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11日目 傍観者でいたい、今日この頃。


  現在の所持品

 How to healer 1冊

 冒険者カード 1枚

 パジャマ 1セット

 銀貨15枚 銅貨2枚

 空の水筒 1つ

 癒しの神の杖 1本

 装着型魔力測定装置・改 1つ

 ロボットサンドイッチ上 2つ


 お風呂を借りて、廊下でユンを拾って部屋に戻る。あとは寝るだけだなぁ。


 「あのねぇ、僕は一応意思のある生物なんだけど、ぬいぐるみ代わりにしてない?」

 「・・・嫌なの?」

 「嫌とは言ってないよ。」


 じゃあいいじゃないか。片手でHow to healerを読みながら、片手をユンで埋めるのが日課になっているのだ。それは生活環境が変わっても変わらない。・・・そういえば。


 「・・・そういえば王様に会う話ってどうなったの?」

 「いや、それ忘れてていいことじゃないからね?もう会う必要はないってさ。」


 え?ほんと?一番の問題が解決されたね。あとはこの家でまったりと・・・。


 「・・・そういえば、なんで私勇者君家にいるの?」

 「料理して風呂入って今更!?前からおかしかったけど、今日は一段とおかしいね?」


 失礼な。でもなんかボーっとするというかなんというか。大事なことを思い出したような・・・。


 「・・・倒れてから夢見てるような気分なんだよね。」

 「大丈夫?何か病気とか?」


 うーん、病気かぁ・・・。


 「・・・女神の口づけで治らない病気ってある?」

 「・・・そういえば自分に使ったんだっけ、病気ではなさそうだね。今のところ誰にも迷惑はかけてないからいいけど、この世界は実在するんだからね?しっかりしなよ?」


 そうだよね。周りに迷惑かけないようにしないとダメだよね。知ってる相手とはいえ、異性の若者の家に居候させてもらうなんて私らしくなかったね。あぁ、考えてみるとすごいことしてる気がする。


 「・・・明日からは宿を探そう。」

 「待って。いや、勇者君は夢幻みたいなものだから。ざっくりでいいから。」


 舌の根も乾かぬうちに自分の意見を覆しおったな。ていうか王様に会わなくていいなら、こんな馬鹿みたいに人が多い国からは出ていけばよくない?愛しのハジマリノ村に帰ろうか。


 「・・・明日の朝一でハジマリノ村に帰るね。」

 「待って。・・・そうだ、ハジマリノ村で何してお金稼ぐ気?」


 うーん。そこを突かれると弱いなぁ。人が生きていくのは大変だねぇ。


 「・・・でも、特に何もしないのに居座るのも悪いし。」

 「この家は勇者君がもらったもので、8割型空き家状態だから大丈夫だよ。勇者君も仲間ができたって喜んでたし。ね?」

 

 押しが強いなこのウサギ・・・。


 「・・・でも私なんて仲間にしても嬉しくないでしょ?」

 「勇者君に釣り合う人はそういないんだ。今まで一緒になった人も、勇者君を相手に委縮してしまう人か、利用しようとする人しかいなかったんだよ。」


 この場合私も、利用しようとする人と呼べるのでは・・・?


 「そう、それは、2年前の熱い夏のことだった。」

 「・・・その話長い?」


 興味もない勇者君物語が始まりそうだ。


 「これから勇者君の悲しい物語を、3時間みっちり視聴者参加型でお送りするか、大人しくこの家に住むか、どっちがいい?」

 「・・・今日はもう疲れたし、もう寝ようか。」


 視聴者参加型は勘弁してください。


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