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田舎の剣術道場に通う僕は道場主の娘に恋をする  作者: 髙龍


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七十八話

アレンは慌てて視線を3人から外す。

「アレン君は初々しいね」

「ユーリさんは堂々としすぎです」

「軍隊生活が長いからな。こんなことで一々騒いでいてはやっていけないさ」

「そうかもしれないけど・・・」




しばらくアレンが固まっていると声をかけられる。

「もう、服を着たから大丈夫よ」

「うん。3人共、不注意でごめんね」

「気にしない気にしない」

「アレンになら見られてもいいわ」

「もう、2人共。アレンを困らせないで」

アリアは怒っているが本気ではないようだ。

「食事は準備しておくからすぐ来てよね」

アリア達はそう言うと母屋へと戻っていった。

アレンは井戸から水を汲み服を脱いで汗を流す。

考えないようにと思うが先ほどの光景が頭から離れない。

何度も水を浴びて平常心を心掛ける。

落ちついてきたところで布で体を拭き服を着た。




アレンが母屋へと戻ると食事の準備は既に終わっていた。

「お待たせ」

「それじゃ。食べようか」

3人は先ほどのことなどなかったように振舞ってくれる。

それがありがたかった。




食事も終えたところで今日の予定を確認する。

「もう動いても大丈夫だろうか?」

そう言ったのはユーリだ。

「日常生活はいいけど運動はダメよ」

クスはそう言い放つ。

「このままでは体が鈍ってしまうんだが・・・」

「それなら3人で買い物にでも行きましょうか」

「そろそろ食料もなくなるし買ってきてくれると助かるかな」

「何か食べたい物とかある?」

「ん~・・・。特にないかな」

「それ一番困るやつ」

「ごめん。でも、皆が食べたい物を買ってきてくれればいいから」

「うん。わかったわ」



時間となり3人を見送った後、アレンは修練をはじめた。

苦手とする技と技との連携を何度も確認する。

こうして剣舞を舞っていると素振りの中に全ての基礎が含まれていたのだと強く実感する。

アレンに今、不足しているのは実践経験だが道主が戻ってくれば本格的に教えてくれるだろうか。

それとも生意気だと言って怒られるのだろうか。

どうなるかはわからないが今は少しでも実力を伸ばす方が優先だ。




修練に集中するあまり時間が経つのを忘れていた。

疲れて座り込んだところにアリアが声をかけてくる。

「アレン。お疲れ様」

そう言って飲み物を差し出してくれる。

「気が付かなくてごめん」

「ううん。邪魔したくなかったから・・・」

「僕はまだまだだね」

「それを言ったら私なんて・・・」

アリアは何やら複雑な物を抱えているようだった。

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