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2日目 妖精との出会い。


 現在の所持品

 How to healer 1冊

 祈りの言葉の小冊子 1冊

 銀貨4枚 銅貨5枚

 ルクーセ特製サンドイッチ 2つ

 半分ほど水の入った水筒 1つ


 「それじゃあ宿に案内するね?」


 宿を紹介してもらえるのは助かるので素直に頷く。タフティについていくと教会のある丘から下りてすぐ。町の裏道に面した建物に案内される。


 「はい、ここが私一押しの宿。『妖精の止まり木』です!」


 一応看板はついているが、ただの裏口にしか見えない。一人だったら絶対立ち寄らない店だ。外装を眺めているとタフティが扉を開けて中に入っていく。


 「やっほー。ポフィーちゃーん?お客さん連れてきたよー。」


 タフティを追って中に入る。中で出迎えてくれたのはピンク色のロン毛に逞しいひげ。これまたピンクのフリフリドレスに身を包んだ筋肉隆々の男?だった。


 トラップだ!


 逃げようとするがタフティに手をつかまれて逃げられない。


 「こらこら、逃げない逃げない。大丈夫よ?ポフィーちゃんはとっても優しい妖精さんなんだから。」


 何?なんなの?この世界の宿屋はある程度強いキャラクター性が無いと生きていけないの?過酷な生存競争なの?

 ポフィーちゃんとやらが私に近づいてくる。


 「あんらー。可愛いお客さんだこと。いっぱいサービスしなくちゃ。」


 全力で首を横に振る。他の宿を所望します。しかしタフティは手を放さないまま、顔を近づけてささやいてきた。


 「銀貨1枚で各部屋お風呂付、それに夕食までついてくる。こんな好条件な宿ほかにないわよ?」


 動きを止める。それは確かに魅力的だ。


 「こんないい宿なのに、なぜかお客さんの入りはいまいちなのよねぇここ。ちょっとした穴場ね。」


 間違いなく主人のせいだろう。


 「この子口下手だから、なにか質問があるときは首の動きだけで答えられるようにお願いね。あと夕食食べるのに食堂は嫌だろうから部屋に持っていってあげて。」

 「わかったわぁ。お客さんには120%のおもてなしがうちのモットーよ。任せておいてぇ?」


 タフティがポフィーちゃんとやらに銀貨を渡しながら、私に対する取扱い方まで教えていってくれる。私のためにそこまで・・・。初対面の時からやばい人だと思っていたけどもしかしたらいい人なのかも。


 「じゃあ、私はもう行くけど。ここからならうちの教会も近いし、明日の朝も遅れないようにお願いね?ポフィーちゃーん。この子朝のお祈りに遅れそうだったら、お風呂中だろうがなんだろうが問答無用で教会まで持ってきてねー。」


 どちらかというと自分のためだったようだ。寝坊だけは絶対にしないようにしよう。


 「さて、それじゃあ部屋に案内するわねぇ?」


 案内された部屋は二階にある、それなりの大きさの部屋だった。タフティ情報通り、足がギリギリ延ばせる程度のお風呂もついている。


 「もういい時間だし、お夕食持ってきちゃうわね?」


 私が頷くとパタパタと階段を下りていく。少しするとポフィーちゃんが夕食を持ってきてくれた。メニューは野菜メインのスープと小さ目の丸パンが2つ。野菜のうまみが溶け出した、良いスープだ。とてもおいしい。


 食事を終えるとお風呂に入る。今日一日歩き回った疲れが取れていくようだ。お風呂から上がると着替えをするのだが・・・。さすがにお洗濯がしたい。冬が近いのか気温はだいぶ涼しいのだが、この二日で対人による嫌な汗を結構かいている。でもほかに着る服がない。


 なんかお金持ちの人が裸で寝ているイメージあるけど、パジャマで寝る習慣のついた私には少し厳しい。下着姿ならなんとか・・・?


 とりあえず外から見える服だけでも洗おう。窓を閉めて、来ている服の確認。表示はないけどこの服はウールっぽいかなぁ?洗剤は置いてあるけど怖いので使わないでおこう。ぬるま湯に着けて押し洗いする。・・・これ、明日の朝までに乾くかなぁ?乾かない気がしてきた。でも時間になったら教会に連れてかれる・・・。

 生乾きを着る決意だけして水気をとり、平干しする。不快感の無い程度に乾いてくれるといいなぁ。


 変えの服がほしい、そう思いつつベッドに入る。思ってたよりふかふかで寝心地はいい感じです。


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