12日目 放送禁止用語。
現在の所持品
冒険者カード 1枚
パジャマ 1セット
銀貨15枚 銅貨2枚
水の入った水筒 1つ
癒しの神の杖 1本
装着型魔力測定装置・改 1つ
ロボットサンドイッチ上 1つ
冒険者ギルドの前の道まで来た、ここまで来て少し疑問がわく
「・・・ギルドって入っていいんだよね?」
今更だけど、そもそも入る資格とか必要だったらどうしよう?冒険者の証のカードは持ってるけど、役に立つかなぁ?
「ブラックリストにでも乗ってない限り、別に誰でも入っていいから、安心しなよ。」
「・・・私、ブラックリストに乗ってたりしないよね?どうやったら確認できるの?」
「あぁ、もう!何も悪いことしてないでしょ?大丈夫だって!」
そんなこと言ったって、もし入ろうとして止められたら、もう私立ち直れないよ?
「ほら、考えててもしょうがないでしょ!行くよ!」
まぁ確かに、考えていても仕方ないか。ギルド前の道を抜けてギルドの扉を開ける。ギルドの中はそれはもう賑わっていた。それはそれはもうもう。
「どんな依頼があるか見に来たんじゃないの?そこに座っててもしょうがなくない?」
入って早々、一番混んでいるクエストの一覧が張られた壁からは距離を置いた。今はどこの待ちにも使いにくい距離にある、隅っこの方の謎の椅子に座っている。いやね?あそこに交じって、依頼を物色しろって?無茶おっしゃる。
「うーん、こんなに人が多いと、エヴァとコミュニケーションが取れないなぁ。」
うん、この状態で声を出すのは私には難しいね。さっきから綺麗な姿勢で座ったまま、微動だにしないように頑張っている。いや、誰も見てないとは思うんだけどね?座り方が悪い!って怒られたりはしないのは分かってるつもりなんだけどね?
「こういうときにシーラがいると便利なんだけどねぇ?呼んだら来たりしない?」
えー?私は別にテレパシーとか使えないよ?あと来たら来たでちょっとやだ。できれば来ないでほしい。
「ほら、このままだといつまでも座ってないといけなくなるよ?」
うーん・・・。まぁちょっと呼ぶだけならやってみるかぁ。
・・・おーいシーラー。
「エーヴァちゃんが私を呼んだ気がします!!」
すぐに上から降ってきた。うん、やっぱり来たら来たで嫌だね。ぶっちゃけキモイ。
「せっかく来たのにひどくないですか!?そんな言葉女の子が使っちゃダメなんですよ!?」
またネガティブな言葉を誇張して読み取ってるようだ。シーラの中の私はどれだけの暴言を吐いたのだろう。そんな風に言われると少し気になる・・・。
「やぁ、シーラ。来てくれて助かったよ。ちょっと通訳お願いできる?」
「ユンユンの頼みなら仕方ないですね。○○○な私なりに頑張ります!」
うん、女の子がそんな言葉、口にしちゃだめだよ?
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「「あんな人の多いところに私が混じれと?」みたいなこと考えてますね。」
「いや、まぁそれは何となく分かるけど・・・。どうするつもり?」
どうしようかね?
「ちなみにシーラは冒険者だったんでしょ?そういうことには詳しくないの?」
今合流したばかりでも、「そういうこと」で通じてしまう。これがストーカークオリティ。
「そうですねぇ。私は報酬の高い順で討伐依頼をいくつかこなしただけですから、あんまり詳しくないんですよねぇ。」
報酬の高い順ってことは、強いやつってことだよね。雑にすごいな。うらやましい。
「それじゃあ、シーラが討伐以外の依頼書適当に取ってきますよ!それをエーヴァちゃんに見せればいいわけです!」
「いや、あそこから取ったら受注したことになっちゃうでしょ?」
「エーヴァちゃんがやらないやつは、私がやっとくので大丈夫ですよ!」
いや、さすがにそれは・・・。
「シーラがこなせなかったら、迷惑がかかっちゃうでしょ?もっと現実的な方法にしなよ。」
「そうですねぇ。じゃあ受付のお姉さんに、初心者向けのクエストはないか聞いてきます!」
お?それはいい案じゃないの?お願いしていい、シーラ?
「うおおおお!エーヴァちゃんがシーラを頼ってくれてます!!期待に沿って見せます!!」
そう言って受付の方に走っていった。あの勢いで迫られる受付のお姉さんが可哀そうだな・・・。少し話すと走って戻ってきた。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・。薬草採取なんかがおすすめだそうです。」
「そんなに走らなくてもいいだろうに・・・。お疲れ様。」
なるほど、薬草採取か。たしかにそれなら、モンスターと戦わなくても済みそうだ。
「ちなみにエヴァは薬草の区別はつくの?」
・・・無理だね。どの辺に生えてるとかも知りたいところだよね・・・。そういうのってどうやって知っていくものなんだろう?詰んだ?
「分からないそうですよ?」
「一応勇者君の家に図書室みたいな部屋があるから、そこで調べると良いよ。」
本当に?少し希望が見えてきた。
家に帰って薬草について調べよう。