15日目 再就職。
現在の所持品
冒険者カード 1枚
パジャマ 1セット
銀貨6枚 銅貨2枚
水の入った水筒 1つ
癒しの神の杖 1本
そういえば、聖なる光を出す役をクレハと変わって、私がここに来たはずなんだけど。今教会は大丈夫なんだろうか?
「教会は大丈夫かって考えてます。」
「知らないわよ、あんな馬鹿のことなんて!今頃ヴァーンに怒られてるんじゃないの?」
フンッと鼻を鳴らしてそっぽを向く。どうやら仲たがいをしてきたらしい。これは由々しき事態だ。そうに違いない。
「「聖なる光を出す者がいなくなって、タフティが困っているはずだ。」って考えてます。」
「まぁそうだろうね。」
「「タフティにはお世話になったし、助けに行くべきではないか。」と考えてます。」
「エヴァにそんな殊勝な心がけがあるとは思えないけど?」
「「そんなことはない、私は恩義を忘れたりはしない。」って考えてます。」
「恨みつらみは忘れなさそうだけどねぇ・・・。」
私に信頼がない・・・。まぁ信頼なんて築いた覚えもないから当たり前だけど。
「まぁ、行ってやったら喜ぶんじゃないの?知らないけど!」
そう言ってクレハは人混みに紛れていった。
「まぁ二人の仲を取り持つくらいはしてあげたいよね。タフティが首になったら遺恨が残るだろうし。勇者君でも呼んで、チャチャっと向かおうか。」
そうしよう、そうしよう。
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「だぁかぁらぁ!今回だけちょっと違うだけじゃない!気にする人なんていないわよ!!」
「この釣り竿にぶら下げた蝋燭を、どう見たら聖なる光だと思えるんだ。」
「心の目で見なさいよ!信仰心が足りてないのよ!」
「君にだけは言われたくない。」
教会では、タフティとヴァーンが言い争っていた。いや、言い争っていたというより、タフティが一方的に無茶苦茶言っていた。
「やぁ、二人とも落ち着き給え。」
落ち着くまで待っていようかと思ったら、勇者君が堂々と入っていった。さすが勇者君、一味違うね。
「わ!あんたどっから沸いて出たのよ!?」
「さっきまで誰もいなかったはずだが・・・。」
まぁ突然現れたらビックリするよね。しかしタフティは、ビックリするのもそこそこに私たちを見渡すと、瞬時に私のところまで駆けてきた。
「ハロー?エヴァちゃん、銀貨3枚でどう?」
状況を飲み込むのが速いのか、とりあえず何とかなりそうなら、どんな状況でも気にしないのか、どちらかは分からないが、仕事が早いね。まぁそのつもりだったし、オッケーサインを出す。ていうか報酬が前の3倍になってる・・・。
「ほーら見なさい!これで文句ないでしょう!?」
目まぐるしい状況の変化に、ヴァーンさんが頭を抱えていた。・・・お疲れ様です。
「特に文句もないみたいだし!朝のお祈りから始めるわよ!」
おー。