「出会い」
どうも皆様 京甲です。
お楽しみいただけたら幸いです。
ゴロゴロと転がり続ける。 大きな木の根っこに当たるたびに体中に痛みが入る。
いつまでも転がり続けて痛みも終わらない。 擦り切れる皮膚に大きくぶつかって青くなる体。
すべてが止まったのは一番大きくぶつかった時だった。 ふわっと、浮いた感覚から…なんとなく察した。
「少年か…?」
黒く焼けたようなローブをまとい紫の光を放つ大きな植物が付いた杖を持ち、光る左目を向けた先には、地面に大きく横たわる子供の死体があった。
持っていた杖を地面にこつんとつけて少年のすべてを変えた。
起きると、目の前には瓶詰めされた蛍が目を焼き尽くしそうなほどまぶしく光っていた。
こんなに蛍の光ってあかるかったっけ?
ベッドに手をついて体を起こそうとするがすぐに力がはいらず、ポフッっと体がベッドに吸い込まれる。
「ふむ。 成功か」
視界の外から一つの声が響いてくる。 体を動かして声の方向を見ようとするが、首も足も腰も…手以外はまるでベッドに縛り付けられているかのように動かない。
一回も聞いたことがない声…誰? でもよく考えるとなんで瓶詰めされた蛍が天井から吊り下がっているんだろう?
「動けないだろう。 あと二時間はそこで考えてみたらどうだ?」
ペタペタという足音が少しづつ遠ざかっていくのがわかる。
寝っ転がったまま手を動かしてどうしてこうなったのかを考える。 そしてここはどこなんだろうって。
「今日からいらないから。 帰ってこないで」
そういっていつもより明るい服装に身を包んで『泥水の家』を出て行った。 みんなの姉。
姉はいつまでたっても帰ってこなかった。
「ねぇ お兄ちゃん。 おなか減った」
そんな言葉に押されるように僕は森へ向かった。 赤い果実に緑色の堅い果実。 色々な果実を抱えて足を急がせる。
食べてないせいかちょっといつも店から盗む時より遅い。
「急がないと…僕がどうにかしないと…」
気づいたらそんな声が漏れる。
少しだけ踏み荒らしてある道を歩いて進む。 チクっと刺さる草に花を無視して進む。
暗くなってきた。
そして気づいたら根っこに足を取られて転がっていった。
「話さなくていいぞ…。 見させてもらった。 言っておこう、君が住んでいたスラムの家はもう誰も生きてないだろうな?」
いつの間にか一人の女性がベッドの隣に居てそこから見下ろしていた。
茂った緑のような明るい髪にその緑を焼き尽くすかのような赤い目。 その目の前に光る何かがわからず不気味に映る…。 でもその眼はたまに食べ物を分けてくれる人のような眼をしていた。
でもなんでそんなことを言うんだろう?




