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田舎の剣術道場に通う僕は道場主の娘に恋をする  作者: 髙龍


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六話

いつものように道場に行って素振りを開始する。

アリアはこの日も遅れてやってきた。

汗だくのアリアは袖で額を拭う。

この日はやたらと暑い日だった。

倒れないように定期的に水をとる。

2時間ほど経った頃だろうか。

アリアが突然倒れた。

僕は慌てて道主を呼ぶ。

道主はアリアを抱えて母屋に飛んで行った。

弟子の1人が駆けてゆく。

アレンは唖然とすることしかできなくてずっと外に立っていることしか出来なかった。

どれぐらい経っただろうか外に駆けていった弟子が薬剤師のお婆さんを連れて戻ってきた。

アレンはその後も外で立ち続けた。

どうしたらいいのかわからず混乱したまま・・・。

そして不意に体が動かなくなりその場に倒れてしまう。

そのまま放置されれば死んでいたかもしれない。

アレンを救ったのはアリアを呼びにきた不良の先輩だった。

「たく・・・。嬢ちゃんはいねぇし。糞餓鬼は倒れてるし、めんどくせぇ」

そう言いながらもアレンを抱えて母屋に向かう。

「道主いるか?」

「おい、ここには来るなと言っただろう」

「そうは言っても餓鬼が倒れてたんだよ」

そう言ってアレンを乱暴に降ろす。

「ア、アレン・・・。まさか、ずっと外にいたのか?」

「そうみたいだぜ」

「すまん。助かった」

「柄じゃねぇよ」

そう言って不良の先輩は去っていく。

「婆さん。悪い。病人の追加だ」

「たく。なんて道場だい」

そう言いつつも薬剤師の婆さんはアレンの様子を見る。

「これは熱中症だね。下手に動かすよりはここで寝かした方がいいだろうね」

そう言って首や脇の下などに薬剤を塗りつける。

「水は意識が戻ったらすぐに飲ませな」

「わかった」

「私はこれで帰るよ」

そう言って薬剤師の婆さんは鞄を抱えて帰っていった。




薬剤師の婆さんの治療が功をそうしたのかアレンは短時間で回復した。

道主の奥さんに水を飲ませてもらいそのまま横になる。

両親には今日は泊めていくと連絡をしてくれたそうだ。

アレンの隣にはアリアが寝ている。

だが、時折うなされて「アレン。ごめんね」と何度も謝っている。

アリアに謝られなければならないことなどないのにと疑問に思ったが水分をとったらまた眠くなってしまい真相はわからなかった。




夜遅くに目が覚める。

隣にはアリアが眠っている。

相変わらず意味不明の謝罪を繰り返している。

アリアが何を誤っているかはわからないが少しでも安心させたくて手をぎゅっと握る。

するとアリアは安心したのかすやすやと眠りはじめた。

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