11日目 ざっくりクッキング。
現在の所持品
How to healer 1冊
冒険者カード 1枚
パジャマ 1セット
銀貨15枚 銅貨2枚
空の水筒 1つ
癒しの神の杖 1本
装着型魔力測定装置・改 1つ
ロボットサンドイッチ上 2つ
夕方、私の目の前には、巨大な魚が横たわっていた。
場所はやたら大きい勇者君の家の、やたら広い庭。魚のサイズは私くらいなら4,5人丸のみしそうなサイズだ。
「これを調理してくれ!」
勇者君がそう言った。いや、待ってよ。三枚おろしくらいなら出来るけど、あくまで手元で出来る範囲のサイズならの話だよ?こんなの捌きたかったら、なんか免許とかいるんじゃないの?
「本来なら食用じゃないんだが、今日狩ってきて、ばらす前に持って帰ってきたんだ!」
勇者君が良い笑顔で親指を立てながらそう言った。なんで食用じゃないの持って帰ってきちゃったの?そりゃこんなでかいの食べようとは思わないよ。なんか角生えてるし、こっちを食べる気満々の顔してるよ?
「とりあえず、食べる分だけ取ってくれ!後はギルドで素材にしてもらう予定だ!」
いや、最初から全部素材にしてもらいなよ・・・。しかし、この家の主である勇者君が調理しろと言っているのだ、居候することになった私に拒否権などない。キッチンに行って、包丁を持ってくると、とりあえずある程度食べれそうな部分に目星をつけて、包丁を振り下ろす。
ガッ!
・・・硬い。がりがりしてみるが、うろこの一枚も傷つけていない気がする。こんなのどうしろっちゅうねん。
「そのあたりでいいのか?」
勇者君が剣を振るうと、私ががりがりしてたあたりが切り離され、両手いっぱいほどの切り身が出来上がった。
「ほかに切ってほしいところはあるかい?」
全力で首を横に振る。この魚に比べると小さく見えるかもしれないけど、これ十人前はあるよ?
「じゃあ、僕はギルドに残りを持っていくね。」
そう言うと、勇者君は巨大魚とともに消えていった。とりあえず、腕を怠くしながらキッチンに運び、まな板の上にのせる、まな板にかぶせるが正解かもしれない。
「うわぁ、大きいねぇ。それが【スーパーウルトラミラクルギガントシャーク】とやらの切り身かい?」
ユンがピョコピョコ現れた。あのやたらでかい魚、そんな小学生がつけたみたいな名前ついてるんだ・・・。でもサメなら結構おいしいって聞くけどなぁ。
「きっとエヴァが世界で最初に調理する人間だよ。わくわくするね。どんなふうにするかは決めたの?」
「・・・とりあえず食べてみる。」
別にわくわくはしないよ?切り身を一口サイズにスライスする。結構硬めだな、筋肉質なのかもしれない。
「調味料はここに入ってるからね。」
醤油はあるかなぁ・・・。あ、未開封のがあった。ていうか中に入ってる調味料全部新品だ。調味料は私の知ってるものしかないなぁ。そこも知らない物だらけだったら困るんだけど。
とりあえずなんたらかんたらシャークの味見だ。醤油をつけて口にしてみる。
ゴフッ
うん、ビックリするほど生臭い。食えたもんじゃないね。身は大きいのに食用にならないわけだ。
「どんな味がするの?」
「・・・お食べ?」
「いや、僕はウサギだから魚はちょっと。」
ユンにも同じ目に合わせてやろうと思ったが拒否された。なんでも食べるくせに。
たしか生臭さには酢漬けにすると良いって聞いたことがある。適当なサイズに切って、酢をかけていく。あとは時間をおいて・・・。適当に醤油とみりんで味付けして焼く。
「・・・完成。」
「なんていうか、面白みがないね。」
料理に面白みを求められても・・・。勇者君もあらわれて、晩御飯のお時間だ。
「うん!おいしくはないが、食べられなくはないな!」
「ちょっと生臭いけどね。」
食べられるようになっただけ、表彰物じゃない?