二十四話
今日は掃除を頑張って体中が痛い。
だが、頑張っているアリアに負けないように軽く走り込みをすることにした。
先輩達の溜まり場の裏を通りかかると先輩達の笑い声が聞こえる。
楽しいことがあったのだろうか。
ぐすぐすと誰かが泣いてるような音も聞こえる。
「嬢ちゃん泣くなって。頑張らないとどうなるかわかるだろ?」
「はぃ・・・」
アリアが泣いているところなど見たことがなかった。
何か悲しいことでもあったのだろうか・・・。
気になったがそのまま走りすぎた。
次に先輩達の溜まり場の裏を通りかかった時先輩とアリアの声がした。
泣き止んだようでほっとする。
「俺のフランクフルトどうだ?」
「凄い大きくて立派です・・・」
「美味そうだろ」
「はい・・・」
アリアは食事中のようだ。
休憩もちゃんとはさんでいるようだし自分も走り終わったら休憩しよう。
そう思って走りすぎた。
道場の前で休んでいると先輩の1人がやってくる。
「なんだ、休憩か?」
「はい」
「悪いんだけど何か適当に食べ物買ってきてくれよ」
「わかりました」
「これ、お金な」
お金を受け取ってアレンは街に食べ物を買いに向かった。
急がないとお店が閉じてしまう。
なんとか果物とパン。
それとアリアが好きだというフランクフルトを買って道場に戻る。
道場に戻ると先輩達の溜まり場に向かう。
溜まり場の近くの井戸でアリアが体を洗っていた。
ついつい目線がいきそうなのを我慢して建物の扉を開ける。
するとモヤっとした匂いが充満している。
「おっ。戻って来たか。悪かったな」
「いえ」
「さてさて、何を買ってきたのかなっと・・・」
そう言って先輩は袋の中を確認する。
「フランクフルトも買ってきたのか」
「アリアが好きだって言ってたから・・・」
「そうか。確かに嬢ちゃんの大好物だな」
「これ、余ったお金です」
「律儀だねぇ。その金は駄賃代わりに貰っておけよ」
「いいんですか?」
「気にすんな」
先輩と喋っていると扉が開く音がする。
「アレン。戻ってたんだ」
「うん。さっきね」
「私の裸見た?」
「み、見てないよ」
「本当は見たんでしょ」
「ちらっとだよ。本当に」
「あはは。坊主も男だな。嬢ちゃん減るもんでもないし許してやれよ」
「うぅ・・・。先輩がそう言うなら・・・」
アリアは何か言いたそうだったが口をつぐんだ。




