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田舎の剣術道場に通う僕は道場主の娘に恋をする  作者: 髙龍


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五十五話

アレンはアリアが戻ってくるまで秘伝書に書かれていたことを試してみることにした。

木刀を持ち庭に出る。

アレンは木刀を正眼に構え精神を集中する。

雑念を追い払うように深呼吸する。

音がしなくなり全ての物がゆっくりと動いている気がする。

素振りしている時に時折入っていた領域に任意に入り込む。

リーリッド流の奥義の1つ無の境地。

秘伝書にはこれを自在に扱えるかどうかで剣士としの才覚が大きく変わるとと書いてあった。

ただ、立っているだけなのに物凄い疲労を感じる。

アレンは構えをといて座り込む。

今回、無の境地に入れたのは30秒ぐらいだろうか。

こんなことでは実戦では使い物にならない。

秘伝書には何度も行うことで無の境地でいられる時間が伸びると書いてあった。

アレンは再び木刀を構え集中する。

アレンは休憩をしながら無の境地に入り続けた。




集中が途切れ倒れ込む。

背後に人の気配を感じとりそちらを見ればアリアが立っていた。

「はぁはぁ。いつからそこに・・・?」

「5分ぐらい前かな。凄い集中してたら邪魔したら悪いと思って・・・」

「気にしなくてよかったのに。アリアも疲れてるだろうし先に寝てて」

「わかったわ」


アレンは井戸で汗を流して母屋へと戻る。

アリアはまだ寝ずに待っていた。

「アリア。どうかしたの?」

「頑張ってるアレンを見てたら何かしてあげたいなと思って・・・」

「そんなの気にしなくていいのに・・・」

「アレンは嫌・・・?」

「嫌じゃないよ」

アレンとアリアはキスをしてそのまま行為に流れ込んだ。




アレンは鳥の声で目が覚める。

いつ寝たのかは正直、覚えていない。

隣ではアレンに抱きつく形で裸のアリアが寝ている。

アリアの頭を撫でれば顔がふにゃりとする。

しばらくそうしているとアリアも目を覚ます。

「おはよう」

「アレン。おはよう」

寝顔を見られたのが恥ずかしいのか顔を伏せているアリアの顔をあげさせてキスをした。




2人で顔を洗うために井戸に向かう。

今日も熱気で暑くなりそうだ。

井戸の水をくみ上げて顔を洗う。

よく冷えた井戸水が気持ちいい。

顔を洗い終わった後は2人で朝食の準備をした。

のんびりと雑談をしながら朝食を楽しんだ。




時間となり今日も先輩達の溜まり場に2人で向かう。

アレンは今日も先輩との打ち込み稽古の予定だ。

先輩達の溜まり場に着くとアリアは今日も溜まり場の中に入ってすぐに出てきた。

そして先輩達と道場の方に歩いていく。

どうやらアリアは今日も素振りのようだった。

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