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敵は[手薄]と感じて、屋敷に向かって来るか?
それとも、補給部隊を襲いにくるか?
そんな事を考えていたら、幼女が私に近づいて来ていた。
------------------- (前回まで)
「ドラゴンさん」
「えっ?」
声色は同じだが[幼女特有の声、頭に声が響かない]。
ポフン
煙に包まれる、幼女。
直ぐに煙が晴れて…出てきた姿が。
「インディ???」
幼女の友人で、狐獣人の[インディ]に姿が変わった。
「シャルちゃんに頼まれたのー」
先程まで、北半島から避難をして来た友人と
再会を喜んで遊んでたのに…。
あっ。幼女は友人達と一緒に[かくれんぼ]…。
「[アメリア]ーーーー!!!」
私は大声で叫ぶが、いつもの様に直ぐに反応は無い。
今日の幼女の付き人2人は、[ケティ領]から来た新人さんか…。
くっ。これは彼女らを責められない。
補給物資を、かき集めるのにメイド達も飛び回っていたし、
屋敷の人達は、誰もかれも仕事に追われていた。
遊びが[かくれんぼ]だったのが禍を加速させた。
[子供は目を離すな]と言っても、これは不可能。
5秒が30秒になり、5分が15分と段々[目を離す時間が増えていく]。
アメリカンインディアンの子育て四訓
一、乳児はしっかり肌を離すな。
一、幼児は肌を離せ手を離すな。
一、少年は手を離せ目を離すな。
一、青年は目を離せ心を離すな。
[アメリカンインディアンの格言]には、
成る程!と感心する物が多くある。
しかし、今回は訳が違う。
幼女が自らの意思で、[脱走]を謀ったのだ。
幼女を慕って、メイドに志願をした彼女達は、まだ[付き人歴]は2~3日。
変装を見破るまでには至っていない。
私は戦車の姿を止めて、
急いで垂直離離着陸機[ハリアーⅡ]に変形して飛ばした。
屋敷に着いて、再度大声をあげる。
「[アメリア]ーーーー!」
ただならない雰囲気を察してか[アメリア]は飛び出して来てくれた。
「どうした?」
「乗れ!!!」
私が焦っている理由は一つしか無い。
黙って私の指示に従ってくれるのは助かる。
メイド達や爺、奥様までもが外に飛び出して来ているが、
構わず上昇して[西を目指した]。
ーー
「どうしたと言うんだ?」
「シャルが居なくなった」
「何?」
「西へ向かっている」
[既の所]で、
[アメリア]は私を斬るのを押し留まってくれた。
今はそう言う場合では無い。
「何処だ?」
「今、向かっている」
多分、[アメリア]が単独で向かう方が速い。
しかし、幼女に危険が迫っている訳でも無いから、
[守護騎士]の力も発揮されていない、幼女の位置は掴めないでいた。
[アメリア]を乗せ、飛行中に事の経緯を話す。
[アメリア]から[私への殺気が消えた]。
(狭い操縦席で、よく剣を抜けるものだ…)
(まぁ、私自身だから[多少は広いけれどね])
おいおい、幼女との[精霊契約]で能力が底上げされて、
マッハ1前後の速度の[ハリアーⅡ]が、
マッハ2前後出ているのに、幼女に追いつけない。
もう奥様の親、[西の領地]を過ぎるぞ?
「王国になるのか?」
「王国の南部より、南寄りだ」
幼女が、私の渡した[ヘッドホン]を愛用している限り、
私との繋がりは[幼女との精霊契約]より[太い]。
だから幼女の正確な位置が、私には分かっていた。
もし、幼女に危険が迫っていたなら、
[幼女の守護騎士]である[アメリア]にも、幼女の位置が分っていただろう。
あの[ミラー]が幼女に吹き込んだ
「お嬢様は御姫様ですから、攫われるかもしれませんね」。
幼女が[ヒロイン願望]を望んでいたら、
危機であっても危機ではないのだ。
あ~段々、腹が立ってきた。
無事に帰ったら[ミラーを絶対に一発は殴ろう]。
ーー
居た!!!
