二十五話
「汗かいただろ。そこの井戸で水でも浴びていったらどうだ?」
「そうします。それじゃぁ失礼しますね」
そう言って建物を出る。
服を脱いでから井戸の水を汲み頭から水を被る。
何度かそれを繰り返していると建物の扉が開く音がした。
そちらを見ればアリアが顔だけだしている。
「どうしたの?」
「私の好物、買ってきてくれてありがとう」
「喜んでくれたらなら嬉しいよ」
「アレン。またね」
「うん」
アレンは体を拭いて服を着て母屋に戻った。
1人で食事をとる。
母さんが日持ちする物を持たせてくれたがそれだけでは寂しいので明日は買い物に行こう。
そんなことを考えながら食事を終えた。
アリアが戻ってこないかと待っているが一向にその気配がない。
昨日は疲れ果ててそのまま寝てしまったらしいから迎えに向かう。
先輩達の溜まり場につき扉をノックする。
すると扉はすぐに開いた。
「こんな時間にどうしたんだ?」
「アリアを迎えに来たんですけど・・・」
「嬢ちゃんならトイレに行ってるぜ」
「あれ?でも、すれ違わなかったけど・・・」
「あぁ。結構、我慢してるみたいだったからなその辺でしてるんじゃねぇか」
アレンもトイレが間に合わず適当な場所でしたことがあった。
下手に探しに行ったら恥ずかしい思いをさせるかもしれない。
「今日はちゃんと送っていくから安心して戻れよ」
「はい」
アレンは真っ直ぐ母屋に戻った。
しばらく待っているとアリアが戻ってくる。
「お帰り。アリア」
「ただいま。なんだか不思議な気分」
「そう?」
「だって、自分家なのにアレンからお帰りって」
「あはは。そうかもね」
「アレンこれ・・・」
そう言って液体の入った瓶を渡される。
「これは?」
「先輩がよく眠れるお薬だって。私用にって渡されたんだけどアレンも疲れてるでしょ?」
「僕が飲んだらアリアが困るじゃない」
「もう1本あるから大丈夫」
「そう?じゃぁ貰うね」
アリアの前で薬を飲み干す。
「ちょっと苦いね」
「薬ってそういうものでしょ。じゃぁ、私は自分の部屋に戻るから」
「うん。おやすみ」
「おやすみなさい」
薬が効いてきたのかアレンの意識はすぐに沈んでいった。
薬が効いたのかアレンは朝までぐっすりだった。
アリアが庭の井戸で何かを洗っている。
覚えのあるアレンは見なかったことにして食事を取ることにした。
食事を終え戻るとシーツを洗い終えてアリアが振り返ったところだった。




