表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
95/96

16日目 最終回「プリティーエンジェルズ!」


  現在の所持品

 冒険者カード 1枚

 パジャマ 1セット

 銀貨8枚 銅貨13枚

 ルクーセ特製サンドイッチ 1つ

 水の入った水筒 1つ

 癒しの神の杖 1本


 勇者君に連れられて、瞬間移動した先は王国の上空。


 町は綺麗なイルミネーションで彩られてはいるが、あまり賑わっているようには見えない。


 「すごい綺麗です!祭り当日だけあって、こんなに明るくするんですね!」

 「あぁ!そりゃあもう町中が輝くくらいにはなるぞ!!まぁ朝からこんなにつけることになるとは思わなかっただろうがな!」


 うん?祭り当日?朝?とりあえず今何時かは分からないけど、夜中のように暗いよ?


 「今は朝の夜明け後くらいですかね?」

 「そうだな、いつもなら町が日に照らされているころだ!」


 24時間とは言わないけど、かなり寝てたみたいだね・・・。いつもならって今何が起きてるの?


 「分からないです!日が出たと思ったら急に暗くなりました!」

 「あぁ、説明は今ちょうど演説をしてるから、あそこで聞こうじゃないか。」


 ゆっくり降りていくと、大きな広間みたいなところに、人がたくさん集まっていた。


 そして、その中心で、私が演説をしていた。


 「皆ー!!この私、最強プリチーヒーラーのエヴァちゃんが来たからにはもう安心!!突然攻めてきた魔王軍なんて、私がやっつけちゃうからね!☆」


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


 まだ夢を見ているようだ。


 「あ、いたいた。僕の作戦により、市民の混乱は多少収まったよ。せっかくだし、ご本人登場やっとく?」

 「私は止めたんですよ?エヴァさんが見たら絶対怒るって。」


 悪いウサギの仕業か・・・。


 「今から、北門の方に移動して、すぐにやっつけちゃうからね!☆安心して待っててー!!」


 どうでもいいけど、あの偽物の私にイラっとくる。誰なんだろう?


 「状況は分かった?じゃあ行こうか。」


 北の方角から魔王軍が攻めてきたってことで良い?まぁそんな一大事なら駆り出されるよね。


 まぁ後方から回復するくらいなら、何とかなるかなぁ。



―――――――――――――――――――――――


 北門外。綺麗な整列を汲んで、大量のモンスターが押し寄せてくるのが遠くに見える。


 「ふはははははは!愚かな人間どもめ!今日を持ってお前らの時代は終わりを告げるのだ!!」


 ・・・分かりやすく魔王がいるね。大群の上空、どんな大声を出したら、この距離でこんな鮮明に聞き取れるんだろう?


 「多少戦力を集めたようだが無意味だ!この日のために、アンデット族のみを集め、編成したこの特殊部隊に、通常の攻撃は無意味!何度でも蘇るのだ!!この魔王『アンデットキング』様の前に、貴様らに出来ることは時間稼ぎがせいぜいだ!」


 ・・・そして私が駆り出された理由もよく分かった。癒しの神の杖が初めて役に立ちそうだね。


 「うーっす。というわけで作戦の説明するぞー。」


 みんなの前に似せ私が出てきた。ていうかキャラ変しすぎじゃない?私の見た目と声でそんな喋り方しないでほしい。いや、さっきまでのは論外だけど。


 「そこの本物のエヴァが敵を消し切るまで守り続ける。あ、おいお前ら注目するな!こっち向けこっち!作戦が始まる前に失敗に終わるだろうが!!」


 どうやら私のことをよく理解している人のようだ。


 「まぁそんな細かい作戦もない。ただ近くのアンデットを壊しまくればいい。アンデットに対する攻撃だから、とくに準備が終わったところで引く必要もないしな。ガンガン壊しに行け!以上!」


