11日目 恐怖の寝起きドッキリ。
現在の所持品
How to healer 1冊
冒険者カード 1枚
パジャマ 1セット
銀貨15枚 銅貨2枚
水が半分入った水筒 1つ
癒しの神の杖 1本
装着型魔力測定装置・改 1つ
ロボットサンドイッチ上 3つ
「あ、目が覚めましたね。」
目を開けると目の前にシーラの顔があった。どうやらシーラに膝枕されているようだ。目を覚ましたら自分をストーカーしている相手に膝枕されていた恐怖たるや。
「安心してください!クンカクンカとお触りまでで我慢しました!」
・・・何が怖いって、そこまでやっておいて我慢したと言い切ったのが怖い。我慢しなかったら、私何されてたんだろう・・・。体を起こすと、シーラから距離を置く。
「ユンユン~起きましたよー?」
シーラはそう言いながら立ち去って行った。いつの間にあだ名なんて付けたんだろう。
「やぁ、調子はどうだい?」
そう言いながら、シーラと入れ違いでユンが入ってきた。ていうかそもそもここどこ?あとなんで寝てたんだっけ。
「ここは勇者君の家みたいなものだね。城で倒れたから城からは離しておこうってことになったんだ。」
ユンが説明しながらテクテク歩いてくる。何か違和感を感じるんだよなぁ・・・。
「・・・ユン、歩き方変じゃない?」
いつもはウサギらしくピョンピョコ走るのに、今は亀のように歩いている。
「そうかな?まぁ、僕も長旅で疲れてるんだよ。」
「・・・長旅って、勇者君使ってひとっとびじゃない。」
「勇者君使ってって、君も結構なこと言うねぇ。移動は短くても、君が王様の前で倒れてその後大変だったんだからね?」
そうか、ユンにも迷惑かけちゃったね。
「・・・おいで、撫でてやろう。」
「いや、今は良いよ。それよりずいぶん長い間寝てたけど、体調は大丈夫?」
・・・ユンがなでなでを置いておくとは・・・。これは相当疲れているか、本気で心配してるかどっちかだな。でも言葉で大丈夫って言っても、心配は消えないだろうなぁ。私そういうの言わないで我慢しちゃうタイプだし。あ、そうだ。
(―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――。)
「え?エヴァ?なにしてるの?」
癒しの神の口づけを自分に使う。これで大丈夫じゃないなんて言わせない。空から女神様が降りてきて、私に口づけをした。あれ?前は魔力を半分くらい持ってかれたのに、今回は十分の一くらいしか減ってないな?なんでだろう・・・?まぁいいや、使える物は使っておこう。
(―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――。)
ユンの元にも女神様が口づけに行く。二連続でも嫌な顔一つせず来てくれる女神様マジ女神様。これで私もユンも元気いっぱいが保証されたね。ユンはそんな様子を驚いた様子で見ていた。
「・・・マジかよ。」
「・・・何か言った?」
「いや、なんでもない。それより魔力は大丈夫なのかい?」
「・・・うん、まだ8割くらい残ってる。」
ユンが唖然とした顔をしている。別に発動できること知ってるんだから、そんなに驚かなくてもいいと思うんだけど・・・。
「・・・エヴァ。悪いけど、君は勇者君のパーティに入らないといけなくなった。」
「・・・あぁ、そういえばそんな約束したね。」
王国に瞬間移動するお礼に入ることになったんだっけ。勇者君って朝昼晩冒険に出てる狂人なイメージなんだけど、私はどれくらいサボっていいのかなぁ?そんなしょっちゅうお出かけしたくないんだけど。あと報酬は10対0でお願いします。
「そうか、覚えていてくれたならいいんだ。じゃあ、後で勇者君から詳しい話があると思うから。」
そう言ってテクテク部屋を出ていった。変なユン、別にここにいればいいのに。
撫で損ねたなぁ。