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ズズズーーーーーン!!!


何と…

私を中心に、半径5mの円状に地盤が1m陥没した。


えっ?


幼女は車内で周囲を見回してる…。


あ~~

アレだ…寝起きで意識が覚醒していない奴だ。

何時もと違う環境だし周りに親も知り合いも居ない…。

不安が一気に来た訳ね…。

[何らかのストレス]?ん~こんな現状だしなぁ~。

確か…規則正しい生活リズムだったっけか?

日光を浴びる様にして好きな物でも出して気を紛らせるんだっけか?



「おはよう」


落ちつくようにミカンジュースを出してあげた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


幼女が起きた時に起きた、陥没した中心に居るわけなんだが…。


「ちょっと車体(からだ)が傾くから、しっかり掴まっててね」


流石に戦車でも垂直な1mの段差は取っ掛かりが無いと上る事は出来ないが、

私には2本の手が有る。

両手を崖上(?)に手をかけてキャタピラ全開でよじ登る。


ふぅ~~~

ビックラこいた。


突然、陥没するんだもんなぁ~。今のは何だっただろう?

エネルギー換算すると相当な力になるな。凄い力だ。


幼児の様子から幼女が関係しているのは間違いないが、

実害がでていないし…まぁ~いいかぁ~~~。


深く考えるのは駄目だ、ハゲる!あっ…私、戦車だし毛が無かった。


ーーーーーー


相変わらず街道を走らせている。



おやっ…


何と言う綺麗で見事な直線道路。

私は少し茶目っ気を出したい気分になった。


「お空、綺麗だね~~♪」

『…お空???』


「お空でお散歩したら気持ち良いだろうね~~♪」

『…………。』


ん…?


何か地雷を踏んだか?

幼女が、ズーーーーーン!と言った感じで落ち込んでいる…。


「ちょっと、お空のお散歩しよ~か♪」

『………いいの?…』


少し涙目な幼女。


「良いよ良いよ♪ドラゴンさんに任せなさ~い♪」


うっお!

幼女の瞳にはこれ以上無い位にキラキラした星が見える。

先程の「ズーーン」と、幼女の(くずおれ)れのorzの姿から

両手に旗を持って「コロンビアー!」みたいに

両腕を上げてのガッツポーズの喜び様。幼女の小躍り。


フフフフ…、


私のエンジンが囁くのよ…。空を飛べると。



「行くよ~~~~♪」



フル加速で全開V-MAX!

咆えるM4(シャーマン)のエンジン、4ストローク星型 9気筒空冷!

加速した状態で…。




そして私は「Fi 156」にヘンタイした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


白い光に包まれM4がFi156の姿に変わる。


更に加速と同時にふわっと浮き上がる機体。

あっという間に空だ。



…ん?何か後ろ方の茂みがガサガサ動いてる…

(あ~~もしかして、もしかするのだけど……)

(幼女の為に無視して暫し空のお散歩タイムだ~~♪)



Fi 156


離陸に向かい風で50m、着陸に20mとふざけた性能。

派生の機体では解体も出来て持ち運べる便利性の観測機。

砂漠のロンメル様は敵の観測に使用して付いた名が「死の使い」

(そりゃ~そうでしょ…敵の分布や配置や車両がまるわかりなんだから)




戦車から航空機にヘンタイ(変えた)した瞬間、

幼女はコックピットにベルトを締めた状態で操縦席に座っている。


『うっわ~~~~~!』


ご満悦のご様子。


昔の機体だし本来はアクロバット飛行なんぞ出来ないのだが、

ソレはソレ。

自分の身体なんだし

感覚で風を掴む事が解かる機体(からだ)の剛性も上がっているのだろう。

まっ…無茶な動かし方はしないけどね。


暫し空の散歩を楽しんだ後、


[元の離陸した場所に戻った]




幼女のキラキラ感が凄い。

ムッフーーと鼻息が出ている。


(…離れた後ろの茂みは……ん、まっいいか…)


