13日目 朝ごはんが一番大事。
現在の所持品
冒険者カード 1枚
パジャマ 1セット
銀貨15枚 銅貨2枚
水の入った水筒 1つ
癒しの神の杖 1本
装着型魔力測定装置・改 1つ
というわけで、やってきました薬草採取。まぁ私は朝ごはん探しに来たんだけどね。
でもさすがに帰って調理するとなると、朝ごはんには間に合いそうにないから、朝は諦めよう。お昼は野草三昧頑張りたいです。
「ここに薬草がはえてるんですか?」
「あぁ、この辺りは取れる物のわりに、モンスターが手ごわくて不人気スポットなんだ。」
「そうですね、ギルドでも駆け出しの初心者には、危ないからここには行くなと忠告する決まりがあるくらいです。」
「僕が周囲を見張っておくから、安心して採取していてくれ!」
なるほど、今回は護衛がとてつもなく優秀だからいいのか。さて、食べられそうなの探そうかな。
「はい!薬草ってどんなやつですか!?」
「見たことないんですか?茎が青いので、すぐにわかると思いますよ。」
「僕も見たことないなぁ。あ、もしかしてこれ?」
「あ、そうですそうです。それを摘み取って集めればいいんですよ。」
サリーさんが引率の先生みたいになってる。物腰は優しいし、悪い人ではなさそうだよね。
それはさておき、私は野草を探さないと。勇者君はかなり遠くの魔物までサーチアンドデストロイを決行しているので、好き放題してていいだろう。草木生い茂る中に入っていく。
・ ・ ・ 。思ったより野草って見つからないんだね。関係ない草木ばっかりだ。しばらく探して、ようやく見つける。これは確か、見た目的にも図鑑の説明的にも、ヨモギみたいな草だったな。早速採取する。お腹減ってきたし、生でいいから食べてみようか。近くの川で適当に洗って、口にしてみる。
「はい!サリーちゃん!こんなに取れましたよ!!」
「僕もいくつか取ってみたけど、やっぱりウサギには難しいね。」
「取れるだけすごいと思いますよ!?二人とも頑張りましたね。・・・ところでエヴァさんは?」
「エヴァならあそこで草食べてるよ?」
「ちょっとエヴァさん!?ペッしなさい!ペッ!」
先生に見つかってしまった・・・。そんなにおいしい物でもないけど、食べれなくはないよ?
「ちょっと見せてください!・・・良かった、大丈夫な方ですね。」
この食用の植物にそっくりな毒のある植物もあるから、そこが怖かったのであろう。ヨモギとトリカブト似てる、みたいなものかな。
「一応昨日、植物図鑑で調べてたから、分かって食べてるとは思うよ?」
「それにしても、わざわざ野草を生で食べなくても・・・。」
「そうですよ!シーラが味見係だったはずです!」
「そういう問題ではなくてですね?」
最悪体の異常が出たら、解毒すればいいかなぁって。毒の方食べても、すぐ喋れなくなるようなこともないしね。
「家に帰ってから、調理して食べてはダメなんですか?」
「朝ごはんとして食べてるそうです!」
「え。食べずに来ちゃったんですか?ダメですよ、冒険に出る前にはちゃんとご飯食べないと。」
・・・ごめんなさい先生。
「うーん。食べ物は持ってないですねぇ。」
「僕も手ぶらだよ。」
「シーラはご飯持ってますよ!!」
「なんでそんなもの持ってきてるんですか!?」
シーラが、どこから取り出したのか茶碗によそわれた冷えた白米を渡してくる。
私の手には野草とご飯・・・こうか!
冷えたご飯に、水浸しのヨモギっぽい野草がドッキング。
・・・・・・・・・。
「まずそう、って考えてます!」
「それは、言わなくても何となくわかるよ・・・。」
「何も乗っけなくても・・・。」
悲壮感漂う朝ごはんが出来た。