森の中を走る、ユニコーンの群れの中に幼女が居た。
一際大きい白いユニコーンに跨っている。
前方に回り込み、[ハリアーⅡ]から[M1A2]に変形する。
木々を薙ぎ倒しての着陸だ。
[アメリア]は先に飛び降りて、
ユニコーンに並走し幼女を確保しようと動いている。
ユニコーン、意外と勇猛なのよねぇ~。
幼女を守るかの様に、他のユニコーンは幼女の周囲を警戒していた。
『あっ、あーちゃん』
『ドラゴンさんもー』
私達に気が付いた幼女が手を振って…馬から落ちた。
流石[アメリア]、幼女が地面に落ちる前に抱き抱えていた。
そこでユニコーン達は、私達への警戒を解いてくれた。
彼等も幼女が落ちそうになって焦っていたからだ。
いくら[ユニコーン]が魔法の補助で、幼女の身体を支えていたとしても、
ユニコーンに跨って、しがみ付いてるのは3歳児。
成れない事をして疲れがでたのか、幼女は熱をだしていた。
[子供用の頭に張る冷却材]を幼女の御凸に張っておこう。
幼女に、体液と同じ浸透圧に調整された[子供用飲料]を飲ませながら、
「黙って出て行ったら駄目でしょ!」
『・・・・・』
「こんな事は、もうしない!」
「絶対に相談する事!!」
『・・・・・』
叱る時は叱らないと駄目だ。
しかし[子供には子供の理由がある]のだ、
1人の人間として、意見を聞いて対処をして、説明をしなければいけない。
ただ頭ごなしに叱るだけでは、子供は理解してくれない。
[危ない事][どんな事になるか][心配する事]、
意見を聞きつつ、説得しなくてはいけない。
子供は分っていて、分っているのだけどソレを止める事は出来ないのだ。
(子供は感情の制御を、少しづつ覚えていくのだから…)
(まぁ制御できない大人も多いんだけどねぇ~)
(しっかり愛情を持って、対応していこう)
「それで、どうしてこんな事をしたの?」
『・・・・・・』
幼女は聡い子だ、
理由も無しに、飛び出したりはしない。
「どうしたいの?」
『…危ないの…』
「危ない?」
『……助けに行くの…』
[アメリア]の顔を見る。彼女にも意味が分らないようだ。
私と[アメリア]の姿を見て、気が緩んだのか幼女は熱を出してしまった。
熱で少しぼんやりしているのに、逸る気持ちを抑えれていない。
幼女を毛布で包んで、[アメリア]に抱きかかえて貰い、
私は[V-22オスプレイ]に変形して飛び上がった。
V-22(オスプレイ)
・ティルトローター機であり、垂直離着陸機。
・ヘリコプターの様な動作が出来る航空機である。
・今では解消されたが、初期型は[エンジンのパワーバンド]と[翼の角度]に、
苦労させられたパイロット泣かせの機体。
・米軍で墜落とか故障が多いのは、この機体の運用が特殊なせいである。
・現役で[被弾]を、数多く経験している可哀そうな機体。
・3モードの操縦を覚えなくてはならない、これまたパイロット泣かせ。
・飛行モードで着陸が出来るが、プロペラは地面に当たる(壊れる様に設計)
[ハリアーⅡ]は戦闘機なので、
ゆったり出来る様に[V-22]に変形した。
(内装も手を加えて、武骨な感じでは無い)
(本来ならば、与圧室等は無いのだが、それは私自身の身体)
([気密]も[与圧]もバッチリ対策、何なら海面にでも着陸しちゃうゾ)
([補助ロケットブースター]まで付けられる体の剛性。ドヤァ~~!)
「何処に向かえばいいかな?」
『あっち…』
幼女の指差す方向に向かった。
ここで幼女を連れて、屋敷に引き返すのは野暮だよな。
[アメリア]も無言で頷いていた。
能力値が上がっているのか時速800㎞で飛行中。
しばらく飛んでいたら戦闘中の現場に遭遇した。
『ここ!ここに降りて!』
小規模戦争?
円陣を組んでいる100名位の騎士達を、取り囲む様に布陣した魔物。
そして、その後方には50名位。
幼女が指差したのは[円陣を組んでいた王国の騎士達]の方だった。
(王国より南、南部領の北にあたるコノ場所で、)
(何故に[敵の部隊が居るんだ???]。前線では無く後方だぞ???)
ーー
私は[円陣を組む王国騎士団]の外周を、円を描くように周回する。
着陸場所の確保と、オスプレイの未だに克服できていない弱点、
「エンジン排気プルームがもたらす過剰な熱の作用」。
(空母等でも[オスプレイ専用発着場所が必要]な程である)
(耐熱コーティングやパッシプサーマルバリアーを施した物でも)
(10分以上の着地地点のホバリングは推奨されていない。つか…禁止!)
更に私の能力値が上がっているので、小型はおろか中型魔物までは
一溜りもない。
無事に着陸はしたが、幼女が外に出ようとしている。
流石にコレは駄目だ。熱で幼女の顔はまだ赤いのだ。
私は[オスプレイ]の[ガンシップモード]で周囲に弾を撒き散らし、
敵の進軍を止めていた。
([ガンシップモード]は日本に配備されていないんだよねぇ~等と考えたり…)
「姫様は、ここでお留守番ですよ」
『・・・・』
「私がやっつけてきますからね」
『・・・・』
「分りましたか?」
『…あーちゃん…お願い』
「Yes,your highness」(イェスユアハイネス)
幼女も思う所があるのだろう、[アメリア]に任せて機内に留まる。
その様子に、[アメリア]は全身を震わせて機体から飛び出して行った。
「今の私は、ただの[守護騎士]とは思うなよ!虫けら共!!!」
ーー
雨で熱が出てしまい早めに就寝。
早くも「一日一投稿が挫折」自己嫌悪。。。。orz




