13日目 肉なら食える。
現在の所持品
冒険者カード 1枚
パジャマ 1セット
銀貨15枚 銅貨2枚
水の入った水筒 1つ
癒しの神の杖 1本
装着型魔力測定装置・改 1つ
名も知らぬ女性と別れた後、ギルドに薬草の納品に向かう。
「わぁ、たくさん取ってきましたね。」
ギルドの受付のお姉さんが驚くほどの量だったが、評価額はそこまで高値でもなかった。モンスターの討伐任務と比べちゃダメなのかな?
「案外安いんだね。」
「まぁ薬草は需要が無いわけじゃないですが、供給が少ないわけでもないですからね。単価は安いですし。」
ギルドで売ってるわけでもないから、ここからさらにギルドが儲かる値段でお店に売って、お店が儲かる値段で冒険者に売るわけだ。そりゃあ買い取り価格なんて安い物よね。
「それじゃあ、約束通り護衛料として、2割だけもらうぞ!」
そういえば、そんな約束だったね。ちょうど4人と1羽だし、2割ずつ分けようか?
「シーラはエーヴァちゃんに付いて行っただけですから、要りませんよ?」
「僕もウサギだからいらないよ。」
「私も、お願いしてついて行っただけですから。」
えー?皆、採取手伝ってくれたんだから、受け取ればいいのに。しかし、シーラが通訳しない限り、私がどうこう言うことは出来ない。シーラ―。
「エーヴァちゃんは女神のように優しいですね!分かりました、そこまで言うならその報酬でエーヴァちゃんとペアルックを・・・。」
私は報酬の8割に当たる、銀貨8枚を受け取ることになった。
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冒険者ギルドで解散し、家に帰るとお昼時だ。いろいろあって疲れたし、気分的には夜なんだけど、まぁ朝ごはん取りに出かけたんだから昼なのはしょうがないか。
お昼ご飯は、取ってきた野草をサクッと天ぷらにでもしよう。卵はないけどマヨネーズあるし、小麦粉と水とマヨネーズを適当に混ぜて衣を作り、揚げていく。
どうせ食べるのは私だけなので、揚げたそばから塩やめんつゆでいただく。うん、おいしいね。
久しぶりに一人になった気がするなぁ。ユンはちょっと用事があるって出かけて行ったけど、ウサギの用事ってなんだろうね?まぁいいや、せっかくの一人だし楽しもう。図書室は自由にしていいって言われてるから、めぼしい本でも物色しに・・・。
「やぁ!こんにちはエヴァ君!」
勇者君が現れた。いや、ここ勇者君家だし、おかしくはないんだけどね?問題なのはその手に持っているもの。手に持っているというより、抱きかかえていると言うべきか。その人並みの大きさ、死神って感じの見た目にはどこか見覚えがある。
「これかい?ほら、この前一緒に、魔王軍なんちゃらかんちゃらを倒しに行ったことがあっただろう?」
名前があいまいだが、なんとなく覚えてる。癒しの神の杖持ってたあの、死神!って感じの見た目のモンスターでしょ?呪いとか使ってきたけど、勇者君には効かなかったやつね。
「実はそいつには、弟子みたいな存在がいてね。師匠の後釜に収まっていたから、倒しに行ってきたんだ。」
・・・人がお昼ご飯食べてる間にすごいことしてるね。薬草採取から帰ってから、そんなに時間経ってないよ?まぁ師匠の方も特に苦労なくスムーズに倒してたし、無理じゃないのか。それで、なんで死体を持ってきちゃったの?
「それでだ!ちょっと見てほしいんだが。」
そう言って弟子をキッチンのテーブルに置く。そんなところにそんなもの置かないでほしいんだけど。まぁ後で拭けばいっか。
「ほら、ここ。しゃれこうべに黒いマントが付いているだけのモンスターかと思ったが、ちゃんとしゃれこうべの下に、体が付いてるんだ!」
そう言って勇者君は、何もない空間に手を当てている。どれどれ?あ、本当だ、何か触る感覚があるね。
「つまり透明な肉体があるわけだ!」
うん、そうだね。見る限り本当に何もないかのように見えるほどの透明度だが、血とかも流れてるんだろうか?
「触った感じも肉っぽい!」
まぁ、そうだね。
「というわけで、これを調理してほしい!」
馬鹿じゃないの?え?馬鹿じゃないの?これ食べる気なの?
見えもしない肉を料理する羽目になってしまった・・・。




