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第14話 一カ月。

 エドワードがルトック村に住み始めて一カ月が経った。


 ここは家……六角形で尖がり屋根の建物の前。


 エドワードは扉に看板を釘で打ち付けている。看板には『エドワード・ホワイト、シルビア・ファン・ロード』と書かれていた。


「よし、できたぞおぉー」


 看板が取り付けられたところでエドワードが持っていた金槌を突き立てた。シルビアは小さくパチパチと手を叩く。


「ふふ、建ちましたね……私達の愛の巣」


「よし。今日は宴だな。シルビア、酒と料理の準備を頼む」


「何をいつも宴みたいなものではないですか、まったく」


 シルビアは文句を口にしながらも、家の目の脇に作られた炊事場へと向かって行った。


「おーようやくか」


「ようやくって……そんなことないよ。こんなすごい家建てるのって大変だよ」


 エドワードの後ろで建物を見ていたフィリーとカーラが話していた。


 フィリーはエドワードに挑み続けた。


 その過程でフィリーとカーラは懐き、エドワードの家に入り浸っていた。


「エドワードさん、中を見せてくれよ」


「あぁ、まだ見せてなかったか」


 エドワードは家の扉のノブを手に取ると、扉を開けた。


 家に入ると、すぐにリビングへと続いていて家の中央辺りの石を切り出して作られた暖炉があって。暖炉の前には木で作られたテーブルや椅子がいくつか並んでいた。


「俺んちよりも圧倒的に広いし。綺麗だ」


「うわーすごい。すごい」


 エドワードと家に入ってきたフィリーはポカンとした表情を浮かべ、カーラは興奮した表情を浮かべてリビングの中をキョロキョロと見回していた。


「まだ家具を作りきれていないが」


 エドワードが暖炉の前に置かれていた椅子に触れながら呟いた。


 カーラは目ざとく奥に続く、扉を見つけてエドワードに問いかける。


「奥に部屋があるんですか?」


「ん? あぁ、寝室と物置、俺の書斎」


「見てもいいですか?」


「見ても面白い物なんてないが」


 カーラに髪の隙間から覗くキラキラした目を向けられたエドワードが苦笑してポリポリと頬を掻く。


「それでもみたいです」


「ならいいぞ」


 カーラの押しに負けて、エドワードは寝室へと向かって歩いていった。それにカーラ、フィリーが付いていく。


 エドワードは寝室の扉を開けると、部屋の中は暗く。


 窓を開けて外から光を取り込むと寝室にベッドが三つ並んでいるのが見てとれた。


「はぁー広い」


「この部屋だけで、俺んちと変わらない……」


 カーラとフィリーはキョロキョロと寝室を見回した。その二人を見ながらエドワードは苦笑を浮かべる。


「何が物珍しいんだか。ただの寝室だろうよ」


「次はエドワードさんの書斎を見せて欲しい」


 カーラがエドワードへと視線を向けた。エドワードは少しの間を空けて口を開く。


「……入ってもいいが。中の物に触るなよ」


「はーい」


「本当に分かっているんだろうな」


 エドワード達は一旦寝室を出ると、寝室の丁度隣にあった書斎の扉を開ける。


 書斎も暗くなっていて、脇に置いてあったランプに火を灯す。


 ランプに照らし出された書斎は何冊も本や陶器の瓶の並んだ本棚、デスク、デスクチェアー、平積みされた本棚に入りきらなかった本、魔法道具などなどが置かれていた。


「こんなの見ても面白くもないと思うが……」


「なんか秘密基地みたい」


「本がいっぱい。すごい」


 書斎は他の部屋に比べて狭く、フィリーとカーラは書斎の外から覗き込んだ。


「アレ、何? あの綺麗な石。宝石か?」


 フィリーが紫色の結晶を見つけて、指さしながら問いかけた。


 エドワードは直径二センチほどの紫色の結晶を手に取ると、フィリーに手渡す。


「これは宝石じゃない、魔石。魔物の核とも呼ばれる」


「魔物の核?」


「よくは知らんが魔物を倒したら出てくる」


「へぇー何に使うんだ?」


「加工しない魔石では焚火の可燃材くらいにしかならないから。魔晶石に加工する。魔晶石にしたら、魔導具に使ったり、魔法を使い過ぎてマナが無くなった時にマナを回復するためにつかったりするかな?」


「へぇーよく分からないけどすげぇー」


 よほど気に入ったのかフィリーは魔石を覗き込んでいた。その様子にエドワードは苦笑を浮かべる。


「先に言っておくがそれはやれないからな? それで風呂の湯を沸かす魔導具を作るんだ」


「えー」


 フィリーが魔石を持ってフラフラとどこかに行ってしまった。


「おい……魔石のままじゃ何の意味もないのに。まったく」


 エドワードは魔石を持って行ったフィリーを追いかけた。ただ、カーラがエドワードの服の裾をキュッと掴む。


「エドワードさんはこの部屋で何をするんですか?」


「この部屋で? んー知りたい?」


「はい。教えてください」


「誰にも言うなよ?」


「はい。分かりました」


「親にもだぞ? 約束できる?」


「はい。言いません」


「……分かった。いいよ」


 エドワードが少しの沈黙の後で頷き答えた。


 書斎の扉を閉めてリビングへと移動し、エドワードとカーラとが対面するように椅子に座る。


「うむ、内緒話だぞ?」


「はい」


「書斎では魔法の研究をする予定だ」


小説を読んでいただき感謝。

それでお手数ですが、作者のモチベ維持のために小説の評価、ブクマをどうか……どうか、よろしくお願いします。

作者太陽クレハ


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