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田舎の剣術道場に通う僕は道場主の娘に恋をする  作者: 髙龍


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八十九話

数日が経ち道主や手伝いに出ていた先輩達が帰還した。

出迎えたアレン達を見てほっとした顔をしている。

アレンとしては信頼してアリアを預けてくれたのに守りきれなくて申し訳ない気持ちになる。

だが、親と言えどアリアが体験したことは知られたくないだろう。

「君は・・・」

「お久しぶりです。以前、薬を買いにこられましたよね」

驚いたのはクスと道主が顔見知りだったことだ。

「ここに居るのも不思議だけど今はどうしているんだい?」

「薬師の資格を取るためにお金を貯めているところです。街で困っていたところをアレンとアリアが助けてくれたんです」

「そうだったのか」

クスはそう言っているが助けてもらったのはアレンとアリアの方だった。

クスがいなければ今頃、どうなっていたか・・・。

「道主に言わなければならないことがあるんです」

アレンは皆が注目する中、勇気を出してそう申し出る。

「何かな?」

「アリアとお付き合いしています。どうかお許しください」

道主がフリーズする。

突然のことにどう対応したらいいのかわからないようだ。

アリアのお母さんが道主をバンバンと叩く。

痛みを感じているような感じではないがそれで道主が再起動する。

「ふむ・・・。アレンは真面目だし許したいところではあるが・・・」

父親としてはまだまだ子供だと思っていたアリアに恋人ができるなど想像すらしていなかったのだろう。

「アレン君。私と立ち合ってくれるだろうか」

「はい」

今のアレンだと道主の足元にも届かないだろう。

だが、この展開は予想内でもある。

アリアに道主に付き合う許可を貰おうとすればこうなるだろうと言われていたのだ。

道主と対峙する。

見ようによっては道主は隙だらけだ。

だが、逆にそれが怖い。

どこに打ち込んでも対応してくるだろう。

「先手は譲ろう」

「行きます」

アレンは歩法の牛歩を使って道主の死角に回り込む。

間髪入れずに鋭い一撃を放つが余裕で受け流される。

「ふむ・・・。しっかりと鍛錬を積んでいたようだな」

道主は嬉しそうに笑っている。

アレンは受け流された勢いを利用して剣を次々に繰り出すが一向に当たる気配がない。

呼吸を整え上段から斬鉄剣を放とうとする。

道主は握りが緩くなった隙を見逃さずそこに下から斬撃を放ちアレンの木刀は遠くに吹っ飛んで行った。

「今のは・・・」

「巻き上げっていう東方の技術だよ。ここまでする気はなかったんだが楽しくなってしまってね」

道主はそう言って笑っていた。

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