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十二話

明日は夏祭りの日だ。

ずっと前からアリアを誘おうと考えていた。

勇気を出してアリアを誘う。

「ごめんね。私、予定があるんだ・・・」

「そうなんだ」

「うん。本当にごめんね」

「ううん。いいんだ」

夏祭りは来年もある。

本当は残念だけど予定があるなら仕方ない。




いつものように素振りをする。

アリアに断られたのがショックだったのか集中力に欠けていた。

アリアも少し沈んで見える。

時間となりアリアが先輩達の溜まり場に歩いていく。

それを見送ってアレンはいつも通り走り込みを開始した。

どれぐらい走っただろうか。

アレンが息を荒くして先輩達の溜まり場を通りかかるとアリアの後ろ姿が外にあった。

アリアは裸で溜まり場の近くにある井戸の水で汗を流しているようだ。

見てはいけない物を見ているようで・・・。

でも、目はアリアに釘付けだ。

鼓動が早くなる。

足は自然とアリアの方に向く。

その時、パキッと枝が折れる音がした。

「だ、誰・・・?」

アリアは驚いたように服で体を隠す。

「驚かせてごめん」

今のはあきらかに自分が悪い。

「アレン。どうしてここに・・・」

「走り込みの途中だったんだ」

「そう。でも恥ずかしいからそれ以上、近づいたらダメだからね」

「うん・・・」

アリアは素早く衣服を身に着けるとふりかえる。

「それで何か用・・・?」

「アリアの顔を見たくなったから・・・。ダメかな?」

「ううん。私もアレンの顔が見れて嬉しい」

溜まり場の建物の扉が開く音がして先輩の1人が出てくる。

「おいおい。遅いと思ったらイチャつきやがって」

「ご、ごめんなさい」

「皆、待ってるんだ。もう行くぞ」

そう言って先輩は強引にアリアの手を掴むと連れて行ってしまう。

アリアに迷惑をかけちゃったかなと思いつつもアレンは走り込みに戻った。




アレンは走り込みを終えて道場の前で休んでいる。

そこにアリアが笑顔でやってきた。

「アレン。話があるの」

「うん」

「明日のお祭りね。一緒に行けることになったから」

「本当?」

「うん。まぁ、事件のこともあったし先輩達が一緒だけどね」

2人きりでないのは残念だけどそれでもアリアと一緒にお祭りをまわれる。

それだけでアレンは嬉しかった。

「じゃぁ。10時に広場の噴水でいいかな?」

「うん。先輩達にもそう伝えておくね」

アリアに見送られて道場の門を出る。

アレンの頭の中は明日のことでいっぱいだった。

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