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13日目 人が多い空間は、毒の沼のようなもの。


  現在の所持品

 冒険者カード 1枚

 パジャマ 1セット

 銀貨15枚 銅貨2枚

 水の入った水筒 1つ

 癒しの神の杖 1本

 装着型魔力測定装置・改 1つ


 うん、朝ごはんがない。


 昨日のお昼で買い置きしておいたサンドイッチは食べきってしまったのだ。


 「・・・ここまで、か。」

 「いや、買いに行きなよ。」


 もうゲームオーバーで良くない?道を横切るだけでも、HPがゴリゴリ削られるのに、露店で買い物なんて出来る気がしない。


 「・・・無人販売所ない?」

 「ないんじゃないかなぁ?あの店、かなり特殊だったみたいだし。」


 ないかぁ。しかし、素直に買い物に出かける私ではない。最終手段があるのだ。身支度だけ整えて、外に向かう。


 「お?行く気になったの?」

 「・・・国の外に出る。」

 「雑草は食べちゃダメだよ?」

 「・・・食べられる植物は予習しておいた。」


 そう、薬草ついでに、植物図鑑で食べられるものを探しておいたのだ。あとはこの家に小麦粉とかはあるから、なんらかの料理は作れるだろう。それに薬草は日持ちするらしいから、見つけたら取るだけ取って、後でギルドに持っていくのも悪くはないだろう。


 「また変な方向に努力家なんだから・・・。」


 ユンがため息交じりであきれ顔を向けてくるが、そんなことは気にしてられない。夢の0円生活に向けて、私は全力を尽くすのだ。


 玄関の扉を開けると、そこには勇者君が立っていた。


 「おはよう!エヴァ君!今日は一緒に冒険に行かないか?」


 まぁくるよね。ていうか勇者君は朝私に誘う時と、晩御飯の時しかこの家にいない気がする。そんなに忙しいのに、私を連れ歩く時間はあるのだろうか?まぁ当然のように首を横に振る。


 「そうか!ところでどこかにお出かけかい?」

 「外に食べられる草を探しに行くんだって。」

 「護衛は誰に頼んだんだい?」


 ・・・護衛?


 「そんなのいるの?」

 「ユンなら逃げ足は速いし、そう遠くまで行かないだろうからいいが、有用な植物が生えているところまで行くとなると、モンスターが出るかもしれないぞ?」


 あーはいはいモンスターね。モンスターかぁ・・・。すっかり懸念してたね。さすが勇者君はそういうことに詳しいのかな?


 「でも薬草採取は初心者におすすめって聞いたけど?」

 「まぁ薬草の生えている区域くらいなら、そう強いモンスターは出ないからな。初心者におすすめはその通りだろう。モンスターのいないところで済むなら、そもそもギルドに依頼がこないさ。」


 なるほど、勉強になるね。


 「そうだ!先にギルドに薬草採取の依頼を受けて、僕に護衛を頼むというのはどうだろう?契約は報酬の2割でどうだ?」


 いや、勇者君そんなはした金いらないでしょ・・・。ていうか断ったばかりなのに、勇者君と出かける流れになってるね。・・・ユン?


 「いや、今回は僕は関係ないよ。王様にいろいろ聞いてるみたいだから、そのせいじゃないかなぁ?」

 「あぁ!「誘い過ぎると嫌われるぞ。」とか「相手のやりたいことに合わせたらどうだ?」等の助言を貰ったので、実行している!」


 そういえば、昨日も朝の一回しか誘いに来なかったなぁ。トナリノ町にいるころは、朝昼晩3回も誘いに来てたのに。ていうか王様そんな人生相談みたいなこともしてるの?あの行列って、王様に相談に来た人たちだったの?


 「どうだ!僕を雇わないか?」


 本人が望んでるとはいえ、薬草採取なんかに、付き合わせていいんだろうか・・・。勇者君は予定大丈夫なのかな?毎日忙しそうにしてたけど。


 そんなことを考えていたら、上からシーラが降ってきた。


 「エーヴァちゃんの意思を伝えることに定評のある、シーラ参上です!女神のように慈悲深いエーヴァちゃんは、勇者さんの予定を気にしています!」


 なんかもう、シーラが降ってくるのは気にならなくなってきたよね。雨降ってきたくらいの感覚だ。


 「今日やらなきゃいけないことはないから安心してくれ!このチームで初めての冒険に行こうじゃないか!!」


 全員集合で勇者君のテンションが凄い上がってる。


 これだけのメンツが集まって、やることは薬草採取なんだけどね・・・。


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