九十七話 アリアの手記7
〇月〇日
今日はアレンより早く目が覚めた。
いつまでもアレンの寝顔を見ていたいけど普段やってもらっているし食事の準備の為に起き出した。
食事中アレンが好きなところを聞いてきた。
改めて考えてみる。
素振りを頑張っているところや優しいところが好きなのだと伝えた。
私もアレンにどこが好きなのか聞いてみた。
色々言われたけれど改めて聞くと凄く恥ずかしい。
幸せな気持ちになって自然とキスしそうになったが不良の先輩に止められた。
不良の先輩は当然のように私の部屋に入っていった。
先ほどの空気は霧散してしまって私とアレンは急いで食事を片付けた。
この日は昨日の夜できなかったからか普段より厳しく扱われた。
私は行為の途中で眠ってしまったようだ。
私が起きて食卓に行くとアレンが食事の準備をして待っていてくれた。
だが、行為の後で汗や色々な汁で体がべとべとだ。
匂いも気になる。
アレンに気づかれないように体を洗いに向かった。
食事の途中アレンが気遣ってくれたのが嬉しかった。
食事を終え縁側でゆっくりした時間を過ごした。
お父さん達の話になったが今頃は領都を堪能していることだろう。
私の体は日々汚されている。
私は不安になりアレンに聞いてしまった。
何があっても私を信じられるかと。
アレンは迷いなく信じていると言ってくれた。
その言葉に勇気を貰い、今日も不良の先輩達の元へと向かった。
この日はある水晶を見せられた。
私の映像かと思ったら再生されたのはアレンが真面目に素振りをしている姿だった。
不良の先輩達は彼氏が真面目に修練しているのにとかいってくる。
映像はずっと再生されたままだ。
まるでアレン本人に見られているようで落ち着かなかった。
この日も不良の先輩達は昼間の修練で疲れているのか解放された時間が早かった。
体を洗い母屋に戻ったがそこにアレンの姿はなかった。
どこに行ってしまったのだろうか。
心配になって落ち着かない。
しばらくして水の音がする。
井戸の方を見ればアレンだった。
私は思らずアレンに抱きついてしまった。
しばらくアレンはそのままでいてくれた。
アレンは裸だ。
先ほどまでアレンは水を使っていたので私の服も濡れてしまっていた。
私は迷うことなく服を脱いだ。
アレンは目線を外してくれている。
アレンになら襲われてもいい。
そんなことを考えている自分がいた。
だが、アレンはその誘いを断った。
風邪を引くからとアレンは自分の服を差し出してくれる。
私は受け取って匂いを嗅いでしまった。
不良の先輩達の匂いと違い嫌悪感はなかった。
変態っぽいと言われたが私は否定しつつも匂いを嗅ぐのをやめられなかった。
私はアレンの服を着た。
アレンに包まれているようでほっとした。




