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七十二話

夕ご飯が終わりクスは何やら薬を調合しはじめた。

「それは・・・?」

「2人に飲ませるの。アレンは悪いんだけど私がいいって言うまで外に出ててくれるかしら」

「わかったよ」

アレンは言われた通りに母屋の外に出る。

ただ、時間を過ごすのはもったいなくて剣舞を舞いはじめた。

1つ1つの動作を丁寧にこなす。

母屋の方からは時折、うめき声のようなものが聞こえる。

2人が心配ではあるがアレンに出来ることはない。




かなりの時間が経ち月が頂点に達した頃、クスが外に出てきた。

「アレン。終わったわよ」

「2人は?」

「今は疲れて寝てるわ。毒はかなり発散させたから大丈夫だとは思うけど・・・」

「そう・・・。クスはこれからどうするの?」

「ちょっと馬鹿達の顔を見てくるわ。先に寝てて」

「わかった・・・」

母屋に戻り2人の様子を確認する。

余程、治療が大変だったのかすやすやと眠っている。

アレンも横になり眠りについた。




アレンはがさごそという音で目が覚めた。

音の正体はクスだった。

「おはよう。こんな朝早くにどうしたの?」

よく見ればあまり寝ていないのだろうクスの目元には隈が出来ている。

「ごめんなさい。起こしてしまって」

「無理してない?」

「薬を作ってるときはこんなものよ」

クスは一度作業をはじめるととことん突っ走るタイプのようだ。

「そうだった。アレン。ご飯を食べ終わったら付き合ってほしい場所があるの」

「わかったよ」

アレンはまだ早いが御飯の準備をはじめた。

と言っても昨日の残りにパンを加えただけだが・・・。




アレンは朝食の準備を終えてアリアとユーリの様子を確認する。

すやすやと眠っていて起きる気配がない。

無理に起こす必要もないだろう。

クスの方を見れば丁度、調剤が終わったところのようだった。

「お待たせ」

「お疲れ様」

アレンとクスは朝食を食べ出かける準備をする。

朝食の前に作っていた薬を持たされて道場を出る。

向かった先はスラム街だった。

アレンはスラム街にはあまりきたことがない。

クスは迷わず奥へ奥へと歩いていく。

アレンは慌てて追いかけた。




しばらく歩くとガタイのよい男達が目立ってくる。

男達はクスとアレンを興味深そうに見ているが手を出してくる様子はなかった。

「ここよ」

そう言ってクスは1つの建物を示す。

建物の前には見張りだろうか柄の悪そうな男が立っていた。

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