8.毎回怪人が一体ずつしか投入されない?
これも「特撮あるある」というか、特撮の突っ込み(突っ込まれ)どころのひとつです。強大な部隊、戦力を誇るはずの悪の軍団なのに、毎回前線に投入する戦力が一体の怪人だけ。無数にいる戦闘員は、残念ながら戦隊を苦しめる戦力とはなり得ません。『タイムレンジャー』も、毎回戦う怪人は基本一体だけです。ロンダーズファミリーも特撮番組のご多分に漏れず、どういう理由か毎回怪人を一体ずつしか投入していないのでしょうか。
実は、そうではないのです。ロンダーズファミリーの首領ドルネロは、常に複数人のロンダーズ囚人(怪人)を世に放っています。彼らは人知れず、あるいは人間に化けて、各々の得意とする分野で犯罪行為を行い、シノギを挙げています。きっかけは、ふと耳にした情報であったり、偶然の遭遇であったりしますが、毎回タイムレンジャーが遭遇する敵怪人というのは、その中のひとりなのです。
通常の特撮では、ストーリーを動かす主導権は敵側が握っています。敵側が何かしらの作戦、攻撃を仕掛けて、それにヒーロー側が応戦するというのが一般的な流れとなっています。対して、ドルネロ率いるロンダーズファミリーの作戦というのは、その性質上表面化しにくいものばかりですから、タイムレンジャー側から動いて、怪人が水面下で行っている、あるいは行おうとしている作戦(犯罪)を暴いていかないといけないのです。そこで双方ともに正体がばれて、いざ戦闘に突入するわけですが、こういう事情であれば、怪人側に増援を望めないのは明白でしょう。ロンダーズ囚人が「現在タイムレンジャーと交戦中だから助けに来てくれ」と他の囚人に連絡を入れたとしても、受けた側は自分のシノギのことだけで精一杯で、「そんなの知ったことではない」となります。仲間を助けに行くよりも自分の仕事のほうが優先です。そもそもロンダーズ囚人たちは、たまたま同じ刑務所に服役していただけという、本来何の繋がりもない者同士ですから。それに囚人たちも、逮捕される前は極悪犯罪者として裏社会に名を馳せていたつわもの揃いです。他人に手助けを請うことは悪のプライドが許さないのかもしれません。
つまり、敵組織であるロンダーズファミリーは、常に複数の怪人を世に放っているのですが、タイムレンジャーが正体の割れたロンダーズ囚人から個別に撃破していくため、「表面上は毎回怪人を一体しか投入していないように見えている」というだけなのです。




