三題噺第13弾「天国」「ファミコン」「最弱の才能」
サクラサク
春の歌声
君にいく
「“天国”の君に届くといいなぁ」
君のお墓の前で手を合わせてそう呟く。
四月になる前、あなたは亡くなってしまった。
別れも言えずに、突然と消えてしまった君を思い続けるのは、病んでると思うだろうか。
それでも僕は、毎年、毎年、歌声を届けるために歌い続けるよ。
「おーい、友やん」
友人の久が僕を呼んでいるようだ。
「毎年ここに来てもヨミは浮かばれんと思うぞ。それより、新しい彼女でも作ったらどうや?」
「忘れたくないんだ。彼女……ひとりぼっちだった気がするから」
「そうか、このままずっと背負っていくのか」
「そうかもしれない。それでもいいと思っているから」
「墓参りも済ませたなら、家でゲームやらへん? 新しい“ファミコン”のゲームが手に入ったんだよ」
久はゲームがとても下手だ。言葉を言いかえると“最弱の才能”を持っている。だが、ゲームが非常に好きなので、いろいろな種類のソフトを持っている。
「そうだな、気晴らしに付き合ってあげるか」
これからも友達の久とバカみたいにゲームをやって、毎年思うのだろう。
あの犯人を許さない。と。
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