12日目 バニーヌードウサギ。
現在の所持品
冒険者カード 1枚
パジャマ 1セット
銀貨15枚 銅貨2枚
水の入った水筒 1つ
癒しの神の杖 1本
装着型魔力測定装置・改 1つ
ロボットサンドイッチ上 1つ
とりあえず鰐食べるのは晩御飯ってことでいいのかな?入るように切り分けて冷蔵庫に入れとこうか。
「それじゃあシーラは、今から生で食べて、夜まで経過報告をすればいいんですね・・・。」
シーラが思いつめた顔で生肉を持っている。待って待って、冗談だから。生で食べた内容報告されてもしょうがないから。焼いた後に味見してくれればいいよ。
「本当ですか?お腹壊さなくていいんですね?」
・・・これからシーラに何か頼むときは、どんなことでもやりかねないことを頭に入れておくべきだね。まぁ食べても回復は出来るけど・・・。
「エーヴァちゃんに回復してもらえる・・・。」
ごくりっ
そう、のどが鳴る音がして、シーラはゆっくりと生肉を口に・・・。
ストーーープッ!!
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「ここが図書室だよ。」
ユンが器用に扉を開けて、中に入っていく。個人宅に図書室なんてあるだけでもすごいと思うが、中はかなりの広さだ。私の通っていた高校の図書室くらいはあるんじゃないかなぁ?勇者君って実は本好き?
「すごい広いですねぇ。勇者さんはよっぽど本がお好きなんですね!」
「え?いや、勇者君が本読んでる姿なんて、見たことないけどね。」
え?読まないのに自宅に図書室作っちゃったの?コレクターとか?
「この部屋の本って、勇者さんの本じゃないんですか?」
「え?あっ・・・そうだ、前も言ったけど、この家自体貰いものなんだ。図書室も元から会ったものなんだよ。」
なるほど、それじゃあ勇者君に受け継いで以来、一度も入らず放置されてたのかな。
「ほら、薬草について調べたいんでしょ!」
「シーラもお手伝いしますよ!」
そうだね、目的を果たそうか。とりあえず近くの本棚から探してみる。分類分けとかされてるかなぁ?あ、ダメだこれ。宗教の本の隣に、サルでもわかる農業の基礎の本が置いてある。入れ方はバラバラみたいだ、幸先は悪いかなぁ。
「見てください!エーヴァちゃん!」
お?見つけたの?シーラが持ってきたのは、モンスターの図鑑だった。いや、薬草について知りたいんだけど・・・?
「ほら、ここ!植物っぽいのがいます!」
え?植物についても載ってるのかな?シーラが開いていたページには、禍々しい巨大な花が載っていた。
『人食い花』「花に擬態し、近づいてきた生き物を一瞬でとらえる。花の中心には、無数の牙が生えており、その牙には体をしびれさせる毒が付いている。なんでも消化する酸で、相手を溶かし栄養とする。」
うん。薬草ではなさそうだね?がっつりモンスターだね?私には討伐できないし、仮にそれを倒したとして、すりつぶして傷口に塗り込みたいとは思わないよね?
「ダメですか!すぐに違うの探してきます!」
なんとなく予測はついてたけど、シーラはあまり当てになりそうにないな・・・。なんとか自分で探さないと・・・。
「エーヴァちゃん!これを見て下さい!」
いや早い、早いよ。戻してすぐ隣の持ってきたでしょ。また関係ない物持ってくるんだろうなぁ・・・。いない方が捗るんじゃなかろうか?すぐに突き返して自分で。
「ほら。ウサギの写真集見つけましたよ!」
いや、見るけどね?それは拝見いたしますけどね?ちょっとあっちの机で読もうか。
「はい!」
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うーん、とても有意義な時間だった。
「君たちは、僕が一生懸命探している間、何してるのさ。」
すぐ後ろでユンがあきれ顔をしていた。いや、ウサギの写真集を・・・あ、待って!ユンにはまだ早い!慌てて写真集を隠す。シーラ!何か言い訳して!
「待ってくださいユンユン!ユンユンには刺激が強すぎます!」
「・・・本当に何見てたのさ・・・。」
「一糸まとわぬ若い子がいっぱいです!」
急にいかがわしい表現になったな・・・。いや、毛はいっぱいまとってるよ?モッフモフだよ?しかし、年がら年中、発情期のウサギに見せるわけにはいかぬ。
「はぁ、僕がそんなもので興奮するとでも?」
「興味ないんですか?」
ずいぶんと落ち着いている。ユンは人の言葉を話すし、案外冷静なのかもしれない。
「僕は着エロ派だよ。」
・・・すごくいらない情報を手に入れてしまった。裸見放題だと、着ている方がエロく見えたりするのかな・・・?あれ?もしかして今日うさ耳つけたのって・・・・・・・・・・・。
「まぁ、冗談は置いといて。ちゃんと植物図鑑を見つけてきた僕に、労いの言葉とかかけてくれてもいいんだよ?・・・いや、なにその顔?なんでそんな恐ろしい物を見るような目で見るの?」
・・・・・・・あんまり考えないようにしよう・・・。