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四十四話

先輩は木の板を水平にセットする。

木刀を上段に構え一気に振り下ろす。

木の板は真っ二つに斬れていた。

「先輩。今のは?」

「斬鉄剣のなりそこないだよ」

「なりそこないですか?」

「本当は剣で岩を斬る技なんだが俺にはこれが限界だった」

「それでも凄いですよ」

「お前もやってみるか?」

「はい」

先輩は新しい木の板をセットしてくれる。

アレンは先輩のように上段に構え木刀を振り下ろす。

木刀は木の板に跳ね返される。

「はは。流石に最初からはうまくいかないか」

「先輩。コツとかないんですか?」

「基礎は出来てるはずだから頑張るしかないな」

「そうですか・・・」

アレンは再び上段に構え木刀を振り下ろす。

しかし、今回も木の板に跳ね返された。

「出来るようになったらいい物やるよ」

そう言って先輩は近くで素振りをはじめた。



アレンは1日中、斬鉄剣の練習をしたが一度も木の板を斬ることはできなかった。

「もうこんな時間か」

「先輩。付き合わせちゃってすみませんでした」

「いいって。お前に少しは先輩らしいところ見せられたしな」

「そろそろ戻りますね」

先輩と別れて母屋へと戻る。

井戸で汗を流して中に入る。

母屋の中は静かでアリアはいないようだった。


アレンがしばらく待っているとアリアが戻ってくる。

「ごめん。待たせちゃった?」

「ううん。それより今日は外でだったんだね」

「先輩が気分をかえようって言ってね」

「そうだったんだ」

「アレンの方はどうだったの?」

「先輩から斬鉄剣を教わったんだけどうまくできなくて」

「斬鉄剣なんて使える先輩がいたんだ・・・」

「先輩はなりそこないって言ってたけどね」

「奥義の1つだからね。私も前に父さんが1度やったのをみただけだから・・・」

「先輩達って実は凄いのかもね」

「そうかもね」




夕食も食べ終わり他愛無い話で盛り上がる。

「アリアは今日も・・・?」

「ううん。今日はしっかり休めって」

「そっか。早いけどもう寝る?」

「うん」

2人は仲良く横になる。

横からはすやすやと眠るアリアの寝息が聞こえてくる。

やはり相当疲れていたようだ。

アレンもいつの間にか眠ってしまっていた。



鳥の声が聞こえ目が覚める。

隣を見ればもうアリアはいなかった。

食卓のに行ってみれば食事が準備されている。

「アリア。起こしてくれればいいのに」

「ふふ。少しでも寝かせてあげたくて」

そう言ってアリアは笑っていた。

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