12日目 にわにわに。
現在の所持品
冒険者カード 1枚
パジャマ 1セット
銀貨15枚 銅貨2枚
水の入った水筒 1つ
癒しの神の杖 1本
装着型魔力測定装置・改 1つ
ロボットサンドイッチ上 1つ
家に戻ると、庭に鰐が横たわっていた。昨日の魚ほどじゃないけど、かなりの大きさの鰐だ。ていうか嫌な予感がするんだけど。
「やぁ、帰ったかエヴァ君!今日はこの鰐を調理してくれ!」
・・・やっぱり?
「エヴァは鰐の調理したことあるの?」
ないよ。首を振る。
「ないって考えてますよ?」
「そっか。じゃあ新しい食材にわくわくだね?」
いや、なんでユンはそんなに嬉しそうなの?案外、変わった食材を食べるのが趣味だったりするんだろうか?勇者君のそばにいれば材料は事欠かないだろうしね。
「エーヴァちゃんが料理するんですかぁ。エーヴァちゃんは料理の天才ですからね!」
昨日のサメのざっくり焼きを見てたのだろうか?いや、見てたなら天才だとは思わないと思うんだけど・・・。
「エーヴァちゃんの作った料理を食べれば、舌はとろけ、頬は落ち、目じりは下がり、鼻は伸びるんです!」
なんだ、ただのストーカーの妄想か。ていうか私の料理のせいで、顔面すごいことになってるな。特に鼻が伸びるは、料理関係なくない?まぁそこまで言うなら、材料は山のようにあるから食わせてやろう。
「いえ!シーラはエーヴァちゃんの前では、食事をしないと誓ったのです!」
なんで!?何かの宗教なの?いいから食べなよ。
「ダメです!」
案外頑なだな・・・。シーラが毒見、もとい味見してくれると助かるんだけどなぁ。主にこの世界の食材の、毒の有無なんて分からないから、味見してほしいなぁ。鰐肉に毒があったら私が死んじゃうなー。
「それもダメです!・・・分かりました!じゃあ座ってお行儀よくいただきます!」
それは好きにして?とりあえず、食わせて問題が起きても、問題ない人員を確保した。たしか鰐って生じゃ食べちゃいけなかった気がするんだよねぇ。シーラに食べさせて様子見しよう。
「ダメだと分かってるなら、食べさせなくてもいいと思います!!」
さて、とりあえずみんなが食べる分をざっくり目算して、勇者君に切ってもらう。ここからここまで、と指をさす。
「こんなものでいいかい?」
うん、ちょうどいい感じ。切り取ってもらった鰐肉をキッチンに運ぶ。
「どう?何か料理のアイデアは浮かんだ?」
え?そうだなぁ・・・。とりあえず焼けば食えるんじゃない?塩とかでおいしいと思うよ?
「塩かけて焼くって考えてます!」
「・・・もうちょっと工夫したりしないの?」
なにかリクエストがあれば聞くけど?
「リクエストありますか?」
「うーん珠玉の一皿?」
それ、なんでもいいと一緒だよね?焼けば食えるものは、焼けばいいと思うんだけど・・・。シェフは素材の味が一番楽しめる、塩味が最も適した皿だと考えます。
「焼けば食えるものは素材の味を楽しめ。って考えてます。」
「うーん、そっか。もっと食べれるようにするために手間が必要じゃないと、やる気が出ないのかなぁ?」
ユンは一体何の話をしているんだろう?
手軽なのが一番だと思うよ?