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14日目 好意も受け取れない愚か者。


  現在の所持品

 冒険者カード 1枚

 パジャマ 1セット

 銀貨6枚 銅貨19枚

 水の入った水筒 1つ

 癒しの神の杖 1本


 勇者君は気に入った依頼が見つかったのか、旅立ち。サリーさんは不審者扱いされているシーラの付き添いをすることになった。


 「久しぶりに二人な気がするね。」


 一人と一羽が正解じゃない?まぁどうでもいいか。


 「・・・そうだね。」

 「これからどうするの?帰る?」

 「・・・買い物してからね。」


 お米もないし、若干減っているキャベツとレタスだけじゃあさすがに寂しいだろう。


 「そっか、その店ってウサギ大丈夫な店?」


 どうだろう・・・?普通に考えて飲食物扱ってるんだから、ダメだと思うんだけど・・・。でもこの世界はそういうことには厳しくなさそうなんだよね。


 「・・・許可は自分で取ってね。」

 「じゃあ、許可が取れたら付き合おうかな。」


 前と同じお店に入る。お店のおばちゃんは、ウサギの入店を二言返事でオッケーしてくれた。


 「何買うの?」


 うーんと、お米は欲しいよね。あと安くて栄養価の高い、卵がいいかな。卵があればいろんな料理が作れるしね。


 「・・・お米と卵。ほしい野菜とかある?」

 「僕は大丈夫だよ。」


 じゃあ目当ての物だけ買ってさっさと帰ろう。気に入ったお店だとしても、外にいるのは精神衛生上よろしくない。


 卵とお米だけ持ってレジに行く。


 「はいよ、2点で銅貨17枚ね。」


 銅貨17枚も取り出すのが地味にめんどくさい。まぁ頑張って出すけど。えーっと。一枚にーまい。


 「お嬢ちゃん前も来てたよね。前回が初めてだったと思うけど、ここらに越してきたのかい?」


 越してきたって言えるのかなぁ。


 「分かんないことがあったら、おばちゃんになんでも聞けばいいからね?」


 うん、サリーさんの言う通り優しいおばちゃんだ。でもそういう優しさは求めてないんだけどなぁ。無視するのも悪いし。頷くだけでいいかなぁ?


 「あ、そうだ。新鮮なリンゴがあるから、一つサービスしてあげる。」


 そう言っておばちゃんは、お米の上にリンゴを一つ置いた・・・。


 「まいどありー。」


 卵とリンゴをショルダーバッグに入れて、お米を抱えてお店を離れる。


 「良かったねぇ、エヴァ。」


 リンゴはちょっと嬉しいけどね・・・。


 「・・・うん、もうあの店には二度と行けない。」

 「うん・・・。えっ?なんで!?」

 「・・・次行ったときに、また何かもらえると思って来たのか、と思われるのが嫌だから。」

 「君は本当に面倒くさい性格してるね・・・。せっかくの好意が逆効果じゃないか。」


 私が卑屈に考えすぎなのは分かってるけど、考えちゃうものは仕方ない。人の心なんて読めないんだから、人のよさそうな人相手でも、心の中ではあざ笑っているのではないかと勘繰ってしまう。


 次から買い物どうしようかなぁ・・・。



―――――――――――――――――――――――


 「やぁ、お帰りエヴァ君!」


 家に帰ると、玄関前に勇者君が待っていた。なんで毎回外で待ってるんだろう・・・?


 「これを見てくれ!!」


 そう言って取り出したのは、おそらく鳥の類。特徴としては、体がやたら長く、足が12本もある。


 「今日はこれを調理してくれないか?」


 足が12本もあったら鳥って言うより虫に近くない?いつもならそんなことを考えるところだが、この生物に私は見覚えがある。


 「見ろユン!エヴァ君が初めて嬉しそうな顔をしているぞ!」

 「え?嘘!?あ、本当だ!!さっきまで訳の分からない理由で不機嫌だったのに!」


 タフティの奢ってくれた、高級中華料理っぽい店の北京ダックっぽいやつだ!!


 晩御飯の予定が決まった。


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