11日目 ナニコレおいしい。
現在の所持品
How to healer 1冊
冒険者カード 1枚
パジャマ 1セット
銀貨15枚 銅貨2枚
水が半分入った水筒 1つ
癒しの神の杖 1本
装着型魔力測定装置・改 1つ
ロボットサンドイッチ上 3つ
「さて、とりあえず勇者君とパーティを組むにあたってのあれこれを、決めようと思う。」
ユンが戻ってきたら、そう話を切り出した。さっきは勇者君から聞いてって言ってたけど・・・ユンは勇者君とつながってるからいいのか。
「まぁ、エヴァの希望は分かってるつもりだから、もうある程度どうするかは話し合っておいたよ。」
おぉ。さすがはユン、出来るウサギだ。さっきは撫で損ねたし、今度こそ撫でてやろう。
「・・・おいで。撫でてあげる。」
ピョンピョコ駆け寄ってきたので、ひざの上にのせて撫でまわす。そういえば今何時だろう。おなかすいたなぁ。
「じゃあ話すよ?」
「・・・ご飯食べながらでいい?」
「そういえばもうお昼過ぎだね。いいけど・・・ちゃんと聞いてよ?」
許可ももらったのでサンドイッチを取り出す。今回はなんとあのロボットサンドイッチ上だ。やたら高い分、期待が膨らむ。とりあえず一口。
「まず、今まで通り冒険に誘うから、気が向いたら参加してくれればいいって。」
「・・・ナニコレ、おいしい。」
なんだろう?食べたことない味だけど、とりあえずおいしい。なんだろう。
「聞く気ないね?・・・うん。たしかにおいしい。ナニコレ?」
ね?何かは分からないけどおいしい。おいしいから良しとする。でもちょっと怖いから、あとで一応解毒をかけておこう。
「それで、報酬はない代わりに、この家に住んでいいってさ。キッチンは勇者君使わないから、好きに使い放題だよ。」
ちょっとサンドイッチを開けて中を見て見よう。うわぁ、見ても何か分からない。これお肉かな?
「部屋はあとで案内する部屋使って。あとお風呂は好きな時に入っていいけど、扉に入浴中の札を掛けといてね。」
とりあえず、7種類の具材が入ってることは分かった。いや、一種類はソースかな?そんな気がする。
「あとは特に縛りもなく、自由にしていいってさ。悪いことはしちゃだめだよ?」
細胞壁の有無から、おそらくこの2種類は野菜類だろう。でも色も形も初めて見るものだ。
「以上だけど、質問は?」
「・・・ユンはこれ、なにか分かる?」
「さぁ?」
ユンにも分からないかぁ。
「ちゃんと聞いてた?僕の言ったこと復唱できる?」
「・・・悪いことしちゃだめ。」
「まぁそこだけ守ってくれればいいけどさ・・・。」
興味津々でサンドイッチを分解する私を、呆れ顔で見ている。
「勇者君は仲間が増えたって喜んでたし。WINWINの関係であってほしいところだよね・・・?そういえば料理が趣味って言ってたけど、どういうところが好きなの?」
料理っていうかその後食べるのが好きなんだけどね・・・。まぁ創作料理じみたこともたまにやってたけど、美味しく食べたいから、あんまりぶっ飛んだことはしないかな。間違いなくおいしいだろうと思うアレンジしかしない。
でもこのサンドイッチしかり、この世界の食材は私の知らない物ばかりだからなぁ。この世界で料理するのは、未知の挑戦みたいで楽しいかもね。
「・・・私の知らない食材に対する、挑戦?」
「なるほど、珍しい食材をどう調理するか考えるのが楽しいわけだ。」
ユンの納得顔に、なんとなく嫌な予感がしないでもなかった。




