11日目 灼熱の魔術師。
現在の所持品
How to healer 1冊
冒険者カード 1枚
パジャマ 1セット
銀貨15枚 銅貨2枚
水が入った水筒 1つ
ルクーセ特製サンドイッチ 1つ
癒しの神の杖 1本
装着型魔力測定装置・改 1つ
ロボットサンドイッチ上 3つ
王命の手紙 1枚
「それじゃあ、僕はもう行くね?王様はいつでもいいって言ってたし、ちょっと観光してからでもいいからね?」
そう言って勇者君は消えていった。便利なタクシー代わりに使ってしまった。そこそこ良い立場の人だろうし、忙しいだろうに。まぁ最初に会った時から何となく気づいてはいたけど、勇者君はただひたすらにいい人だよね。そこの悪いウサギとは違って。
「なにさ、その目は。」
「勇者君はいい人だなぁ。って考えてます。」
「そう?チーム組んで良かったって思ってくれる?」
あぁ、そういえばそんなこと約束しちゃったなぁ。何とか避けられないかなぁ。誰かと一緒に冒険したいだけなら、私の代わりを探すとかどうよ?
「代わりを探したら、チーム組まなくて済むんじゃないかって考えてます。」
「またそんなことを・・・。それなら一応、勇者君パーティ候補集があるよ?」
そう言うとユンは耳をピコピコしだす。するとすぐに勇者君が現れた。
「これのことだよね?」
「そうそう。ありがとう。」
そう言って小さな本だけユンの口にくわえさせるとまた消えていった。いや、ユンは勇者君を呼び出すのに抵抗とかはないの?そんな「そこのティッシュ取って」みたいなノリで呼ぶものじゃないと思うんだけど・・・。まぁいいか。ユンが差し出している本を受け取る。
まぁ、分かってたけど全然分からないよね。なんかかっこいい名前がいっぱい並んでいる。この人は剣を使うんだろうなぁ。あぁ、この人はきっとスピードが売りなんだろう。私に出来るのはせいぜい、どういう人か予測して遊ぶくらいだ。ちょっと楽しくなってきたところで、シーラがのぞき込んできた。シーラなら知ってる人くらいいるのかな?
「あ、これシーラですよ。」
・・・ん?なんだって?シーラが指さしているところには【灼熱の魔術師】の文字が。灼熱なの?そうなの?
「どれどれ?それはたしか短い期間のみ活動していた、炎の魔法を得意とする魔法使いだね。シーラはヒーラーじゃなかったの?」
「あれは、エーヴァちゃんとお揃いになりたくて言っただけです!」
どこまで本気なんだろう・・・。いや、嘘つくタイプには見えないんだけど、全部本当?まぁそれならそれで、私と意思疎通ができる候補が出たわけだ。すごく助かるね。
「おぉ、エーヴァちゃんが喜んでくれています!」
「うーん、全部本当だとしても、エヴァの喜ぶ展開にはならないと思うけど・・・。」
そう言いながらユンが耳をピコピコする。勇者君の登場だ。実は暇なのかもしれない。
「やぁ。まだ門の前にいたのかい?」
・・・そういえばそうだった。
「ちょっといろいろあってね。シーラが自分を灼熱の魔術師だって言ってるんだけど、どうやったら証明できるものなの?」
「それは本当かい!?灼熱の魔術師なら、超高温の青い炎が出せるはずだ。」
「これでいいですか?」
シーラの頭上に大きな青い炎が現れる。サイズとしては、家一軒くらいなら呑み込めそうなサイズだ。大きすぎじゃない?門の内側がちょっとした騒ぎになってるんだけど・・・。
「このサイズ、間違いなく本物だ!」
まぁ、それなら良かった。勇者君の興味が私からそれることだろう。
「シーラ君!僕とパーティを組んでくれないか!」
「エーヴァちゃんと一緒ならいいですよー?」
「まぁ、そうなるだろうね。」
勇者君が良い顔でグルッとこっちを向いた。
むしろ辞めずらくなってしまった・・・。