるけど?」

「じゃあ、体の大きさは関係ないんじゃないかな?ここで試してみる?ちゃんとツリト君のシックスセンスを使い熟せて来たから」

「試さなくていいし顔を向けなくていい」

「ダメだなあ。我慢できなくなって来た。一回だけね」


 ちゅっ♡


「うん。顔が赤くなってる。それに反応もしてるじゃない。もう一回しとく?」

「「しとかない!」」

「何ここでおっぱじめようとしてるの!いつも頼れる長女のような感じなのにどうしたのよセナ!」

「ごめんごめん。そういう雰囲気になっちゃったから」

「そういう雰囲気になっちゃたからじゃないっ!セナ姉、いつもの感じはどうしたの?」

「いつもの感じって。これはセナの意思だよ」

「「「むう」」」

「じゃあ、行くよ。多目的トイレに」

「え?俺もか?」


 この三姉妹?の長女モナが多目的トイレに行こうと言い出した。買い物に行ったはずの二人は荷物を持っていなかった。不思議に思いつつも多目的トイレに四人で一斉に入ってドアを閉めてすぐに瞬間移動した。


 目の前には新たにセナたちと同じ身長の少女が五人いて机に料理を並べていた。




「これはもしかしてエージソンが関係あるのか?」

「大丈夫っ。セナたちはエージソン関係じゃないよ。分かっていると思うけどカナ関係」


 ツリトはセナとモナとハナがカナと同じ顔をしていた時点からちょっとだけ頭によぎったがここに同じ顔の少女が合計八人いることでその疑念が更に深まっていた。が、同時に普通では考えられない疑念が生まれた。


「さっきのセナの不意打ちの一発。そして、俺が来ると分かっているのにそのラフすぎる格好。極め付きは大人用の下着が八つ干されていること。まさかだな」


 ツリトの目の前の五人の少女は同じ大きなシャツを着ていて下はパンツだけだ。モナとハナは五人と話していた。何やら視線が少し鋭くなってツリトたちを見ていた。


「ツリト君そんなに嬉しかったの?じゃあ、もう一回しとく?」

「しとかない。とりあえず、説明してくんない?」

「そだね。でも、ちょっと待って。サナ、お願い」

「セナ姉!抜け掛けしたんだって!後でサナたちがお仕置きするからねっ!」


 セナ以外の七人の少女を代表して、今、呼ばれたばかりのサナがセナの目の前ではっきりと告げた。そして、後押しの意思表明として六人は揃って返事をした。


「「「うん!」」」

「ツリト君がドキドキするか、いち早く確認してあげたんだよ。寧ろ皆にはセナに感謝して欲しいな」


 セナは怖気つく様子など見せずにツリトにより密着して左腕に頬をくっつけてうっとりとした顔を見せた。だから、七人は容赦をしなかった。


「「「アナ姉!」」」

「任せなさいっ!」


 長袖長ズボンのキャップを被った少女、モナはアナをサナと場所入れ替えをしてアナは自身の両手をセナの胸に当てた。するとセナは膝から崩れ落ちツリトも尻もちを着いた。


「手が震えてる」

「あっ、っん、あんっ、あっ、あっ……」

「セナ、ハナに感謝するんだね。もし、元の体に戻っていたら失禁してるよ」


 アナはセナの胸から両手を放すとセナに顔を近付けて少しジト目で言い聞かせた。セナは脱力して涙目だった。


「はいぃ」

「うん。よろしい。でも、セナの言ったことを確認しないとね」


 モナはセナの様子に満足して顔を離すとセナの横で尻もちを着いているツリトの膝上に跨って座り両肩に手を置くと躊躇なくキスをした。


 ちゅっ♡


「「「っ」」」

「うん。ちゃんと反応してる。セナの言ったことはホントみだいだよ」

「「「アナ姉!」」」

「ほら、ちゃんと確かめないとダメじゃない。アナたちが受け入れられてるか確認しないといけないじゃん」


 少し少女たちの間で張り詰めていたピリピリした空気が一瞬にして緩んだ。そして、大きなシャツを着た一人の少女が手を大きく一回叩いた。


「はいはい、落ち着いて。アナ姉とセナ姉は本番で少なくしたらいいんだよ。ほら、アナ姉はもう離れて、セナ姉はもう何もしたらダメよ」


 その少女はアナの元に歩いて近づくとアナにツリトから離れるように促した。


「「さすがユナ」」「「「さすがユナ姉」」」「「むう」」「これは…」


 九人はそれぞれ反応を示した。セナを称賛する声、不満を露わにする声、ツリトが考えた、まさか、の可能性が高まっていることに思わず本音が漏れそうになる声。アナがツリトから離れるのを見たユナはニコニコしたままアナと同じ行動を取った。


 ちゅっ♡


「「「っ」」」


 ユナ以外の全員が裏切られたと感じた。少女たちは全員同じ思考に辿り着いた。


 皆、譲り合う精神なんてないっ!


 それからの少女たちの行動は至極単純だった。如何に邪魔されずにツリトとキスをするか。次にキスをしたのはモナだった。ユナと場所入れ替えをしたのだ。次にキスできたのがハナだった。ハナとツリト以外の少女を五歳ぐらいまで幼くしてその一瞬でツリトの前に行くとキスをした。ユナは自分に起こった変化にハナがツリトとキスをしている様子を下アングルから見たことで気付き焦ってハナに心の中で命令した。


 元の姿に戻しなさい!


 その結果、少女八人は全員、カナと瓜二つの顔、体形になった。長袖長ズボンを着ていたセナ、モナ、ハナは服が破れて一糸も纏わないありのままの姿になった。残りの五人はきつきつのパンツと大きな胸を辛うじて隠した寧ろ裸よりエロい姿になった。急な体形の変化に体のバランスを崩すなかナナだけが体勢を崩さずツリトの前に駆け寄ると大きくなった裸のハナが自然とセナの前に倒れたことで隙間ができて首に手を回してキスをした。そこで体勢を立て直したサナは自身の分身をたくさん、部屋いっぱいになるほど作りツリトの目の前に分身の一人が触れたのを確認すると分身同士で場所の入れ替えをしてツリトとキスをした。サナの分身に押し潰されたリナは分身のサナの頭にサナの秘密を流すことで脅迫をして、サナとサナのたくさんの分身にツリトまでの道を作らせて誰よりも長くキスをした。


 その後、アナの振動のシックスセンスにより全員力尽きて尻もちを着くことで事態は収拾が着いた。


 ツリトはセナにオーラを吸収され続けられていたことと八人がカナの姿になったことでありえない可能性が確実であることを悟ったことで抵抗することはできなくなってしまった。

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