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田舎の剣術道場に通う僕は道場主の娘に恋をする  作者: 髙龍


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二十一話

アレンも走り込みに戻る。

先輩達の溜まり場の裏を通ると先輩の声が聞こえる。

「おらおら。それじゃ、ずっと終わらねぇぞ」

「ふぁい・・・」

「ほら、もっと激しく動け」

先輩達の指導に熱が入っているようだ。

アレンはそのまま走り去る。

再び先輩達の溜まり場の裏を通る。

「ほらほら、止まってんぞ。動け動け」

「手を止めんな」

先輩達がアリアを叱咤する声が聞こえてくる。

アリアが頑張っているのに負けてられないなと走り去った。

先輩達の溜まり場の裏を通るたび先輩達の声がする。

アリアの声もたまにするが何を言ってるのかはわからない。

声もまともに出せないぐらい修練は厳しいのだろうか。




限界まで走ったアレンは道場の前で息を整えていた。

時刻はそろそろ夕方だ。

汗を流そうと井戸に移動する。

母屋の方の井戸は気が引けて先輩達の溜まり場の近くにある井戸をつかうことにした。

誰かが使った後だったのか地面が濡れている。

気にせず服を脱いで頭から水を被った。

何度かそれを繰り返しさっぱりしたところで布で体を拭く。

先輩達の溜まり場の方からぎぃっと音がする。

そちらを見るとアリアが顔を出していた。

「アレン・・・。母屋の方を使ってくれてよかったのに・・・」

「なんだか気が引けちゃってね。まずかった?」

「うぅん。そんなことないけど・・・」

「御飯はどうする?」

「私の分は大丈夫。先輩達が用意してくれるから」

「わかった」

「わ、私、まだ修練があるから戻るね」

「うん・・・。あんまり無理しないようにね」

修練の邪魔をしちゃったかなと思いつつ母屋に向かう。

そこで1人寂しく母さんが持たせてくれたパンを食べた。




することもないしボーっとアリアが戻ってくるのを待つ。

だが、どれだけ待ってもアリアが戻ってこない。

何かあったのかと心配になり探しに向かうことにした。

まずは先輩達の溜まり場を目指す。

溜まり場からは灯りが漏れていた。

どうやら先輩達はまだ残っているようだ。

中からはパンパンと音がしている。

扉を開こうとガチャガチャするが扉は開かない。

何かで開かないようにしているようだ。

ごそごそ音がして扉が開く。

「なんだ、アレンか」

「先輩。アリアを知りませんか?」

「嬢ちゃんならまだ修練中だぜ」

「そうなんですか・・・」

「おい。嬢ちゃん。アレンが来てるぜ」

そう言って先輩が声をかけるとパンパンという音がやんだ。

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