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田舎の剣術道場に通う僕は道場主の娘に恋をする  作者: 髙龍


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七十七話

クスは先輩達の溜まり場の中に入っていく。

ここからでは何が起こっているのかはわからない。

アレンは先輩達の溜まり場の窓から覗き見る。

「お金は用意できたの?」

「これが約束の金だ。解毒剤をくれ」

「これが解毒剤よ」

どうやら先輩達からお金を受け取って毒の解毒剤を渡したようだ。

「くっそ。毒さえなければこんな奴の言うことを聞く必要なんてないのに」

「おい。やめろ」

リーダー各の先輩が止めたようだが若い先輩の暴走は止まらない。

だが、クスがさっと動くと暴走した若い先輩はばたりと倒れた。

「クソ。何が・・・?」

「痺れ薬よ。よかったわね。死なない毒で」

「はぁ・・・。手癖の悪い女はこれだから」

「人聞きの悪いこと言わないでよ。次、同じことがあれば解毒剤は渡さないわよ」

「わかった。気を付ける」

どうやらアレンの出番はないようだ。

クスがちらりと窓の方を見る。

「どうした?窓なんて見て」

「何でもないわ」

クスは何事もなかったように先輩達の溜まり場を後にする。

先輩達の溜まり場から十分離れたところでクスは立ち止まった。

「アレン。出てきて」

やはりアレンが覗き見していたのにクスは気付いていたようだ。

アレンは観念してクスの前に姿を現す。

「さっきのは・・・?」

「解毒剤が欲しければ働いてお金を稼いでくるようにいったのよ」

これだけ聞けば自分で毒を仕込んだのにお金を巻き上げる悪徳薬師のようにも見える。

「どうしてそんなことを・・・」

「まともに働かないような奴らだからね。理由を作って働かせて更生させるのよ」

一応納得のいく理由ではあるけれどそれだけではないような気がした。

「あんまりあくどいことをしているとそのうちしっぺ返しされるよ」

「気を付けるわ」




無言で母屋まで戻る。

アリアとユーリが出迎えてくれる。

「2人で戻ってくるなんて逢引?」

「違うわよ。あの馬鹿達に解毒剤を持って行ったんだけど心配してついてきてくれたの」

「あぁ・・・。何もなかったかい?」

「問題はなかったわ」

少し4人で雑談を楽しみ眠りについた。




アレンは外からの水音で目が覚める。

母屋の中には3人の姿はなかった。

顔を洗うために外に出ると裸体の3人が視界に入った。

「ご、ごめん」

考えてみればアリアとユーリは寝たきりで汗を流せていなかった。

少し考えればこういう場面に出くわす可能性もあったのにアレンの注意不足だった。

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