表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
田舎の剣術道場に通う僕は道場主の娘に恋をする  作者: 髙龍


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/107

三十六話

アリアは結局、夕方まで目を覚まさなかった。

「あれ・・・?私、寝ちゃってた?」

「相当疲れてたみたいだね」

「ごめんなさい。先輩達は?」

「先輩達なら出かけてるよ」

「そう・・・」

それを聞いてアリアは何だかほっとしているようだ。

「先輩達と何かあった・・・?」

「ううん・・・。ただ、修練の途中で休むと怒られたり激しく攻められるから・・・」

「そうなんだ」

「やっぱり、修練の様子を僕に見られるのは嫌?」

「ごめんね。アレンにはあんな姿見られたくないから・・・」

「嫌ならいいんだ」

2人を沈黙が包んだ。




足音がしてそちらを見れば先輩達が戻ってきたところだった。

「おっ。嬢ちゃん起きたのか」

アリアは慌てて立ち上がり頭を下げる。

「先輩。すみませんでした」

「いいって。それより飯買ってきたから食おうぜ。皿とかあるか?」

「それならお皿取ってきますね」

そう言ってアレンは母屋に食器を取りに行った。


アレンが食器を持って戻ると先輩達はアリアを囲むように座っていた。

「お待たせしました」

先輩は皿を受け取ると袋から買ってきた料理を取り分けていった。

先輩達が買ってきたのは肉入りの野菜炒めとパンだった。

それぞれ皿を受け取り食べ始める。

アリアの近くで食べたいが先輩達がいて近寄れない。

アレンは少し離れたところで食べ始めた。


食事も終わりゆっくりしていると先輩の1人が近寄ってくる。

「お前にプレゼントだ」

そう言って渡されたのは1つの水晶と台座のようなものだった。

「これは?」

「映像を記録する魔道具だよ」

「魔道具ですか?高い物なんじゃ・・・」

「まぁ、お前にやるのはおまけだよ。嬢ちゃんの修練の様子を撮ろうと思ってな」

「アリアの修練をですか?」

「客観的に見るのも大事だからな」

確かに自分では出来ているつもりでも他人から見たら間違っているなんてこともあるかもしれない。

「使い方は水晶を台座にセットするだけだ」

アレンは言われた通りに水晶を台座に置いてみる。

水晶に映像が映りだされる。

映っていたのはアレンより少し年上の少女だった。

少女は一礼すると素振りをはじめる。

少女の素振りは洗練されておりまるで道主のお手本を見ているようだった。

「この人、凄いですね」

「何せここの出世頭だからな」

「そうなんですか?」

「今は領主のところで騎士をやってるぜ」

騎士になれるほど優秀だったと聞いてアレンは尊敬の目で映像を眺めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