今は戦車M4に戻って走らせている。


しっかし…我ながら凄いと思う。Fi156にも両腕が付いていたのは愛嬌だ。

機体を手足みたいに扱うと言う表現があるのだが、

本当に手足なんだから自在に扱う事が出来たのには嬉しい誤算だ。

今ならM4でさえキャタピラを外す事無く片輪走行も出来る気がする。やらないけど。


燃料の残り1~2Lが延々と飛び続ける事が出来る運動性能…って感じ。

燃料の重さなんか無視する事が出来る事が分かった。


今のM4も燃料ゲージはピクリとも動いてはいないし、

機銃の弾丸も補給した訳でも無いのに延々と撃ち続けれている。




(…少しづつスキルを検証していきましょうかいのぉ~~~)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



『あのね、あのね…私、お空飛んじゃいけないって言われていたの』



概ね翻訳したらこんな感じ。

着陸してからの幼女は、余程嬉しかったのか幼女の饒舌は収まらない。


前よりハッキリと意志が聞こえるのは良い傾向だ。


ここで間違えたら駄目なのはシッカリ向き合って対応する。

いい加減でも対応する事で子供の脳の発達は全然違う。

幼児期に置いての発達速度と吸収速度は凄まじい。一日でガラリと変わる。


「小学生は最高だぜぇ~!」


…と言う某指導者の言葉通り。ゴールデン吸収時期があるのだ。

伸ばすかどうかは親や指導者…周囲の人次第。



ここはしっかりと


「そっか~楽しかったんだ良かったね♪」

「次が有ったら、何がしたい?」

「今度は何しようか?」


…と対応しておこう。



しっかし…舐めていたワ~流石にキツイ。


前世では自分に子供はいなかったが、子供の対応は疲れる。

いや、ここまで興奮した子供の相手は疲れる!

と言ったらよいのだろうか?

戦車だから体力的には疲れていないのだが、

精神的に……何か…こう…来るものがある。


「子供は貯金箱」


愛情を注げば注ぐほど返って来る!と言う台詞。

…解る…解る……確かに「今」頑張れば良いし子供の未来の幅が広がる。

子供の脳の発育や感受性を伸ばすには会話が手軽。

…が、ここまで精神疲労する物だったんだ…。

いや、ここは「我が子だと疲労しないと思いたい」


まったく世間の母親の皆様方の苦労に頭が下がる思いだ。




私は某有名の缶入りドロップを出して

幼女の口に飴玉を放り込んだ。

スマンナ…。

黙らせるのには食べ物を食べさすのが手っ取り早い。




~~脳内雑音~~


「プ~~~クスクスw」

「子供が居ない???」

「子供の前に彼女も居ない癖にwwwww」




くっそ!


脳内雑音が傷口を抉る!!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「子供の手は吸盤」


とは良く言ったものだ。

誰かが言っていたな、某万能猫の持ち方でもコップが落ちないと。

そんな持ち方でよくドロップ缶が落ちないね…と思った所で、



幼女は自分の赤い小さなショルダーポーチにドロップ缶を入れた。


えっ?


(入れ物と缶の大きさが違うんですけど…)


明らかに小さい幼児用のショルダーポーチ。

私はその事を言葉に出していないのだが、

幼女はそのポーチから出会った時に作っていた花輪の王冠を取り出した。

王冠を手にニッコリ微笑んだ後に、

どう考えてにも入らない大きさのポーチにしまう。



そして、なぜかドヤ顔。


可愛いから良いけど走行中だから上体を反らしたら不安定だし危ないよ?



アイテムBOXか…。

転生の異世界だから有るだろうとは思っていたが、

こんな小さな子供が個人で持っている物だろうか?

どんな転生物でもアイテムBOXは高価なイメージしか無いのだが…。


最初から変だと思ってはいたが、

これでコノ幼女は身分が高いか、お金持ちの子供なのは確定したな。

では…なぜにあんな場所で一人で…?


(まったく一人…って事でも無いと思うが…)

(今でも姿を表さない…)




そんな中、前方で斬撃と獣が吠えている音が聞こえてきた。

争っている…それも可成りの激しい音がする。



私は速度を速めた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

本当はここから2通りのルートを考えたのですが。。。

書き終わっているルートをUPしてしまう・・・そんなヘタレです・・・・orz

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