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三十二話

アレンはアリアを待っているつもりだったがいつの間にか眠ってしまっていた。

喉の渇きを覚えて起きたのだが動くに動けなかった。

隣を見ればアリアがアレンの服を握ってスヤスヤと眠っている。

余程疲れていたのだろうかアリアは起きる気配がない。

アレンはアリアの顔をじっくり見る。

眠っていてもアリアはやっぱり可愛かった。

水を飲むのを諦めて寝ようとするのだがドキドキして全然寝付けない。

結局、アレンはアリアが起きるまでじっとしているしかなかった。




すっかり明るくなった頃、アリアが起きた。

目と目があう。

みるみる間にアリアの顔が赤くなる。

「アリア。おはよう」

「お、おはよう・・・」

朝の挨拶はしたもののしばらく無言で見つめ合う。

アリアはアレンの服を掴んだままだ。

「アリア・・・。手・・・」

「あ。ごめんね」

アリアは慌ててアレンの服から手を放す。

アレンは恥ずかしさをごまかすように起きると井戸に向かった。

水を汲み顔を洗いのどを潤す。

足音でアリアが近づいてくるのがわかった。

桶の水を一度捨ててアリアの為に水を汲みなおす。

「アレン。ありがとう」

「いいよ。僕はご飯の準備してくるね」

「うん」

母屋に戻ったアレンはパンとドライフルーツを2人分用意する。

アリアもすぐにやってきて2人で食事をはじめた。

楽しくおしゃべりしながら食べるご飯はいつもより美味しく感じた。




食事を終えアレンはアリアに今日の予定を確認する。

「アリアは今日も先輩達と・・・?」

「うん・・・。その予定。アレンは?」

「今日は素振りでもしようかな」

「今日もでしょ?」

「はは。そうとも言うね」

本当はアリアと過ごしたいけれど修練の邪魔をするわけにはいかない。

「先輩達待たせると怒られるから、そろそろ行かないと・・・」

「うん」




アリアと別れたアレンは道場の前にやってくる。

素振りをはじめてしばらくすると先輩がやってきた。

「おう。今日も頑張ってるな」

「先輩。どうしたんですか?」

「たまには稽古をつけてやろうかと思ってな」

「稽古ですか?」

「誰かに見られて道主に報告されるのも嫌だから場所移すぞ」

そう言って先輩は歩いて行ってしまった。

アレンは慌てて先輩を追いかける。

先輩が連れてきたのは先輩達の溜まり場の前だった。

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