11日目 馬鹿な味方は優秀な敵よりたちが悪い。
現在の所持品
How to healer 1冊
冒険者カード 1枚
パジャマ 1セット
銀貨15枚 銅貨2枚
水が半分入った水筒 1つ
癒しの神の杖 1本
装着型魔力測定装置・改 1つ
ロボットサンドイッチ上 3つ
王命の手紙 1枚
ロインさんとの楽しい筆談も終わり、お互いに無言で手を振って別れる。今、私たちの口は何も話していなくても、お互いに通じ合っている。そんな気がする。気のせいかもしれない。
さて、これからどうしようかな?とりあえずやたら人が多い道には戻りたくはないので、路地裏でまったりしたいところだ。まずは、私の行動範囲である、路地裏の構造を把握しようかな。
まず今いるのがまっすぐの道。決して広くはないけれど、私がまったりするには十分な広さがある。この裏路地を『憩いの道』と名付けよう。この憩いの道をまっすぐ行くと、どっちの方向に行っても、広くて人が多い道に出てしまう、行き止まりのようなものだ。しかし、憩いの道は実はT字路となっているのだ。どこまで広がっているか確認してみよう。もしかしたら工字路になってるかもしれないね。期待に胸が膨らむね。
曲がり角に近づくと、何やら話し声が聞こえてくる。曲がった先に人がいるようだ。まさか憩いの道に私以外の人間がいるとは・・・。
「いたか?」
「いや、こっちには誰もいなかった。」
「確か白い服を着た少女だよな?」
「あぁ、名前はエヴァというらしい。」
・・・あれ?私のこと探してる?誰かに捜索されるような覚えはないんだけど・・・。もしかして、ユンを追っていった人が探してるのかなぁ?そういう場合はどうしたらいいんだろう?近くの家にでもお邪魔して助けを求めるとか?そんなことするくらいなら、どんな目に合うとしても捕まる方を選ぶよね。
「たしか人がいないところを好むって言ってたよな。」
「あぁ、暗くてじめじめしたところに良く生息するとも聞いたぞ。」
私のことをキノコかなにかだと思ってない?ていうかこれはあの黒服じゃないね。この的確な情報は、悪いウサギの匂いがするね。これで裏路地で見つかったなんて知れたら、ユンに「好みの場所が菌類と同じだよね。」とか言われるに違いない。そうなるのも癪なので、こそこそ逃げ回ろう。
しかし、行こうと思っていた先に人がいるとなると、もうこの憩いの道には逃げ道がない。どうしたものか・・・。
「こっちの方も探してみよう。」
「そうだな。」
あぁ、こっちに近づいてくる気配がする。誰か助けてー。
「うーん。ここにはいないみたいだな。」
「他に人が少ないところを当たってみよう。」
若い兄ちゃん二人がそう言いながら、憩いの道を去っていく。そんな様子を上から見ていた。・・・あれ?私飛んでる?なんで?
「ふっふっふ。エーヴァちゃんの助けを求める声を聞き、シーラ参上です!」
どうやら、後ろからシーラに抱きかかえられているらしい。そういえばいつも空飛んでどっか行くけど、どうやって飛んでるんだろう?いつもなら勝手に落ちればいいと思うけど、今落ちると私が危ないから、飛ぶ理屈はちゃんとしてほしい。
「一応【浮遊】っていう魔法で、結構高度な魔法なんですよ?」
へぇ?そういえばシーラは灼熱さんだったね。
「とにかく!シーラが来たからにはもう安心です!エーヴァちゃんの望みを叶えて見せますよ!」
「あ、いたいた。やっぱりシーラにはエヴァがどこにいるかが分かるんだね。」
「うむ。ユンの言う通り、後をつけて正解だったな。」
シーラと一緒に振り返ると、隣の建物の屋上に勇者君とユンがいた。
「やっぱり暗くてじめじめしたところにいたね。エヴァってキノコの子孫だったりしない?」
シーラはゆっくりと私を地面に降ろすと、そのまま土下座の姿勢に移行していった。
「本当にごめんなさいです!」




