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8日目 努力では、どうにもならないこともある。


  現在の所持品

 How to healer 1冊

 冒険者カード 1枚

 パジャマ 1セット

 銀貨17枚

 紅茶の入った水筒 1つ

 ロボットサンドイッチ下 2つ

 癒しの神の杖 1本

 装着型魔力測定装置・改 1つ

 ロボットサンドイッチ上引き換えコイン 3枚


 ユンに拒否されたうさ耳はしまって、帰路に就く。


 「エヴァはつけてみないのかい?」


 つけません。首を横に振る。


 「それは残念だなぁ、似合うと思うんだけど。」


 ユンまでシーラみたいなこと言って・・・。こういうのは、ハロウィンとかでうぇーいって言ってる人たちが付けるものだから、私には縁のない物だから。


 教会に戻ると、教会の外でシーラとクレハが、なぜか正拳突きをしていた。


 「1!2!1!2!」

 「1!2!1!あ、エーヴァちゃんの匂いがします!」


 ・・・匂い?今匂いって言った?お風呂と洗濯は欠かさないようにしてるんだけどなぁ。・・・匂うかな?服と体の匂いそうなところを嗅いでみる。


 「ウサギの嗅覚でもにおわないから安心しなよ。」

 「そうですよ!エーヴァちゃんからは、なんかこう、可愛い匂いがするんです!」


 一瞬で私の元まで飛んできたシーラがそう言う。可愛い匂いってなんだろう・・・。匂いに使う表現じゃないよね。可愛いって。


 シーラに遅れて、クレハも駆け寄ってきた。


 「エヴァも一緒にヒーラーの特訓するわよ!」


 あの正拳突きはヒーラーの特訓だったの?それならぜひとも、ご遠慮願いたいんだけど。


 「エヴァの周りにはどんどん人が集まるね。」

 「・・・ウサギが喋ったわ・・・。」


 やっぱりウサギは喋らない物らしい。クレハは心底ビックリした顔をした。


 「あぁ、初めましてだね。僕はユン。よろしくね?」

 「あ、ご丁寧にどうも。クレハって言います。治癒師をやってます。触らせてもらってもいいですか?」

 「いいよ?」


 クレハが嬉しそうにユンを撫でている。丁寧に対応されると、敬語になるのか。


 「それで、ヒーラーってパンチ力も鍛えなきゃいけないの?」

 「そうですよ!もっとこうパーって光る感じのがいいです!」

 「あんたの適性的に仕方なくやってるのよ!本当なら、祝言をうまく噛まないで言える方法とかを一緒に考えたりするものなのに!」


 本当にやりたい特訓も地味だなぁ。でも、他に訓練出来るところもないのか。


 「でも、ちゃんと聖なる光の祝言は、頑張って覚えさせたのよ!ほら、発現しなくていいから唱えてみなさい!」

 「任せてください!」


 シーラが目を閉じて両手を上に掲げ、大きく息を吸う。息を止めると、カッっと目を見開いた。


 「神よ~~~ッ!!!」

 「だからごり押しじゃ発現しないって何回言ったら分かるのよ!!!」


 クレハも苦労してるらしい。


 「もう!読み上げるのは早いし、噛むこともほとんどないから、読む才能はあるのに・・・。」

 「君はシーラの師匠なのかな?」

 「そうよ!シーラの師匠のエヴァの師匠よ!」

 「・・・なにやら面倒なことに巻き込まれてるみたいだね。」


 ユンが私を見てそう言った。うん、まぁね?


 「じゃあシーラ!今日の特訓の集大成を見せるのよ!」

 「ラジャーです!」


 シーラがそう言って構える。ファイティングポーズだ。


 「ハッ!」


 切れのある突き!


 「フッ!」


 切れのある蹴り!


 そして両足をそろえ、両手を上に掲げてYの姿勢!


 「神よ~~~ッ!!!」

 「それはもういいわよ!!!」


 とりあえずヒーラーとしての成果は出てないようだ。


 「というわけで、エヴァも一緒にやるわよ!」

 「エーヴァちゃんも一緒にやりましょう!」

 「エヴァなら、もう宿に切り上げたよ?」


 今日は早めに寝よう。


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