7日目 ストーカーのレベルが高い。
現在の所持品
How to healer 1冊
冒険者カード 1枚
パジャマ 1セット
銀貨18枚 銅貨4枚
紅茶の半分入った水筒 1つ
ロボットサンドイッチ下 1つ
???の杖
「あ、どこ行ってたのよあなたたち!」
勇者君の瞬間移動で、教会まで帰ると、タフティがいた。そろそろお昼の時間だ、この時間にいるのは珍しいね?
「急に消えるからビックリしたじゃない!」
「すまない、説明してから行くべきだったね。」
どうやら、急に消えた私たちを探していたらしい。心配してくれていたようだ。勇者君をゲシゲシ蹴りながらじゃなければ、ちょっとした感動シーンだったかもしれない。
「まぁ無事に戻ってきたならいいわ。私はもう、行くわね?」
「僕も、討伐の報告に行かねばならない、さらばだ。」
そう言って二人が立ち去る。冒険が思ったより早く終わってよかったよ。今日一日を乗り切った気分だ。
「やっと二人きりになれましたねぇ。」
シーラが私の背後でそう囁いた・・・。待って、一番の問題が片付いてなかった。二人ともカムバーック!しかし二人はすでにいなくなった後だ。とりあえずユンを拾い上げ、盾にする。
「落ち着きなよ、勇者君が気付く前から、君のことを追ってたみたいだし、いまさら何かしないでしょ。」
「そうですよ!シーラはただ、見守るだけです!安心安全です!」
安心安全なら、突然背後を取って、不穏なことを言うのはやめてほしい。ていうかストーカーが一緒な時点で、安心はかけらも感じないんだけど。
「では、見えないところから見守ればいいですか?」
うーん、見えないなら見えないで不安だよね。
「では、シーラはどうすればいいのですか!?」
いや、私のストーカーやめてくれればそれでいいんだけど・・・。
「それは出来ません。」
「シーラはさっきから誰と話してるの?」
え?それは、私と・・・あれ?私、声出してないね。ユンが怪訝そうな顔をしている。
「・・・シーラはずっとエーヴァちゃんを見ていたので、何を考えているのか分かるのです!」
「本当に?表情とかから、読み取ってるのかなぁ?」
なにそれ、怖い。・・・1+1は?
「2です。」
「・・・エヴァ?」
シーラを指さしながら、何度も頷く。いや、もうエスパーじゃん!表情からは読み取るとかいう次元じゃないじゃん!・・・7×8は?
「54です。」
これはどっち?九九を間違えたの?読み間違えたの?
「なんだか微妙な表情をしてるけど?」
「今は、『このゴミ虫が!二度と、何を考えているかわかるなんて大法螺吹くんじゃねぇぞ!!』って考えてますぅ!ごめんなさい!ごめんなさい!」
「首を全力で横に振ってるけど?」
思ってない!思ってない!
その後もいろいろ試してみたが、やけにマイナス思考の時があるけど、そこを除けば、ほぼすべて正解だった。あと九九が正確なのは、6の段までだった。
「これは、エヴァにとって良いニュースと、悪いニュースのふたつに分かれるんだけど。どっちから聞きたい?」
「『良いニュースだけであってほしい』って考えてます。」
「良いニュースは、シーラを使えば、こうやって、会話が出来る点だね。」
「『ちなみに、悪いニュースは?』って考えてます。」
「自分をストーカーしている相手に、考えていることが常時伝わっているという事実だね。」
ちょっと悪い方重すぎない?無心でいられる訓練とかしたら良いかな?
そんなことを考えながら、考えるのをやめることにした。