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0.プロローグ
“恋”
それは、吸血鬼にとって不要なモノだと、幼い頃に教わった。
でも、オレは、その不要なモノ──恋に興味を持った。
(恋をしてみたい。恋を知りたい)
でも、オレと同じ吸血鬼と恋ができる訳じゃない。吸血鬼は恋をしないのだから。
この世界にいる種族は3種類だ。
吸血鬼。
魔女。
人間。
魔女は吸血鬼と敵対する存在。
人間は吸血鬼のエサ。
エサに興味を持たなかったオレはきっと魔女と恋をするんだろう。その魔女が人間界にやって来るのは満月の夜とハロウィンの夜だけ。
そして、今日はそのハロウィンの夜だ。
オレは、期待を胸に人間界へ向かった。
読んで頂きありがとうございました。更新のペースはゆっくりだと思います。