 本当に作戦もくそもなかった。アンデット退治は初めてだから、倒しきれるかは分からないんだけどなぁ。


 「あ、待って王様。まだ仕事が残ってるから。」

 「あぁ?なんだよ。俺は城に帰るつもりなんだが?」

 「ほら、エヴァのフリして囮になるっていう大事な仕事が。」

 「王様の仕事じゃねぇぞおい!」


 用は皆が私を守るから、私がどんどん倒していけばいいんだね。


 「んだよ!せっかく来てもアンデットじゃあ倒せねぇじゃねぇか!」

 「作戦聞いてなかったんですか?アンデット相手じゃあしょうがないですよ。癒しの神の奇跡以外じゃあ絶対に倒せ」

 「こちら、クッティの無人販売所、出張店じゃ!奇跡なんてなくてもアンデットを倒せるアイテムも取り揃えておるぞー。」

 「・・・おい。」

 「・・・ごめんなさい。いや、そんなものがあるなんて、噂すら聞いたことないんですけど!?」


 前なら責任重大は勘弁と思って、逃げ出そうとしたところだけど、なんとなく行ける気がする。


 「久しぶりに伝説のパーティ復活と行くか?」

 「そうねぇ。でも私もガールって年じゃなくなったのよねぇ。『プリティーレディーズ』でどうかしら?」

 「ちょっと待てよ。俺は今、夜の妖精で通ってるんだ。『プリティーフェアリーズ』を押すぜ。」

 「せっかく嬢ちゃんがうちのワイフにふさわしい名をつけてくれたんだ。『プリティーエンジェルズ』でいいだろ?」

 「「それだ!!」」


 何か特別なことがあったわけじゃないけど、心が落ち着いている。


 「よくわかんないけど、あいつらボコボコにすればいいのね?」

 「もう、お姉ちゃんったら・・・。私の分も取っといてよ?」

 「リハビリ明けの初仕事がこんなことになってすまない。という言葉を用意していたが、心の中に秘めておくことにする。君は間違いなくタフティの妹だ。」


 大丈夫。もう大丈夫。


 「なにか問題があったらいつでも言ってくるんだぞ?僕が付いてるからな!」

 「いや、エヴァじゃ言わないでしょ、右手を挙げるってのはどう?」

 「そういう時は、普段しないような動作がいいんですよ?二回手を叩くとかどうです?」

 「何も言わなくても、感じ取って見せますよ。絶対に守りますからね!!」


 私の心はもう、暖かい。


 (―――――――――――――――――――――――――――――。)


 空にかかる分厚い雲に、大きな裂け目が出来る。


 そこから出た強い光が、こちらに押し寄せるアンデットの軍勢を包み込んだ。


 「グ、グアアアアア。バ、バカな、この力はああぁぁああ!!!」


 「行くぞ!」

 「「おう!!」」


 「「「私たち!プリティーエンジェルズ!!!」」」


 光がすべてを包み込むとき、アンデットの軍勢は消え失せ、快晴の青空が広がっていた。



 こうして、プリティーエンジェルズの美しさを前に、魔王軍は敗れ去ったのだ。







 「ふふふっ。」 



 読んでくださった方、本当にありがとうございました。


 文字を書く練習代わりに、クリスマスの日まで毎日投稿しようと始めたこの作品ですが、飽きっぽい私が最後まで書き続けてこられたのは、読んでくださった人達のおかげだと思っています!


 ブックマークが一人増えるごとにガッツポーズして喜んでいました。感想が付いた時には変な声を上げてしまいました。感想の返信は途中からしないことにしたので、返しを期待してた方がいらっしゃったら申し訳ありません!


 もうちょっとエヴァが心を開いていく描写をすれば良かったなぁとか、回収しない予定のもありましたが、回収する予定だったのにし忘れた伏線とか設定とか。突っ込みどころは山のようにあると思いますが、ここで終わりとさせていただきたいと思います!


 今まで本当にありがとうございました。また機会がありましたら、よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