10日目 天使との再会。
現在の所持品
How to healer 1冊
冒険者カード 1枚
パジャマ 1セット
銀貨16枚 銅貨15枚
空の水筒 1つ
癒しの神の杖 1本
装着型魔力測定装置・改 1つ
ロボットサンドイッチ上引き換えコイン 3枚
王命の手紙 1枚
王命とやらを見て見よう、手紙を開く。中には、私が王様のところまで会いに来いという文章が、堅苦しく書かれていた。あとはやたら複雑なハンコが押されていた。
「破いちゃだめだよ?エヴァ。国家反逆罪とかになっちゃうからね。あとこの紐ほどいてくれない?」
木に括りつけられたユンが手足をバタバタさせながら、そう言った。ほどいてやろうとするが、マシュマロボディの聖なる光は、結んでもいたくない代わりに、食い込んでうまくほどけない。
「いや、聖なる光なんだから消せばいいじゃない。」
あぁ、そうか。聖なる光を消して、ユンを解放してやる。その様子を眺めていた勇者君が口を開いた。
「一応、今すぐ王様のもとに飛ぶこともできるけど、エヴァ君はどうしたい?」
いやいやいやいや、全力で首を横に振る。心の準備がかけらもできてない。ユンで遊んでる場合じゃなかった。
「そうか、まぁそこまで急ぎではないから、エヴァ君のペースでゆっくり来ると良いよ。」
本当に?じゃあ私のペースで・・・。
「ダメだよ勇者君。そんなこと言ったら一生行かないよ?
いい?エヴァ。呼び出しには早く答えるほど誠意があるように見える。逆は分かるね?」
・・・ユンに読まれてしまった。そして、私を動かす方法を理解し始めている・・・。
「じゃあ、僕はもう少し頑張ってくるよ。」
そう言って勇者君は消えてしまった。ここのところ数日は、私のために頑張ってくれてるってことだよね・・・。
「勇者君に感謝してるなら、パーティーを組んであげると良いと思うよ?」
「・・・でも、勇者君がいなければ、そもそも呼び出しがなかったんじゃ・・・。」
「気づいてしまったね・・・。」
危ない。騙されるところだった。勇者君は自業自得ってことでいいや。とりあえずルクーセおばちゃんに会いに来たんだから、まとう。井戸に行って水をくむ。ユンに手伝ってもらいながら、桶を引き上げると、水筒に水を入れる。
「良くこぼさないねぇ、エヴァってやたら器用だよね。」
器用のラインが分からないから、何とも言えないなぁ。さっきまでと同じ木陰で時間をつぶしていると、昼前頃にルクーセおばちゃんが屋台に来た。
やったぁ!久しぶりのルクーセおばちゃんだぁ!
「おぉ、まんまいつも出してる天使様だね。あの人がモデルだったんだ。」
驚いてるユンを置いて、トテトテ屋台まで歩いていく。
「いらっしゃい。久しぶりだねぇお嬢ちゃん。・・・あいよ、ルクーセ特製サンドイッチ・・・2個ね。はい、ちょうど。まいどありー。」
サンドイッチを買うと、ユンの元まで戻る。満足したし、誠意を見せるためにも、行きたくもない王国に向かわなくては。
「・・・いこっか。」
「・・・えっ!?終わり!?あれだけ楽しみにしてたのに、一言も発せず終わりでいいの!?」
そんなこと言われても・・・。私が人と話さないのはいつものことじゃない?
「てっきり、あの人となら話せるのかと思ったんだけど・・・。そういうわけじゃないんだね・・・。」
ユンが困惑した表情をしていた。