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田舎の剣術道場に通う僕は道場主の娘に恋をする  作者: 髙龍


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二十六話

「あっ・・・」

アリアは恥ずかしそうにしている。

「今日は洗濯日和だね」

空はよく晴れ青空が広がっている。

「そうそう。こんな日は洗濯しないと」

誤魔化すようにアリアはそう言う。

「アレンは今日はどうするの?」

「ちょっと買い物に行ってくるよ。アリアも一緒に行く?」

「先輩達が待ってるだろうから難しいかな」

「そっかぁ。何か食べたい物とかある?」

「う~ん。バナナがいいかなぁ」

「わかった。見かけたら買ってくるよ」



アレンは市場に真っ直ぐ向かった。

市場には色々な物が売っている。

まず探したのは青果店。

アリアが欲しがっていたバナナを購入する。

先輩達も食べるだろうし結構な数を買い込む。

それから市場をブラブラ歩き目についた物を買う。

両手いっぱいの袋を持って道場に急いで戻った。

まずは母屋に行って荷物を下ろす。

それからバナナを持って先輩達の溜まり場を目指した。

溜まり場の前には先輩の1人が立っていた。

「お。帰ってきたんだ」

「先輩はこんなところで何してるんですか?」

「部屋の中暑くてさぁ。涼んでたんだよ」

「僕も汗だくですよ。あっ。これ差し入れです」

「おう。気が利くな。これだけの量だと結構馬鹿にならないだろ」

確かに結構いいお値段がした。

生活費は渡されたけど節制しないといけないかもしれない。

「ほれ。とっとけよ」

そう言って先輩はお金を渡してくる。

「悪いですよ」

「いいから気にすんな」

結局無理矢理受け取らされてしまった。

「俺はそろそろ戻るけどお前はどうするんだ?」

「少し休んだら走り込みですかね」

「そうか。倒れない程度に頑張れよ」

そう言って先輩は建物の中に入ってしまった。




アレンは母屋に戻って買ってきたものの整理をする。

冷暗所に痛みやすい物をしまわせてもらう。

整理を終えたら水を1杯飲んでから走り込みに向かった。




先輩達の溜まり場の裏を通るとアリアが窓から顔を出していた。

息が荒いようだけど大丈夫だろうか。

よく見ると顔も赤い。

「アリア。休憩中?」

「はぁはぁ・・・。うん。アレンが通るかもって。はぁ・・・。待ってたんだ」

窓からはパンパンという音がしている。

「前から気になってたんだけど何の音?」

「あっ・・・。先輩達が打ち込みぃ・・・稽古してるからその音じゃない?」

よく見るとアリアの顔が揺れている。

「アリア。フラフラしてない?」

「えへへ。わかる?立ってるのもきつくて」

「そうなんだ。ちゃんと休んでね。そろそろ行くよ」

「うんっ・・・」

走り込みに戻ったアレンの後ろではひと際高くパンという音が聞こえた。

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