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十五話

飲み物を飲み終えて普通に祭りをまわる。

アリアがアクセサリーを扱っている小店で立ち止まる。

見ているのはペンダントのようだ。

「これほしいの?」

「うん・・・。でも、お小遣いじゃ足りなくて」

アレンは迷わずそれを手にして店主に代金を支払う。

子供からすれば高い買い物だ。

でも、アレンはこの日の為にお小遣いを貯めていたのだ。

「ひゅぅひゅぅ。熱々だね」

「いやぁ。いいもん見せてもらったわ」

そう言って先輩達が冷やかしてくる。

「こういうのはかけてやるのまでがセットだぜ」

そう言われてネックレスをかけてあげる。

「アレン。ありがとう。大切にするね」

「うん」

とびきりの笑顔を見せられドキリとする。

アリアも顔が赤いが自分も真っ赤だろう。

「さぁ。次行くぞ」

先輩達に言われて次のお店に向かう。

お菓子を買って食べたり大道芸を見たりしているとあっという間に時間が過ぎ去っていった。

時刻は夕暮れだ。

「そろそろ帰るか」

先輩達の1人がそう言う。

「あれ?まだまだお祭りはこれからじゃ・・・」

「お前、前に襲われたの忘れたのか」

それを言われると言い返せなくなる。

「嬢ちゃんは俺達が送っていくからお前は真っ直ぐ帰れ。いいな」

「はい」

「アレン。またね」

「うん」

アレンはアリア達が去っていくのをずっと見ていた。

だが、道場とは違う方向に向かっている。

アレンは気になって後を追いかけはじめた。

だが人混みが邪魔で思ったように歩けない。

お祭りはこれからが本番と言わんかぎりに人で溢れている。

遠くに先輩の影が見えた気がしてそちらに向かう。

どんどんひとけのない方向に向かっている。

このまま進めば街の外に出てしまう。

子供だけで街の外に出ることは禁止されている。

アリア達が向かったと思われる方向には森が広がっている。

アレンは悩んだがアリア達を追いかけることを優先した。

迷った時間が致命的だったのか完全に見失ってしまった。

しばらく闇雲に歩いているとパンパンという音が聞こえる。

先輩達の溜まり場から聞こえてくる音と似たその音を頼りに森を進む。

アリアの姿は見えないが先輩の1人を見つけることに成功した。

アレンは迷わず先輩に声をかける。

「先輩」

そう声をかけるとずっと鳴っていた音がやむ。

「おいおい。真っ直ぐ帰れっていっただろ」

「先輩達が道場と違う方向に向かったのが気になって・・・」

「はぁ・・・。お前はルールも守れないのかよ」

そう言って先輩は溜息をついた。

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