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田舎の剣術道場に通う僕は道場主の娘に恋をする  作者: 髙龍


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二十八話

アレンが素振りをはじめてしばらくすると先輩達とアリアがやってきた。

「おっ。今日もやってるな」

「道主もいないんだし手を抜けばいいのに」

先輩達はそんなことを言う。

「皆さん。お揃いでどうしたんですか?」

「流石に暑くてな。修練の場所をかえようってなったんだよ」

確かに今日は暑い。

少ししか動いていないのに全身から汗がだらだらとたれている。

「お前も来るか?」

「いいんですか?修練の内容は秘密なんじゃ?」

「大丈夫だって見えない場所でするから」

「ほら、嬢ちゃんからもお願いしろよ」

「ア、アレン・・・。一緒にいこ?」

「うん」

「よし、そしたらさっさと行くぞ」




先輩達に連れられて街出る。

森の中に入りしばらくすると水の音がする。

森の中を小川が流れていた。

「着いたな」

「ふぅ・・・。やっぱここは涼しいな」

「こんなところがあったんですね」

「餓鬼だけじゃこれないからな」

「俺らはあっちで修練するから」

そう言って先輩の指さす方には大きな岩があった。

先輩達とアリアは岩の裏に隠れる。

確かにこれなら修練の姿は見れないなと思いアレンは素振りをはじめた。




「まずは準備運動からだな」

そんな先輩の声が聞こえる。

アリアの声は川の音で聞こえない。

「ほらほら、恥ずかしがってないで」

「そうそう。準備運動は大事だからな」

準備運動か。

そう言えば最近してないな。

基礎は大事だから自分もやろうかな。

アレンは素振りを1回やめて柔軟運動をはじめた。

「ゆっくりじゃなくてもっと激しく」

「いつまでたっても終わんねぇぞ」

どういう準備運動をしているかわからないが覗くわけにもいかない。

アレンは柔軟運動に集中する。

「ほら、開いてみろよ」

「もっと大きく」

「いつ見てもすげぇなぁ」

アレンは足でも開いているのかと気にしなかった。

「嬢ちゃんの準備もできたみたいだしそろそろ本格的にはじめてくか」

準備運動が終わったのか先輩がそう言っている。

柔軟運動は十分したしこちらも素振りに戻ろうと木刀を手に取る。

「おっ。今日の嬢ちゃんはすげぇな。やる気満々じゃねぇか」

「あはは。アレンが近くにいるからじゃね」

先輩達の笑い声がする。

「そっちばかり集中しないでこっちもみろよ」

「沢山いるんだから気を付けないとダメだぞ」

いきなり複数人相手にしてるのか。

自分だったら1人相手でも大変なのにアリアはやっぱり凄いんだな。


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