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田舎の剣術道場に通う僕は道場主の娘に恋をする  作者: 髙龍


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三十八話

アレンとアリアが食事を取っていると先輩の1人がやってきた。

「あれ?先輩こっちの方まで来るなんて珍しいですね」

「普段は道主がうるさいからな。昨日の映像ができたんで、嬢ちゃんと2人でチェックしようと思ってな」

「2人きりでですか?」

「水晶は小さいからあんまり人数がいてもな。嬢ちゃんがそっちの方がいいって言うなら他の奴らにも声かけるけど」

確かに大人数で水晶を覗きこむのは効率的ではない気がする。

「せ、先輩と2人がいいです」

「そうか。なら嬢ちゃんの部屋がいいな」

「わかりました・・・」

「先に行って待ってるぜ」

先輩は迷いなくアリアの部屋に向かっていった。

アリアは急いで残っていた物を食べている。

「あんまり急いで食べなくても・・・」

「先輩を待たせたら悪いから」

食事を食べ終わりアリアは急いで自分の部屋に向かっていった。

それを見送りアレンも自分の修練をする為に母屋を後にした。




アレンは道場の前に来ると軽く準備運動をする。

それが終わったら素振りを開始した。

昨日見たユーリさんの素振りを思い出して自分なりに考えてみる。

思考錯誤しながら素振りを繰り返す。

いつしかアレンの動きはユーリの動きと重なるようになっていた。




気が付けば先輩達がこちらを見ていた。

「おいおい。驚いたな。真面目にやってるのは知ってたけどよ」

「まるでユーリを見てるみたいだったぜ」

「ユーリさんってどういう方だったんですか?」

「女で剣術を習いたがる奴は少ないからな。人気者だったぜ」

「俺らと違って才能もあってよ・・・」

「負けたくなくて必死に修練してたよな」

「頑張ってたら褒めてくれてよ」

「そうそう。それがまた嬉しくて」

「皆さんはユーリさんのことが好きなんですね」

「領主の騎士になるって聞いた時は嬉しいけど複雑だったな」

好いていた相手が遠くに行ってしまうのは悲しいかもしれない。

自分もアリアがいなくなったら・・・。

「よし、久しぶりにやるか」

「そうだな」

そう言って先輩達は素振りをはじめた。

相手はしてもらっていたが先輩達が真面目に修練している姿ははじめてみるかもしれない。

先輩達は才能がないといっていたけれど必死に努力した後が見てとれた。

アレンも負けないようにと素振りを再開する。




休憩を挟みつつも夕方まで先輩達と素振りをして過ごした。

「そうだ。アレン。これ渡しとくぜ」

そう言って渡されたのは水晶だ。

去り際に「嬢ちゃんに見つかるなよ」と言って去っていった。

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