15日目 お休み。
現在の所持品
冒険者カード 1枚
パジャマ 1セット
銀貨8枚 銅貨13枚
ルクーセ特製サンドイッチ 2つ
水の入った水筒 1つ
癒しの神の杖 1本
勇者君もサリーさんも忙しいらしく、すぐに王国に消えていった。シーラも私の眼力と少しの祈りによって、半泣きで被害妄想を口走りながらいなくなってくれた。
そう、今この木陰には私とユンのだけ。となれば、やることは一つだ!
「ねぇ、エヴァ?寝転ぶのも悪くないけど、どこか行ったりしないの?」
「・・・うん。今日はずっとここにいる。」
せっかく静かな時間を手に入れたんだ。満喫せねば、自堕落の神様に怒られてしまう。最近はいろいろ動き回ったから、きっともう半ギレだよ。これは動くわけにはいかないよ。
「ほら、エヴァ?今日はいい天気だよ?」
「・・・うん。」
そうだね、絶好のお昼寝日和だね。
「これからの予定は無いの?」
「・・・お昼になったらサンドイッチを食べるよ。」
「それは予定とは言わないね?お昼ご飯の内容は聞いてないね?」
寝返りのタイミングとかが聞きたいの?
「ほら、もっとアクティブに動く予定は?」
「・・・井戸水を汲むかもね。」
「多少の運動にはなるかもしれないけどさぁ・・・。」
ウサギにあきれ顔をされた。
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ルクーセ特製サンドイッチをいただく。うん、何度食べても美味しいね。
「本当に昼まで寝転がって過ごすとは・・・。」
たまには座ったりもしたでしょ?
「そこまで行くと、一つの才能だね。勇者君なら10分で死んじゃいそうだ。」
あぁ、じっとしてるの苦手そうだもんね。ボーっとするのも才能か、しかしせっかくの才能でも、生かせる可能性が無いのが悲しいところだよね。
「一応聞くけど、午後の予定は?」
「・・・ご飯食べたら眠くなってきたから、寝る。」
「午前中と一緒だね?」
いやいや、午前中はあんまり眠くなかったし、ユンが私を連れ出そうと騒いでたから寝てないよ?寝転がるのと寝るのは、大きな違いがあると思うんだけどなぁ。
「僕はどっか遊びに行っちゃうよ?」
「・・・いってらっしゃい。」
どうやらユンも協力してくれるらしい。処置無し、と言わんばかりの顔でピョンピョコ駆けていった。
だいぶ寒くなってきたとはいえ、お昼はまだあったかい。木漏れ日が暖かく、吹く風が涼しい。過ごしやすく良い気候だと言えるだろう。新しく買った上着も肌ざわりが良く、布団代わりにすると良い感じだ。シンと静まり返った広間は、眠るには絶好の場所だろう。
数分としないうちに、私の意識は心地よいまどろみに飲まれていった。