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田舎の剣術道場に通う僕は道場主の娘に恋をする  作者: 髙龍


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七十六話

「先輩どうしたんですか?そんなこそこそと・・・」

「アレン。悪いが見逃してくれ」

そう言って脱兎のごとく先輩は逃げ出してしまった。

これは後でクスに確認する必要がありそうだ。




アレンは夕暮れまで修練を続け母屋へと戻った。

「クス。話があるんだけど今いいかな?」

「どうしたの?」

「先輩の様子がおかしかったんだけど何があったの?」

「あぁ・・・。私達に関わらないように言っただけよ」

「何か脅えてるように見えたんだけど・・・」

「ふふ。アレンは気にしなくても大丈夫」

笑っているがクスの後ろに怒気があるように見えた。

そこにアリアがやってきた。

「アレン。戻ったの?」

「ただいま。もう動いて大丈夫なの?」

「寝てるだけって暇なのよ」

「運動とかはまだ難しいけど、日常生活なら問題ないわ」

「よかった・・・」




ユーリも加わって4人で夕食をとる。

体調に合わせた料理のようでアリアとユーリは消化のよい物だった。




夕食も終わりお茶を飲む。

その席でユーリがこんなことを言う。

「私は数日休んだらここを発つよ」

「もう行ってしまうんですか?」

「思ったより足止めを食らってしまったからね。私のことを待っている部下もいるから」

騎士としての務めがあるというのはわかるがもっと色々教わりたかった。

「そう・・・。役に立つ薬を作っておくわね」

クスはそう言って何か考え事をはじめてしまった。

「寂しくなりますね」

「アリアちゃんもすまなかったね。本当はこんなことになる前にこれるとよかったんだが・・・」

「いえ。ユーリさんが私を守ろうとしてしてくれていたことはわかっていますから」

「アレン君に何があったのか話すかどうかはアリアちゃんに任せるよ」

ずっと気にはなっていたが体調の優れない2人に聞いてもいいのかわからずにいた。

「アレン。ごめんね。心の整理をしたいからもう少し待って」

「うん・・・」

「ありがとう・・・」

アレンとして話してくれるならはいつまでも待つつもりでいた。

男1人女3人というのは何となく居心地が悪い。

「さてと・・・。少し体を動かしてくるね」

アレンはそう言ってお茶を飲み干すと外へと向かった。

母屋からは楽し気な話声が聞こえる。

とにかく元気になって良かったと安堵した。




アレンが素振りをしているとクスが通り過ぎていった。

向かったのはどうやら先輩達の溜まり場のようだ。

何となく気になって後を追いかけたのだった。

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