エピローグ
「はあ。お前ら野郎三人はホントに頼りないな」
あの勝利でもなく敗北したわけでもない戦いが終わり、一般人の避難が解除されて王様から感謝されて、マスメディアの取材を軽く受けてようやく自由になったのが日付が変わったぐらいでそれからホテルに戻って晩御飯を食べれるようになったのが一時ほどだ。最高級ホテルのためコース料理だ。個室に今六人は揃って反省会をしている。ツリトは相変わらず、右にキララ左にカナに抱き着かれてアーンされて食べている状態である。
「そうだよ。カナとツリト君とキララがいなかったら死んでたわよ」
「おまけに最後は弱っているサンドラを取り逃がすし。ホントに頼りない。ツリトを見習うべきね」
ツリトたちは野郎三人をディスっていた。黒の癖に大事な場面で役に立たなかったからだ。特にご立腹なのがキララだった。
「あなたたち前線組が最後の攻撃に参加してたら殺せてたかもしれないのに。ホントに。はあ。ツリトは最後まで攻撃してたのに」
「上から見てたけど、ホントダメよね。ライは雷刀、ウールフは自分のシックスセンス、サルシアはシックスセンスの多様さからか何も極めてない。ホントダメよね。ホント。それに比べてツリト君はちゃんとシックスセンスを十分に活用できてる。はあ。ホントダメよね」
「とりあえず、しばらく、オーラの練度は上げとけよ。次、サンドラに会ったら確実に殺されるから」
「ああ」
「はい」
「うおーん」
野郎三人はこのように何の反論もしなかった。ただ、ツリトだけを睨んでいた。
「はあ。疲れた。今日はもう寝るわ」
「何を言っているのツリト君?」
「そうだよ。ツリト。寝かすわけないじゃん」
「俺は疲れたんだ。昨日もろくに睡眠がとれてないんだ。よくそんな状況で俺はあそこまでやったよ」
「龍人って睡眠時間をあんまり取らなくてもいいんだよね」
「そう。だから、キララもそうなのよね」
「俺は人間だから」
「ところでツリト君。龍人ってどうやって種族を増やすか知ってる?」
「そんなの子供を産むんじゃないの?」
「それは一つの方法。だけど、もう一つ方法があるんだよね。ツリトなら耐えられると思うんだ」
「そう。ツリト君なら耐えられると思うんだ。龍の血を体内に入れたら体が少しずつ龍になって行くの。龍になったら身体能力はかなり上がるわ。もちろんシックスセンスやオーラの効果も。もちろん体に龍鱗も着けれるよ」
ツリトはイキシチ王国に来てからのことを思い出した。
キララが街中で欺いていることに気付いて全て見破った。待てよ。サルシアは確かキララにずっと欺かれてたよな。そもそも俺が漁師町から出た時サルシアたちには敵わなかったよな。いくら俺が糸を斬ることができるからといってキララのことを簡単に気付けたのは何故だ?サルシアは簡単に欺かれてたんだぞ。
「ちょっと頭が痛くなって来た。寝て忘れる」
「カナさん気付かれちゃったかな?」
「ええ。気付かれちゃったんじゃない」
「ツリト君。だからと言って寝かせないよ」
「キララも」
二人は一向に腕を放そうとしない。ツリトは自分の推理に身を震わして決心した。
「カナ。ちょっと二人で話さないか?」
「いいよ。キララ、ごめん」
「後で、キララも二人にしてね」
ツリトはカナと和室に入った。恐ろしい事件の推理を確認するために。
「カナ。いつの間に俺に仕掛けていた」
「カナってさ龍じゃん。いつまで天空にいたと思う?」
「まさか、デジャヴ?いーや、まさかだな。確か新興国カナヤに女王という存在ができたのが一年前だから、まさかだな」
「うん。そのまさか。こっちのことは全く知らなかったし、黒だったから自然と女王にさせられた。あっ、カナは人間の姿に普通になれるから龍であることはバレてないよ」
「俺に固執していたホントの理由は?」
「龍通しって地上の情報を共有するんだよね。その時にね、ツリトって子が凄いんだってずっと言ってる子がいてね。何でも、その子はポテンシャルを見ることができるみたいでね。ツリトって子を話すときはいつも興奮してたんだ。だから、ずっと気になってたんだよね。女王になってからは毎日、会いたいって言い続けてさ。そしたらチャンスが巡って来てさ。これだっ!てビビッと来たんだよね。そしたら野郎三人の邪魔が入ってさ。しかも、ツリト君ばっかり狙うからさ。可哀そうだって思って戦いの途中に少しだけ爪を立てて血を流してさ。別れの時、良い感じになったからこれは効果が出た時に絶対電話が掛かって来るなと思って。そしたら電話が来たけど龍人のキララってのが現れたって聞いて居ても立っても居られなくてここに来たのさ。でも、カナの勢いにツリト君が応えてくれるかはまた別でしょ?だからカナの血を一気にツリト君に流して意識をボーとさせて種付けしちゃった。おそらくその後、キララもツリト君に血を流して意識をボーとさせて種付けしたんじゃないかな。こんな風に」
カナは抱き着いている左腕から右手だけ話して心臓に自分の血を流した。心臓あたりに龍鱗が纏われた。
「やっぱりカナが一番じゃないと嫌だから。あっ龍鱗も出て来たね。やっぱり完全な黒じゃないなあ。あれ。ツリト君?そっか寝ちゃったか。キララ呼んで来よっ。キーララー!入って来ていいよっ」
「聞いたよ。まさか動機が同じだったなんて。気が合うね」
「え⁉そうなの?とりあえずキララも流しちゃいなよ。黒龍と白龍を合わしちゃおうか」
「うん!」
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